仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

小倉遊亀さんの逸話

2021年09月07日 | 日記

『四十八願講説』(山崎教正著)に、小倉 遊亀(おぐら ゆき、1895-2000・日本画家、女性として初めて日本美術院同人、文化功労賞。)に逸話が掲載されていました。以下転載です。

 

 美人画家として有名な小倉遊亀さんは次のようなことを話しておられました。

 近ごろ観音菩薩など仏画をかいているけれども俗の姿も画いてみたい気持があって、京都先斗町で踊りを見、多くの舞妓さんたちと遊びました。その中で未だ女らしさも生れてないような一人の舞子が側に居たので興味をおぼえてその少女を描いてみようと思い、「そのうちに」と約束をしました。

 一ヶ月程して、また先斗町に行ってその妓に会いましたら、こんな輝くような美しさが一体何処からきたかと思う程に美しく変っていました。その時、その待合のお女将さんが出てきて言いました。「先生、不思議どっせ、えらいもんですなあ。大勢の舞妓さんのなかから、この妓が描かしてもろうことになってから後というものは、お座敷に出やはるんかて違いますんどすぇ。顔も輝くようきれいにならはりましたんどすぅ!」

 この舞妓さんはただ描かしてもろうことに指定されただけで顔に輝きが生じました。私どもはそれどころではありません。今日正定聚に指定されるだけでなく、広大な如来の荘厳功徳までいただくのです。(以上)

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