マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ

2012年06月23日 | 総論と分析と考察
昨年マレーシアをマイセカンドホームに選んだ外国人の中で日本人が最多数を占めました。マレーシアの政治的安定と経済成長並びに大きな自然災害のないことが、こういう日本人を引き付ける主たる背景に上げられています。

という大きな見出し兼導入文を、英語紙 The Star が2012年6月15日付けの第一面に載せました。そして内部の1ページを使って日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者、日本人によるマレーシア住宅不動産投資に関する話題を主とした記事を展開しました。

一部を抜き出して訳しますと:
マレーシアマイセカンドホームセンターが明らかにしたところでは、2011年にマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を申請して承認された人数において、日本人は 423人でした、これは2010年の195人から大きく増えました。国別では2011年は日本が最多国でした、なお2010年はイランが最多国。 2011年の新規参加者数で2番目に多い国は中国で 405人。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を承認された世界各国参加者数は これまでの累計で 2012年3月時点で1万8千人を超えました。

別の記事の一部:
ペナンの不動産を探し回る日本人投資家が今年は増えることが期待されています。なぜなら、また新たな自然災害が日本を襲うかもしれないという不安からです。
以上で引用終り

この紙面を読めば、豊かな日本人がマレーシアマイセカンドホームプログラムと住宅不動産投資において、マレーシア、とりわけペナン、に興味を増している、という印象を読者(その大多数はマレーシア人)に与えることになります。

まんざら間違いではないでしょうから、それはそれは結構なことでしょう。
当ブログの前回の記事でも詳しく書きましたように、日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数が2011年は激増といえるほど増え、今年の第1四半期新規参加者数も昨年の傾向を引き継いでいるかのようです。

【日本の世帯平均貯蓄額の数字と実態を基に考える】

ところで今年イントラアジアが日本へ行った時、新聞である統計記事を読みました。その時取ったメモから書きます:
2011年の統計
2人以上から成る 1世帯あたりの平均貯蓄高
1,664万円、 なお負債額は 462万円

ただ60歳以上から成る世帯では、その3分の1は貯蓄高 2,500万円以上である
60歳以上の世帯が貯蓄総額全体の 64%を占める

一方勤労世帯の平均貯蓄高は 1233万円、なお負債額は647万円
以上

7月中旬の追記:別の資料を見つけましたのでそれも加えておきます。
高齢社会白書 平成23年版
世帯主の年齢階級別1世帯あたり貯蓄・負債、年間収入、(平均世帯人数)
40歳から49歳(3.84人):貯蓄1111万円、負債942万円、年間収入746万円
50歳から59歳(3.30人):貯蓄1670万円、負債529万円、年間収入817万円
60歳から69歳(2.67人):貯蓄2202万円、負債201万円、年間収入566万円
以上追記終わり

なるほどシニア世代は確かに豊かなんですね。
現時点では外国人が購入できるマレーシア住宅不動産の最低価格はほとんどの州及びクアラルンプールでは、 1ユニットRM 50万以上です。ざっと円に換算すれば1千300万円前後というところでしょう(いうまでもなく為替の変動でこの価格の上下各10%程度の幅は想定しておくべきです)

貯蓄高 2500万円を超える世帯または資産家世帯であれば、住む目的または投資目的でマレーシアの住宅不動産を買うことはそれほど難しいことではないことは、イントラアジアにもわかります。

よって The Star紙が上記で触れた記事で好意的に紹介したことも、ある面では的を得ているといえるでしょう。

しかしながら、イントラアジアはこの数年日本へ何回も行くことで、日本社会の抱える別の姿もかなり知りました。階層格差の拡大です。若年層から老年層まで格差が拡大していることは、何冊もの該当分野の書籍を読む、新聞を読む、町の様子を感じる、ことで知りました。何よりもイントラアジア自身、1ユニットRM 50万以上の住宅不動産を買うことなど夢にも敵わない層に属しますから、我が層の人たちも増えているんだなと思った次第です(イントラアジアはその層内でもかなり下の方です)。

The Star紙の上記記事が書いているようなことには、”あまり”から”ほとんど”まで縁のない方も、当ブログの読者の間には少なくないことでしょう。

【マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層だけでなく日本の中流層にも門戸が開かれている】

マレーシアマイセカンドホームプログラムは、富裕層の外国人にマレーシアに住んでもらい、どんどん金を使ってマレーシア経済に少しでも貢献してもらう、というのがその第一の趣旨です。そのために種種の特典と優遇措置をプログラム参加者に与えているわけです。

ただそうはいうものの、富裕層でもなくても貧しくなければプログラムに参加できる点も事実としてあります。
定められた最低限の手元資産額の基準を満たし且つ毎月の収入額(年金、賃貸し収入など)を確保できれば、金銭面ではプログラムの申請条件をクリアできます(当ブログはこれまでの記事で条件や規則を詳細に説明してきました)。

