日本の伝統芸術と芸能
能面と能楽・佛像と佛像彫刻
<その017>
人形特集-012
・・大正・昭和期の市松人形
市松人形のご紹介も12回目となりました。先回は<弘法さんと私・M清子>の所蔵されている市松人形の代表的な製作者である、瀧澤 光龍斎作の市松人形をご紹介しました。素晴らしい逸品ばかりで、何時までも見ていて飽きないほどです。平田 郷陽も素晴らしい作者ですが、瀧澤 光龍斎も負けず劣らずの名品を製作しておられます。
<弘法さんと私・M清子>さんは素晴らしいコレクターですね。何時もながら羨ましい限りです。これからも名品をコレクトして、周りの皆さんの眼を楽しませて戴きたいと思います。大事な写真を掲載させていただき、ブログの最初にあたって厚く御礼申し上げます。
以前にもご紹介した三つ折れ人形も含めて、名品を再度ご紹介しましょう。
A
「永徳斎」・三つ折れ人形・・・弘法さんと私・M清子
京都の人形師であった、雛屋次郎左衛門が江戸時代の宝暦年間に店を出し、その後店を継いだのが「永徳斎」でした。
弘法さんと私・M清子さんが書かれておりますように、どことなくお雛様の顔立ちがしていますね。
永徳斎-001
永徳斎-002
永徳斎-003
B 二代 山本福松
活き人形師として大正から昭和初期にかけ盛んに製作をつづけました二代目山本福松。 下の人形は福松の実子の山本昭治氏がモデルだそうです。チョト見には本物の人間を見ているような感じ。能面の女面を打たしてみたいような素晴らしい腕の立つ方です。抜群の彩色です。
山本福松-001
山本福松-002
山本福松-003
C
下の二体の市松人形の女の子は2001年12月にあるブログに掲載されておりました写真です。それにはこのように市松人形の由来が書かれてありました。
1933年作・市松人形
「ある日、自宅の前のごみ捨てに、ボロボロになった人形が棄ててあった。 近くの女性がそれに気が付いた。その後この人形はその女性の手厚い施しを受けて、この写真のような状態に蘇った。顔の汚れを取り、着物を端切れで仕立て直し、帯から何か何まで手作りしました。ある時、横浜の人形博物館で人形を見てから暫くしてから、下の写真の男の子の市松人形を手に入れました。この人形はかの有名な瀧澤光龍斎作でした。その後、この女の子の市松人形の身体から大事な資料が発見され、1933年の製市松人形である事が分かりました。答礼人形は1927年ですからそのすぐ後ということになります」・・・・・簡単に抄訳するとこのようになります。
この女の子の市松人形を見ると、何かジーンと胸を打つような気持ちになります。光龍斎の人形が偶然手に入った事は、この人形の導きを感じますね。とてもきれいな顔立ちで品性を感じますから、なかなかの作り手の作品だと思います。
筆者も偶然昨年ブログで偶然発見したのですが、この子の顔は忘れることが出来ませんでした。何か引き付けられるものを感じます。心優しい女性に見つけてもらって良かったですね。瀧澤光龍斎作の男の子の市松人形もなかなかの出来です。綺麗な顔立ちをしております。
瀧澤光龍斎作
人形はヒトガタということから、取り扱いには十分注意をしなければなりません。この女性にはきっと良い結果になって帰って来るでしょうね。現在は仲良く座っているでしょう。
では、恒例の答礼人形に参りましょう。
「 答礼人形-007 」
Miss Iwate
the Birmingham Public Library のHPが開けないので、詳しい経緯が今のところ分かりません。ただ、偶然ですが以前マサチューセッツ州スプリングフィールドの科学博物館に所蔵されていた、Miss Oita が Miss Iwate と間違われていた事がわかりました。 先回のMiss Akita とMiss Ishikawaの取り間違いと同じですね。
Miss Iwate
中陰光琳桐 八重桜
所蔵都市 | アラバマ州バーミングハム |
---|---|
所蔵 館 | バーミングハム公立図書館 |
修復前の状態のMiss Iwateです。 少し汚れや傷みがあります。調度品も全て残っているようです。
一度綺麗に修復されたMiss Iwateを見てみたいですね。
Miss Oita
以前Miss Iwate と間違われておりました。1995年横浜人形館の兼高かおる館長がスプリング フィールド科学博物館に来た。その後里帰りをした模様です。70年ぶりでした。
八重山桜 五三の桐
所蔵都市 | マサチューセッツ州スプリングフィールド |
---|---|
所蔵館 | 科学博物館 |
回紹介しましたMiss Akita の頭に似てますね。同じ作者だと思います。
Miss Akita
このように少しづつ尋ねていきますと、いろいろなことが分かりますね。縺れた紐が少しづつ解けて行く様に。これからいろいろな事が分かって来ますよ。
では、次回をお楽しみ! (^-^)
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