まだまだ幼い「てふてふ」さんが、
今日こうして旅立っていきました。
いったい何処へ行くんでしょう?
「…春が来たから。」
そう言い残して「てふてふ」さんは風に消えていきました。
置いてけぼりの私は、
ひとり虚しく空を見上げていました。
すると、まだ雪が残る浅間山のほうから、
ふんわりふわりと花びらが落ちて来たのです。
ふんわりふわり。
はんらりはらり。
ちいさくて薄い桜の花びらです。
ふんわりふわり。
はんらりはらり。
私は、桜の花びらを追うように、
見慣れた松井田の山道を駆け出しました。
竹やぶを抜け、
庚申塚の間を縫い、
小川を飛び越えた頃に、
空が桜色に染まりました。
ごつごつした大きな桜の木が、
目の前に現れたのです。
でも、なんだか懐かしい気がして、
私は一生懸命に思い出したのです。
それは私がとっても小さい頃、
みんなで植えた桜の木でした。
どれくらいそこにいたのでしょうか。
気がつくと足元には桜のじゅうたんができています。
私は落ちてくる花びらを見ながら、
「てふてふ」さんが毎年なぜ旅立つのか、
少しだけ解ったような気がしました。
もう心配ない。
私はそう言って少し笑いました。
それから?それから?
今日はここまで。
これからまだまだ仕事です。
つづく・・・
今日こうして旅立っていきました。
いったい何処へ行くんでしょう?
「…春が来たから。」
そう言い残して「てふてふ」さんは風に消えていきました。
置いてけぼりの私は、
ひとり虚しく空を見上げていました。
すると、まだ雪が残る浅間山のほうから、
ふんわりふわりと花びらが落ちて来たのです。
ふんわりふわり。
はんらりはらり。
ちいさくて薄い桜の花びらです。
ふんわりふわり。
はんらりはらり。
私は、桜の花びらを追うように、
見慣れた松井田の山道を駆け出しました。
竹やぶを抜け、
庚申塚の間を縫い、
小川を飛び越えた頃に、
空が桜色に染まりました。
ごつごつした大きな桜の木が、
目の前に現れたのです。
でも、なんだか懐かしい気がして、
私は一生懸命に思い出したのです。
それは私がとっても小さい頃、
みんなで植えた桜の木でした。
どれくらいそこにいたのでしょうか。
気がつくと足元には桜のじゅうたんができています。
私は落ちてくる花びらを見ながら、
「てふてふ」さんが毎年なぜ旅立つのか、
少しだけ解ったような気がしました。
もう心配ない。
私はそう言って少し笑いました。
それから?それから?
今日はここまで。
これからまだまだ仕事です。
つづく・・・