そこで不動産デベロッパー、不動産エージェントを喜ばせるような層に属されていない方でも、、マレーシアで十分に住めます。そのためには中級程度の住宅を賃貸すればいいのであり、同時にすべてを日本流に暮らすようなことをしなければいいのです。
こう書くと誤解・曲解する人が必ず出てきますから、蛇足で付け加えておきます:イントラアジアの生活スタイルを押し付けているわけではありませんよ、仮に押し付けたとしても実行できる人はいないことをよく知っているからです。

当ブログの2012年2月4日付けの記事『海外ロングステイの希望者を分類し、マレーシアロングステイの注意点を語る』ではっきり書きましたことを、どうぞもう一度読み返してください。初めての方は是非目を通してくださいね。

【当ブログの趣旨】

当ブログはそこで言明しているように 「全て人任せのマレーシアマイセカンドホームプログラム申請ではなくプログラムの詳細を知りたい方、当ブログはそんな方のために力になります。日本人コミュニティーだけに閉じこもらない、そんなロングステイ者を当ブログは応援します。」

さらに付け加えれば、1ユニットRM 100万前後もするような高価なマレーシア住宅不動産をぽんと購入できるような方たちはほとんど想定していません。買う場合でもRM 50、60万ぐらいの住宅を何とか購入したいという方たち、買うなんてとんでもない賃貸で十分または資金的に賃貸しか選択はないという方たちが、当ブログの主対象です。

日本人だからといって全てが The Star紙の上記記事が書いているような人たちばかりではないことは、日本人であれば誰でも知っていることではないでしょうか。
富裕な外国人買い手を期待する不動産デベロッパーや不動産エージェント、高い費用を払わせるマレーシアマイセカンドホームプログラム代行業者を喜ばせたくない、喜ばせられない日本人の方も少なくないはずですよね。

イントラアジアのマレーシアマイセカンドホームプログラムブログはまさにそういう方たちのために製作しています。

そもそもイントラアジアが長年書いて発表してきた内のかなりの割合は、旅行代理店に頼らずにいかに自由に旅・行動をするか、(日本人コミュニティーでなく)マレーシア社会で暮らすための知識と情報、マレーシアをより知るための知識と考察、といった内容からなります。マレーシアで日本的を暮らしをするためのハウツーとか情報を全く扱っていないことは、ほとんどの方が既にお気づきになっていることでしょう。

【海外ロングステイで創り出されるイメージは一様過ぎないか?】

また上記の論点に戻ります。海外ロングステイで、ここではマレーシアロングステイです、円換算賃料10万円を超える高級な住居に住み、日本車やベンツ車でゴルフ場に通い、日本レストランに頻繁に出入りするといったライフスタイルは、それが享受できれば結構なことで、イントラアジアの関知するところではありません。  

ロングステイをビジネスにしている業者・団体は数あるようですね。マレーシアが人気となれば、マレーシアを視野に入れた業者がわっと増えていることでしょう。ビジネスである以上、その狙いはわかるし、当然富裕層がまず主たる対象であることも理解できます。よってそれをどうのこうのといっても仕方のないことです。

それよりも海外ロングステイ紹介の問題は、例えば上記で取り上げたThe Star紙の記事に代表されるとりあげ方に見られる、贅沢なライフスタイルが享受できる人たちに光を当てがちなマスコミですね。

ロングステイの書籍や特集雑誌を出版している発行人と編集者は、なぜこうも富裕層主体のステレオタイプのロングステイばかりを取り上げるのだろう? 取材する書き手は何々といった内外の権威的組織や富裕層の言を受け売りするお手軽取材が目立つ(全部そうだとは言いませんが)。書き手は確かにある国、ここではマレーシア、に通じていないだろうが、もっと多様なライフスタイルを取材する姿勢と努力が欠けている、とイントラアジアは感じます。

こういうマスコミのお手軽出版、ステレオタイプのロングステイ者像に晒されている、ロングステイ希望者・興味者は、マスコミが創り出したロングステイイメージに捉われることになる。

この意味をイントラアジアが昔から批判している例で説明しましょう。
マレーシア語のマの字も知らず、華人と中国人の区別もできない書き手による、広告写真と見間違うような写真べたべた、原資料を読んだこともなく日本語書籍・情報からの孫引き参照としか思えないような文章に溢れた旅行案内出版物がたくさんありますね。強調しておくと、その責任の過半はそういう書き手を使う編集者・発行者にある。

こういう出版物に晒された読者すなわち旅行者は知らず知らずにその作られたイメージが本来の姿またはあるべき姿だと思い、また期待して旅行する。(綿密な取材による優れた書籍ももちろん少なくないが一過性の旅行者はそういう書籍をきちんと読まない)

ロングステイ希望者・関心者も似たような過程を経ていることだと推測できます。
マスコミや業者・団体の作り出すイメージに大いに従いたい、イメージどおりでなければならない、と考える方ももちろんいらっしゃいます。それは個人の自由ですから、これもイントラアジアの関知するところではありません。

一方当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログです。

そして当ブログは読む方自身が内容を吟味してください、ご自分に向いていると判断されれば、多くの有益で実践的な知識を得られるはずです。あとはその方の適応力と実行意欲次第です。


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