真説・弥勒浄土      

道すなわち真理の奇蹟

性理題釋~八十八、、明師真道(めいししんどう)と尊師重道(そんしじゅうどう) 完

2023-09-30 19:23:12 | 性理題釋

八十八、、明師真道(めいししんどう)と尊師重道(そんしじゅうどう)

修道のための経典を読んで見ると、そこに説かれているのは、道を得ることが修道の鍵であると説かれています。

それは、明師より伝えを受けることであります。

『君の聡慧(そうけい)も顔閔(がんびん)に過ぐるや、明師に遇わざれば強猜(きょうさい)するなかれ』と申された如く、又『千経万典を読むも明師の一点に如(し)かず』と申された如くであります。

明師の指点(してん)を得ると共に、親しく口訣(くけつ)を伝え受けることによって、始めて得道(とくどう)したことを知るべきであります。

故に昔の修道者は、必ず『千里に明師を訪ね、万里に口訣を求む』苦行がありましたが、機縁(きえん)未だ至らずと雖も、且つ人の心志を試煉したのであり、これも亦大道の至貴至尊(しきしそん)なる所の見るのみであります。

大道は理天より伝えられたものでありますが人が得道すれば、気(き)と象(しょう)を超越して理に還るとが出来る訳でありまして、すべてこれを証明する者を、始めて真天大道を体得したと申すのであります。

然るに理天は本来、声色形象(せいしょくけいしょう)がないために、勿論衆生凡人は迷って無極理天(むきょく利点)を悟れず、又解り難いものであります。

或いはこれを知っても、なおその門を得ずして入れば、天に通じ難い訳であります。

天命の仏祖様方がここに出世し、天を継いで極を立て、道を行い教えを説いて、天に代わり宣化(せんか)するのでありますが、その名を奉天承運(ほうてんしょううん)の明師と申すのであります。

つまり、ただ一人その明徳を明らかにするだけではなく、すべての人々は指点を受け、口訣を承(たまわ)る者は、均(ひと)しくよくその俊徳(しゅんとく)を明らかにすることが出来る訳であります。

明師は代々相承(あいうけたまわ)り往きし聖人を継いで来たりて道を開くのであります。達摩祖師様も仏様の心印を承り、初めて東土(中国)に来て衣鉢(いはつ)を伝えましたが、然しその衣鉢を信じ亡くなってから、道は火宅(庶民)に転じて行って、衣鉢を伝えなくなりました。

天命は隠顕(いんけん)の間にあって、『性と天道は聞く得べからず』と申された時ではなくなりました。乃(すなわ)ち天道は、その時に非坐れば伝えないだけであります。

時期は三期末劫(まつごう)に至り、真の仏、弓長(ゆみなが) 子系(しけい)両位(りょうい)が、天命を承り、人身をまとうて世に降られ、三層即ち気天界・人間界・地獄界の原性(げんせい)を普渡し、広く中庸の大道を揚(あ)げて、末期一着の大事を整理し、そして苦海に彷(さまよ)う原子(仏子)を救う訳でありますが、すべてその指点得た者は、即ち三界の五行を頓超(とんちょう)することが出来るのであり、永遠に生死輪廻の苦しみを受けずに済むわけであります。

現在普く機縁ある群衆には、天・人・鬼(き)にも応じられて普伝(ふでん)する訳で『一子成道すれば、九祖昇天す』という境地であり、諸仏方の弘願(こうがん)を了却(両脚)し、苦海の衆生を渡し尽くすことは、空前絶後のことであります。

諸仏様方の天を凌(しの)ぐ大恩大徳は,我々の思量(しりょう)し難いものであります。故に我々はこれを尊び、又これを重んずることが、原来(がんらい)の性分(しょうぶん)に従うことを流露(りゅうろ)するのであります。ましてや徒(いたず)らに口先で説くだけでは、おおむね生死を流浪(るろう)することを覚悟せねばならず、又常に苦海の苦悩に沈まねばまりません。

自ら知れば、一歩にして直ちに超越出来るのが、真道の貴い所であります。真道の貴い所を知れば、これを得たことの容易ならざることを知り、道を重くせねばなりません。

真道を重くし、而して又、明師の大恩大徳に感謝して、明師を尊ばねばなりません。道を重くして師を尊ばざれば、悟ったように思っても頑空(がん食う)に入ることになり、これを名づけて辺見(へんけん)と申し、あらゆる木石と同じ訳で、道を成就することは出来ない訳であります。

師を尊びながら、道を重くせざれば、たやすく人道に落ち、虚(むな)しい世情にしずむ訳で、人に修道していると見せかけて真実の修行をせず、郷原(きょうげん:偽善者)と同様で、終に天人合一の宗旨に合わない訳であります。

故に修道する者は、必ず先ず、明師の至尊(子孫)なる事、真道の至貴(しき)なることを知らねばなりません。

そしてこれを尊び、又これを重くし、自性(じせい)より発して、終始一貫。知行合一(ちぎょうごういつ)すれば、則ちすべて明師に逢い、真道を得たことを枉(ま)げないことになるわけであります。


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