白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

日本の伝統芸能と芸術-021

2012-09-21 | 日本の伝統芸術

 

日本の伝統芸術と芸能 

         能面と能楽佛像と佛像彫刻 

                                   その021

 

人形特集-015

        ・・大正・昭和期市松人形

弘法さんと私・M清子さんからお借りしました、二代目光龍斎製作の市松人形達を先々回から再度大きいサイズでご紹介して来ました。今回もその続きを致しましょう。

 

二代目光龍斎作・昭和・68cm

      

 

 ちりめんの着物。 三つ折の抱き人形でしょうか。詳細は不明ですが、一見そのような感じに見えます。

 

 二代目光龍斎作・昭和・43cm

    

 

江戸ちりめんの着物だそうです。きりっとした顔立ちで品があります。小型ですけれど完成度が高いです。

 

 二代目光龍斎作・昭和・38cm 

      

 

小品ながら静かな顔立ちで、上品です。 女の子の着物は紋錦紗、男の子はちりめんの着物羽織。帯は博多。活きですね。

4品とも手入れが良いので、皆綺麗な顔立ちです。人形も幸せでしょうね。

能面の面打ち師や仏師は一人で全てを行いますが、市松人形はその点大変だと思います。頭はともかく、着物は全く別の技術ですから、彫刻の技術は及ばないと思います。全てを一人でこなす方は居られるのでしょうか? 

着物は色使いが意外と難しいかな。木目込み人形でしたら騙しは利くけれど、着物の仕立ては彫刻家にとっては難物でしょうね。普通は頭と着物は別々の方が手がけるでしょうから。

 

 

 いつも市松人形を見て思うのですけれども、頭、着物、懐中物、帯、その他・・どれを取っても、日本の高度な文化を感じます。世界最高の人形ですね。これに及ぶ人形は他国には有りませんでしょう。

次回をまた、お楽しみに!

 それでは<答礼人形>に移りましょう。関西付近まで来ましたね。

 

           

A- 

Miss Mie ・ 瀧澤 光龍斎作 ・81cm

 

 

 ネブラスカ州リンカーン  ネブラスカ大学博物館所蔵

ミズリー州ジョセフ博物館にあったMiss Hyougo Miss Mie  ということで誤って所蔵されておりました。現在は正しい形で二州の博物館に所蔵されております。

 下の写真はネブラスカ大学博物館に記録されているMiss Hyougo。 モノクロ写真ですが、下のMiss Hyugo の着物の柄と同じですよ

 

  里帰りの修復後

                 

                  日本での展示会

        

             調度品

 B-

Miss Hyogo瀧澤光龍斎作

 先程のネブラスカ博物館で誤って当初 Miss Mie と登録されておりました。

ミズリー州・ジョセフ博物館にパスポート、乗船切符、ぽっくり、日傘など、他お道具など完全な形で保管されておりました。1997年3月に里帰りしました。

8体の<青い眼の人形>も一緒に合同展示されました。

             一揃い

              青い眼の人形

          

 

 今でも世界中の何処かで、近所でも、他人を物を無闇にほしがる侵略や、戦争や争いが起こっていますが、文化でお互いを知り助け合う尊さが、この人形交換の歴史的事実でした。不幸にも欲深い双方の人達の考えが勝って、日米が不幸な戦争に突入しました。 今でもこの人形が双方の国内に残っていて良かったですね。 やはり文化は文明に勝るんですね。

国内でも人形店は沢山有りますが、多売薄利の軽薄な人形が数多く見られます。奥深い日本文化を髣髴とさせる人形が巷に見られる日本を取り戻したいですね。そんな意味でも<市松人形>を愛してあげてください。

 

 

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