12月に入りました。1年の最後の月ですね。
今日はそんな締めくくりの月のせいか、
いままでの子供の成長を振り返ってみたくなりました。
自分のブログに子育てカテゴリーがあると思ってましたが、なかったので「日々感じたこと」を選びました。
今まで いろいろ子育てのことは書いてきたので これは意外です。
たくさんの 悩みや迷いを書き綴ってきました。
書き散らしたまま 現在の様子を書いてないなと気づいたのも 今回振り返ろうと思い立った理由です。
日本✖︎スペインカップルが、フランスで子育てをする。
思った以上に 問題が山積みな14年間でした。
まずは現在の状況
息子は14歳 9月から中学校の最終学年です。
こだわりのある性格と、アイデンティティ100%日本人で、フランスの環境を全く無視していた小学校時代。無論フランス語、拙い。
今は一念発起してすごい頑張りを見せていますが、もともとのフランス語の下地がうすっぺらなので、中学の勉強について行くのはとても大変です。毎回のテストでは詰め込みで良い点が取れても、まとめの総合テストではかなり厳しいはずです。そしてそのテストが今年度末(6月)に行われるので非常にナーバスになっています。
そして今年の5月、息子を車で送っていた時。忘れもしない校門の前で友達と混じってしゃべっているのを見ました。
私の中で一番の記念日です。
こんな光景を見たのは、14年間育ててきて初めてでした。✨
娘は 場面緘黙で 10歳。こちらも小学校5年目の最終学年です。場面緘黙の子は集団生活の場で話せないので、フランス語もちろん使わない、なかなか身につかない。それでも 集団生活でおやつも給食も、水も飲めなかった幼稚園児が、今では学校で給食が食べられるようになりました。
女の子なので つるむ友達はいて、少々のコミュニケーションはしてるようです。息子に比べ小学校の勉強を卒なくこなしていますが、いかんせん言葉が足りないので中学に行ったら大変になるでしょう。ただ、要領の良さと諦めの良さ、パニクらない冷静さがあるので、息子より精神的に安定していてその点は心配していません。
では まず息子から行きますか。
思春期というのは、がらっとその人を変えてしまうすごいパワーがあるみたいです。
もともと反抗期気味だった息子は、そこは相変わらずでしたが
全く周りの目を気にせず、忠告も耳に入れないこどもだったのが
いきなり すごい人の目、社会の目を気にするようになりました。
これはとても面倒です。
(まったく人の話を聞かず勉強しないのも大変ではあったが。)
中学校1年目。学校の課題の指示が複雑ではっきり何をするか分からずパニくる日々。
もちろん学校の時間割や宿題が見られるサイトがあるんですが、大まかなことはわかっても肝心なことはわからないことが多く
家で荒れる。もちろん親はわからない。時間があれば、教師にメールを送ったり保護者仲間からなんとか聞けることもある。
彼は友達がいなかったので、そっちにも頼れない。
そして、これでいいんじゃないのかという推測でやればというんだけど
それが嫌なんですよね。
周りと違うのが嫌、浮くのが嫌、へんてこなことしていったら恥ずかしい
というわけで、勉強に取りかかるまでが 大変な中学の1年目でした。
そして 自分を客観的に見るようになったので
(他人の目に映る自分を想像するようになった。)
まったく 自分軸からぶれ もともとなかった自信をなくし
うまくできない自分が許せなくて はさみで自分を傷付けるようになったんです。
これは 授業中に発見されて、はさみを取り上げられ、先生たちと話し合いの場を持ち
これでは いけないと 授業中横についてサポートしてくれるアシスタントを頼むことにしました。
先生たちによると、息子はすごいストレスを感じていたようでした。
フランス語で自分を表現できないことと 言われたことがよく分からなくてできない。
そんな自分が許せなかったようです。
その頃 小学校の時から時々会っていた心理科の先生のすすめで 3、4人のグループで物作りをする
アクティビティを始めました。
心理科の先生には、学校で心を閉ざしていて 友達を作らない。フランス文化に興味を示さない、完璧主義で思い通りにできないと
ストレスがある、自分に自信がないなどという点について相談していました。
このアクティビティも2、3年続けていますが 最初はそこまで積極的に参加していませんでした。
ですが今年の2月、ある少年がグループに加わり
その子と気が合い(フランス人相手には初めてのこと)それ以来 がぜん彼の周りの人間関係が進展していきました。
息子の恩人の一人です。
中学校2年目にすぐアシスタントがつくかと思いきや、学年が変わるとまた話を最初から始める必要があったようで(がっくり)
手続き開始。1年後に申請が通ってアシスタントのセシールが付くようになります。
だから中学2年目は一人で奮闘し、撃沈し、調子も悪くなりやすく、学校を楽しんでいませんでした。
その頃はまだ 給食は一人で食べていました。
フランス語で話しかけられるのが怖くて 未知のフランス文化が怖くて
(フランス生まれで育ちなのにもかかわらず)
自分から距離をとっていたのだと思います。
この年はコロナが始まって3月から6月までまるまる学校が閉まりました。
息子曰く、これが天の助けだったと言います。
もう 自分は疲れ果てていて、学校でもお腹が痛いばかりだし、家で勉強が溜まったとしても自分のペースで過ごせたのが自分を癒してくれたのだそうです。
そして3年目。
アシスタントがつき、セシールとの関係は 初めはぎこちなかったようですが、信頼関係ができてきて助けを頼むようになり、彼のストレスが大幅に軽減されたようでした。
2学期から 平均点を上回るようになりました。時を同じくして、人間関係が発展し出して、5月のある日 息子が友達と群れているのを目撃するという忘れられない日を迎えました。
3学期も過ぎ 明日から夏休みだという最終日
学校から帰ってきた息子は少し残念そうに、1年の思い出を噛み締めている様子でした。やっと学校に楽しみを見つけた頃だったからね。
こうしてみると わずか半年前からです。本当に調子が良くなってきたのは。
4年目の今年。9月はとてもいい新学期のスタートを切れた(これも初めて)のですが
学年末にある中学生活まとめのテスト、ブルベというワードが盛んに行き交うようになり
それに対する心配とストレスで、人生の終わりみたいに落ち込んでいる期間もあります。
(ちょうど週末。口頭試験のテーマを決めるのが差し迫っていて。)
それでも また浮き上がって歩き始めています。
家に 世界が終わったオーラを纏っている人がいると やっぱり つらいです。
でも それを排除しちゃいけないんだと気づきました。
私だって そんな思春期があった。家族に八つ当たりして、理不尽な思いをいっぱい
両親にさせてきました。
そして先月、学校側と高校に行ってもアシスタントを頼むかどうか
について話し合いました。
高校に行くと アシスタントをつけている生徒はぐっと減るそうです。
(中学ではクラスに一人ぐらいはいる感じ。アルファベットを使う国ではディスレクシアの子が多いとか。)
それで 先生たちとイーニゴは、勉強面では頑張ってて上向きだし 高校では要らないかもねーという流れになっていた時
クラスから息子が呼ばれてきて
「来年のことなんだけど 高校行ってもアシスタントつけたい?」
と聞かれ
「はい つけたいです!」
と大きく頷いた息子。
という訳で来年度の申請を始めています。
今回も申請が通ることを祈って。
2019年の4月の写真
2020年の7月の写真
今年の写真は どこにいった。笑