「東京駅の存在自体が物語なんだ」
啓二が東京の夜に浮かび上がる東京駅の夜景を見てひろ子とかおるにこう言った。
「東京の歴史を語っているのよねえ」
ひろ子のこの言葉にかおるが、
「明治、大正、昭和のね」
こう言葉を付け加えた。
「みんな東京駅を愛しているんだ」
啓二のこの言葉にひろ子とかおるが黙って頷いた。
しばらくの無言の後啓二が、
「二人とも記憶がなくなったぼくの事を真剣に心配してくれてありがとう。今日は三人で忘年会をしようよ」
ポツリと呟いた。
「どこで」
ひろ子とかおるが口を開く。
「お台場の大江戸温泉物語にしよう」
啓二はうれしそうにこう言うのだった。
*この物語は中井貴一、薬師丸ひろ子、杉田かおるをイメージして描いています。
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