ニルヴァーナへの道

究極の悟りを求めて

岩井軽氏から菊地直子容疑者へのメッセージ

2007-03-01 19:05:38 | カルト
岩井軽さんの本を紹介させてもらったので、この本の中の、菊地直子容疑者へのメッセージを掲載させてもらいます。元世界記録達成部でマラソンランナーだった直子さん、どうしているのかなあ。気になっています。
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直子よ

 最後に菊地直子自身に呼びかけたい。

 直子よ、君はまだオウムによる衆生救済のシナリオを信じているのか。いったい君が関った作戦行動が、どのように人々の覚醒に役立ったというのだ。今、目を醒まさなければならないのは他ならぬ君自身なのではないか。

 僕も一度は麻原教祖の説くタントラヴァジラヤーナの教えに傾倒した人間である。だから、「今回のオウムによる一連の事件は麻原尊師が、日本人全体に全ての現象は心の本質の現れに過ぎないという真理を悟らせるために引き起こされたものである。それは密教の世界ではマハームドラー(大いなる空)と呼ばれ、慈愛を根本としているのである。」という主張は理論としては理解できる。

 しかし、事実の裏付けのない理論は単なる屁理屈にすぎない。一連の作戦行動によって、いったい誰が覚醒したというのだ。逆にその理論の破綻を裏付けるのに充分な事実の積み重ねが衆目に確認されるに至った。最早、幻想は幻想として見極めるべきである。

 麻原教祖は説いた。
「全ての現象をありのままに見つめなさい。ありのままに見つめるということはどういうことかと。それは煩悩から離れた捉われのない心で対象を把握することである。」と。
 もちろん、これは君もよく知っている「八正道の正見の教え」である。なるほど素晴らしい教えである。ならばである。これまでも既に数々の公判で、僕達が今まで教団によって信じ込まされてきた内容とは裏腹の事実が、幹部たちの証言によって明らかにされた。この期に及んで、もろもろの事実の積み重ねをすっとばし、それでも麻原教祖は救世主であると考えるのは、それこそ弟子の欲目ではないだろうか。

 君は、マスコミが伝える情報は、裏で何者かによってコントロールされているので一切信用できない、と考えるかもしれない。しかし、君が根本としている麻原教祖に関する情報も、実はそのほとんどが組織としてのオウム真理教という「権力」によって加工された二次的なものに過ぎないのではないか。実際に麻原教祖は君の目の前で聖者であることの「証(あかし)」を示したことがあるのか。

 例えば君が修行によって様々な内的体験を得ていたとしても、それを即、麻原教祖に結びつけて考えるのは短絡的というものだろう。

 いずれにしても、今の君のスタンスに固執せず、いろんな見方の可能性を探って欲しい。

 そして、努めて捉われのない自由な心で、井上嘉浩被告の意見陳述、及びオウム信徒への手紙を読み返して欲しい。僕は、彼の真摯な訴えかけに素直に感銘を受けた。彼の言葉は心の奥底からの叫びである。

 どうか、僕の言葉が君のハートに届きますように。生きているなら。

■岩井軽著「私が愛した「走る爆弾娘」菊池直子へのラブレター(コアマガジン)第5章より

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