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二宮正治小説:心の旅路の果て:第53回

2014-12-16 04:05:13 | 日記

「啓二さん、東京タワーの夜景はどう」

 かおるは啓二に優しく聞いた。

「すばらしい」

 啓二は涙目でかおるにこう言った。

「昔好きだった女性と一緒に見たような気がする」

 啓二はこう言ってため息をついた。

そんな時二人の前に現れたのはひろ子だった。

かおるはびっくりして、

「なんでひろ子さんがここに」

 この言葉にひろ子は、

「たぶんここじゃないかと思って」

 二人を見据えて言葉を返した。

そして無邪気に、

「私も仲間に入れてよ」

 こう言うのだった。


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