西京極 紫の館

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暁の群像 上・下  南條範夫/著  文藝春秋

2010年10月30日 09時41分44秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
坂本龍馬と同じく、土佐藩の一介の郷士であった岩崎弥太郎は、いかにして明治の動乱期に政商としてのしあがり、三菱財閥の基礎を作り上げたのか。物語は、安芸平野が山肌に吸い込まれようとする地、井ノ口村に始まる。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
   感動度 ☆☆☆★★
   実用性 ☆☆☆☆★
  読み易さ ☆☆☆★★

【西京極の読後感想】
タイトル「暁の群像」の“暁”とは言うまでもなく、日本が徳川封建時代から近代国家への劇的に転換した明治維新を指す。幕末維新を政治的視点で描いた歴史小説は数多いが、著者がスポットを当てたのは経済面での近代化―今でいうところのグローバル化―である。坂本龍馬や西郷隆盛、木戸孝允、大久保利通、後藤象二郎、井上馨、大隈重信、福沢諭吉ら政治家・思想家としての功績は敢えて言うまでもないが、岩崎弥太郎という“商人”の目から見た彼らの人物像はまったく違う姿を現出させてくれる。主人公の弥太郎が決して美化されていないところも面白い。どこまでも利潤を追求する強欲さは美しくはないが人間的だ。同郷人で同時代人である坂本龍馬とは好対照。その弥太郎の毒気を和らげる存在として女癖の悪い弥太郎の幼馴染・節弥の存在が効いている。歴史小説ファンであればこそとても新鮮な気持ちにさせてくれる“成り上がり根性”小説だ。


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