日本の伝統芸術と芸能
能面と能楽・佛像と佛像彫刻
<その022>
人形特集-016
・・大正・昭和期の市松人形
<弘法さんと私・M清子>さんからお借りしました、二代目光龍斎製作の市松人形達の資料を基にして、再度大きいサイズでご紹介して来ました。今回もその続きを致しましょう。
二代目光龍斎作・昭和・55cm
女の子の着物は紋錦紗で、コレクターの清子さんが仕立てられたよし。男の子はオリジナルだそうです。印籠が見えてます。対で製作されたかは不明。先回ご紹介したペアーとは着物の趣が違っております。なかなか宜しいです。
筆者も京都が近かったので、京都に行くと必ずショーウィンドウ越しに、ゆっくりと歩きながら市松人形の前を通り過ぎたものです。 市松一体・¥800.000円の正札は眼に眩しかったですが・・・
以前もお話しましたが、子供の時に一体の市松人形(80cm内外)を持っていましたし、30代の時名古屋の吉浜人形に弟子入りしようかと、思ったことも有るぐらいですから、相当思い入れは強かったんでしょうね。三つ子の魂百までですね。
市松人形の掲載の機会は少ないので、我侭言って、もう少し清子さんのコレクションの市松を紹介させてもらいます。
岡本 玉水 作 ・大正期・55cm
衣装人形の人形制作者だそうで、市松は少ないそうです。紋錦紗の地色の着物です。 頭髪は明らかに人毛ですね。顔立ちがなかなか愛らしい。写真の撮影角度も有るのでしょうが、女性でしたらすぐにも抱きしめたくなるのではないでしょうか。とても良い出来です。
次回をまた、お楽しみに!
それでは<答礼人形>に移りましょう。
「答礼人形」
A- Miss Kagawa・岩村松乾斎
静かな面立ちで品格が有ります、着物も蝶が散りばめられ、その下には牡丹でしょうか。顔に合ったような着物の色柄です。 作品の完成度は高くさすがです。
所蔵都市 | ノースカロライナ州ローリー |
---|---|
所蔵館 | ノースカロライナ自然科学博物館 |
- お道具:
- スタンド、日傘、ぽっくり、草履、扇子、筥迫、
- 家具:
- 雪洞、長持、鋏箱、箪笥、針箱、鏡台、鏡、
- 茶道具(煎茶道具):
- 茶櫃、茶碗、茶托、湯冷まし、急須、
- 茶道具(茶の湯道具):
- 風炉先屏風、台子、水指、茶碗、棗、茶釜、風炉、建水、蓋置、杓立て、杓、茶筅、
- 釜敷き、
片喰
Miss Kagawa は1928・9・16にノースカロライナ州のローリーでお披露目されたそうです。また、当初贈られた道具類も一緒に残っているのは、58体中5体だそうです。戦時中はケースの中で後ろ向きにされていたそうです。
岩村松乾斎 の作の答礼人形は、ミス・関東州、ミス・宮城、ミス・奈良、ミス・北海道に存在しているのですが、今までにご紹介した以外には資料は残念ながらありません。答礼人形の中には製作者不明が結構ありますので、その中に紛れているかもしれません。
東京の吉徳にて修復しましたが、修正箇所は全部で約16箇所にもおよび、
小道具や人形台に関しては新調しなおしたそうです。
着物の下にまとう長襦袢が見えてます。こんな時でないとなかなか見ることが出来ませんね。
「襦袢」は、アラビア語の「ジュッバ(جبة jubbah)」がポルトガル語化した語「ジバゥン(gibão)」を漢字に音写した語でしたそうでして、見せる下着から由来しているそうです。(チイトモ知りませんでした!)
着物の着付け
松乾斉東光・二世による修復完了
東京・吉徳
では、今日はこの辺で。 次回はMiss Kyoto をご覧に入れます。
姉妹ブログ
新規・公開
「サワラちゃんの宇宙・素粒子物理学」
http://blog.goo.ne.jp/sawarachan/
「白洲正子著作集・読書日記 」
http://shirasumasako.blog.fc2.com/
「新・瘋癲老人日記」・不定期便
http://akanechan.at.webry.info/