西京極 紫の館

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日本SFの臨界点[恋愛篇]  伴名 練/編  早川書房

2020年10月24日 21時42分47秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
『なめらかな世界と、その敵』の著者・伴名練が、全力のSF愛を捧げて編んだ傑作アンソロジー。恋人の手紙を通して異星人の思考体系に迫った中井紀夫の表題作、高野史緒の改変歴史SF「G線上のアリア」、円城塔の初期の傑作「ムーンシャイン」など、現在手に入りにくい、短篇集未収録作を中心とした恋愛・家族愛テーマの9本を厳選。それぞれの作品への解説と、これからSFを読みたい読者への完全入門ガイドを併録。

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆☆☆★
 読み易さ ☆☆☆★★

【西京極の読後感想】
同名アンソロジーの[怪奇篇]と2冊同時購入。まずこちらを読み始めたのですが、期待した内容ではなかったかな?お話によってはSFにカテゴライズするのもどうなのか?と思うモノもあり~の、まったく理解不能な話もあり~ので…ある意味でSFというものの解釈範囲の広さを実感させてくれる短編集でした。([怪奇篇]の方が僕の期待に応えてくれる内容であるのを願いつつ…)短編毎の一言レビューを。

死んだ恋人からの手紙/中井紀夫:異星人との戦争に向かった兵士と恋人のハイパー通信の時系列が入れ替わることで切ない展開になるというアイデアは面白い。
奇跡の石/藤田雅矢:冷戦時代の東欧に超能力者ばかりの町が存在していたら…というお話。記憶を“アメ玉”のような結晶にする超能力という発想はイイ。これもラストが切ない。
生まれくる者、死にゆく者/和田毅:死期が近づく者は姿が消え始め、子供は成長するまで姿が見えない世界で、老人と孫の出会いを描く。読み終えて温かい気持ちになれる。
劇画・セカイ系/大橋蓮司:ライトノベルで「最終兵器彼女」を描いたような内容。僕の好みではないが、アニメ化したらしっくりくるかも…
G線上のアリア/高野史緒:中世欧州に電話が存在し、デジタルの萌芽があったならば…というif話。この短編集の中では一番SFっぽい内容と言える。オチの付け方はオシャレ。
アトラクタの奏でる音楽/扇智史:SNSが可視化された京都で女性ストリートミュージシャンとリケジョが出会うの青春小説。僕みたいなオジサンが読むと気恥ずかしい。
人生、信号待ち/小田雅久仁:青に変わらない信号のせいで奇妙な時間軸に囚われる男女の物語。ちょっと星新一とか筒井康隆のショート・ショートっぽくて一番のお気に入り。
ムーンシャイン/円城塔:難解な数学的なワードが連ねられていて小説の体を成してはいるものの、僕にはまったく理解不能で面白さも解からなかった一篇。スマン…(汗)
月を買った御婦人/新城カズマ:舞台を中世(?)ヨーロッパに置き換えた「竹取物語」。でも原典である「竹取物語」の方がSFっぽいし、(当然だけど)完成度高い。

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