こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

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新ブランド米の試食販売の初日を終わって

2008年10月05日 12時56分51秒 | Weblog
 昨日は、玉川島屋B1にあるスズノブで、茨城県常陸太田市のコシヒカリ「みずほちゃん」の試食販売初日だった。
その中で、今回初めて、他産地のコシヒカリとの試食比較をすることになったことで、かなりの不安があったのだが、やはり不安は的中してしまった。

 茨城県常陸太田市の水は「硬水」、玉川島屋の水は浄水器を通した「軟水」。
これだけでもお米の炊き上がり具合は異なってしまう。
ましてや使用している炊飯器も違うため、産地の人たちからすれば「全く違ったお米」と感じてしまうほどだったそうだ。
そのために、試食販売前に、産地の人たちが「こう話そう」と考えていた内容が、ことごとく使えなくなってしまったため、試食販売が始まる前から、産地の人たちの顔は不安顔となってしまっていた。

 今まで、自分たちが試食をさせる時には、地元からお水まで持ち込んで、その水で炊いていたため、なんの問題も無かったらしい。
そのため、違う水を使うと、自分たちのお米が、どんなふうに炊き上がるのかという勉強をしていなかったそうだ。
 試食販売をするときには、その地域のお水で炊くのは、基本中の基本。
なぜなら、消費者が毎回お米を炊くときに、地元のお水で炊ける訳が無いからである。

 それでは実際に、どんな炊き上がりになっていたのかというと、炊き上がりのご飯粒の大きさは「普通」。
しかし、自分の店の大粒のお米に見慣れていると「やや小さい」となる。
ご飯粒の食感は「やや強めorやや硬め」。艶は「有り」。
香りは「普通」で、炊飯器を変えると「やや強い」となる。
粘りについても「普通」で、炊飯器を変えると、これも「やや強い」となる。
問題なのが甘味で、これについては「やや弱い」で、炊飯器を変えると「普通」となる。
 こんな評価を言うと、このお米は駄目なのかと感じるかもしれないが、そうではなく、まだブランド化の初年度のため、食感の強さと、甘味のバランスが取れていない状態だということで、この程度なら、栽培コントロールによって簡単に修正することが出来るため、全く問題にはならない。
 今年のお米は、ご飯の炊きあがりで、米粒感を求める人や硬めが好きという人には合うお米だろう。

 このお米のブランド化については、試食販売するまで、約3年と見ているのだが、今回、産地の人たちが、思った以上に「井の中の蛙」だということが判ったことで、3年でブランド化させるには、膨大な量の情報を教え込まなければならないことと、かなりスピードをあげて実行していかないとならないということが判った。
まあ。熱心な産地だから、石に噛り付いてでもついて来るだろう。

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