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ミスター・シンデレラ/新国立劇場(日本オペラ振興会)2017

2017-11-03 | オペラ
ミスター・シンデレラ/新国立劇場(日本オペラ振興会)2017

作曲:伊藤康英、指揮:坂本和彦、演出:松本重孝
美術:荒田良、衣裳:前岡直子
演奏:G.Dream21アンサンブル
出演:
正男:所谷直生、薫:大貫裕子、垣内教授:村松恒矢
赤毛の女:東城弥恵、母:牧野真由美、父:田中大揮
美穂子:加藤美帆、卓也:千葉祐輔、マルちゃんのママ:吉田郁恵
マミ、ルミ、ユミ:山邊聖美、小林教代、佐藤みほ

3重唱が美しかった。魔笛の侍女の3重唱を思わせる曲。良く揃って久しぶりに聴くしびれる3重唱。その後に続く、メリーウィドウ風の曲の合唱も良くそろって美しい。民謡のメロディーを使った曲が重唱、合唱に良く合って美しかった。日本語にとって民謡は方言が重要なんだと思うし、日本語オペラにも重要なんだと思う。現代でも標準語や文語と、普通に会話している時の口語はイントネーションも単語も抑揚も違う。当然のことながらオペラは口語の方が良く合う。

所谷の声の良さが出る作品では無いが芝居はすごく良かった。結構おちゃらけすぎで難しい芝居だったと思うが、真面目に取り組むんで成功したように思う。大貫も同様。村松は容姿も声もカッコいいバリトン。引き締まった感じ。牧野は声も芝居もいい。はりきって鹿児島の母ちゃんになっていた。田中も芝居が面白かった。東城は強いソプラノ。こちらも芝居が良い。全体に、歌を聞かせるより喜劇を見せる方に重点があった。曲は昭和の流行歌のようなものからクラシックまで様々な旋律が現れて、退屈しないようにスピーディに展開していた。レティタティーボが無く、通常のセリフなのでオペレッタの形式。重唱にかなり力の入った作品で、随所に様々な多重唱が入る。

演奏は女性だけで、管楽器とチェロ、コントラバスそれぞれ1個づつ+電子キーボード程度の室内楽アンサンブル。室内楽オペラという位置付け。今回の公演のために、オリジナルの作品を室内楽用にアレンジしなおしたとのこと。小劇場で1日に夜と昼の公演を行い、回数を通常の2倍にしていた。

17.10.14 新国立劇場、小劇場

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