Sun is shining, the weater is sweet
 



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スペイン巡礼『CAMINO DE SANTIAGO』無事完了しました!
SANTIAGOの地元サイトの取材を受け、掲載されてます。
興味あったら見てみてね!







CLICK HERE!!!!!






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Unight vol.8
 大成功にて終了!



 来てくれた沢山の友達、ありがとう!!!!
 今回の様子は今月20日以降にアップします。
 今年は今回で終了ですが、来年からまたガツガツ行こうと思っています!
 よろしくどうぞ!!


 Keita

ONELOVE!!!!!!!!













セイスイのブログへはこちらをクリック


















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  UNIGHT vol.8 告知

 訳あって次回をもちまして本年度のユナイトを終了することになりました。
 もちろん来年からも心機一転再スタートをはかる所存ではありますが、今のところまだ未定です。


  
 


 

 今年いっぱいユナイトをやってきて、そこで出会った沢山の友達、兄弟姉妹に元気をもらったり、いろいろと手助けしてもらえたこと、感謝しています。
 その感謝をこめて、今回は約一年ぶりにオレのソウルメイトSEISUI(onelove crue)との共演で今年最後のジョブをしめたいと思っています。
 SEISUIは今回サファリの店舗フラッグをライブ形式で描きます。
 楽しみにしてて下さい!!

 ONELOVE!!
 Keita.



ya-mahn! 
Long time not hearing from u what's up with u ma man?
We will make the next party Unight as vol.8 and hope u guys come overe there and enjoy together!!
Let's do da jamin' there lively with all of us!!!!

Onelove!!
Keita.



<>

date: 11/1 (sun)
time: 18:00 open~ 22:00
place: akasaka SAFARI
fee: 1500(+1drink)

live: Keita & co
guest performance: SEISUI (onelove crue)
for info: http://blog.goo.ne.jp/ninjaman_rasta/





 
   




    




 みんなと一緒に楽しめること、心から待ってます!

   







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   U☆night vol.7 終了
   来てくれた人、参加してくれたみんな
   お疲れさまでした!




 

 病欠モトヒロの代わりに今回はBr Jonas がジェンベ叩いてくれた。
 Good job!!!でした。



 








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U☆NIGHT vol.7 開催しまっす!

 みなさん、暑かったりムシムシじとじとする今日この頃、元気でやっておられますか?
 前回から一ヶ月と一週間ぶりに U☆NIGHT 決行です!
 ここらで一発、イッショに暑さをぶっとばしましょう!!
 ONELOVE!!!!!




     Bob Marley Tributed by Keita & co in Unight vol.6
     





    

    「ロシアで足止めを喰らっているコトミよ、
    東京は今雨が降っている。
    勝っても負けても、
    常に鳴り続けている音楽は
    変わらず澄んでいるだろうと思う。
    今しも濡れていく灰色に
    噎せるようなグリーンの入り混じる朝、
    オレはオレなりに、
    ふと君らのことを想うよ」
    



 akasakaSAFARI presents
   U☆NIGHT vol.7
DATE: Aug 30 (Sun)
TIME: 18:00 open~ 22:30 close
PLACE: akasaka SAFARI
LIVE: Keita & co
ENTRANCE: 1000 (+1drink)
ORGANIZED BY: Keita, Jonas
ACCESS: CLICK HERE!!!!






 ヨメの実家から西へ150メートルほどの地点。
 甥っこの「じゃぁ、ここからあそこまでは何メートル?」という質問の五十一回目に応答している図。
 律儀に答えるオレの隣でふわふわしながら、一々オレの目線からズレていく甥っこの広大な視野の中では、一体何が息づき、一体何がなかんずく彼のこころを惹きつけているのだろう。
 純真とはとくに、あまりにも漠然とした世界にむけられた一条の苛立たしさなのだろうか。
 そういえばオレは、その苛立たしさに背中を押し出されるようにして、歌を歌っているような気がする。
 心の芯を熾烈に通過して、オレ自身がこうむった「あの頃」へのエクソダス。




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   U☆NIGHT vol.6 終了

 今回はアフリカン・レゲエのミュージシャン”Billy”をゲストにお迎えして、とても充実したライブを催すことが出来ました。
 遊びに来てくれた多くの友人たちに感謝してます。
 ありがとう。




Bob Marley Tributed by Keita & co in Unight vol.6






  



 


        



  


  



  



  





 photo by Kudoh-kun, Marco...





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     Unight Bros(L→R)WANDASAN, KEITA, JHONAS      




     
     新しい仲間をお迎えして。




U☆NIGHT vol.6 開催しまっす!

DATE: 28th (Sun) June
TIME: 17:00 open~ 22:00 close
PLACE: akasaka SAFARI
LIVE: Keita & co (Bob Marley's song cover in acoustic)
ENTRANCE: 500
ORGANIZED BY: Keita, Jhonas & Jah-papa
ACCESS: CLICK HERE!!!!




   
   





SAFARI [ その他 ] - Yahoo!グルメ
<script type="text/javascript" src="http://api.gourmet.yahoo.co.jp/GourmetWebService/V1/BlogParts/?lid=0007742075&dgr=1&dad=1&dtl=1&dtm=1&dst=1&dcp=1&dkc=1&dmp=1&wd=300&ht=300&sc=3&sz=350&bc=ffffff&fc=000000&lc=0000cc&kd=1" charset="EUC-jp"></script><noscript>
店舗情報をご覧になるには、JavaScriptの設定を有効にする必要があります(0007742075)。
</noscript>





           
           これからもU☆night、どうぞよろしく!
           ONELOVE!!!




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BOB MARLEY SMALL AXE COVER
     by Keita & co
    in U☆night session






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        ↑マジうけな”500円”のセイスイ。
        着膨れしているのか、カラダがなんだかおかしなことになってるね。



SEISUI の個展に
遊びに行ってきた!







    

 SEISUIのパンク時代の絵やマンガはすごいオリジナルだと思う。
 一目見るだけでモッシュしたくなります。



  

 困ったチャンなDJフランク氏。
 彼とも今後なんかで絡めたらいいな。
 ONELOVE!!!!!!!


      




   

 個人的には”ゲリラ時”に使用した自作の覆面も展示して欲しかったなー。
 「あの頃」のSEISUI の作品にはかなり思い入れあるんだよね。
 本当オリジナルの極みだったね、作る作品も起こすアクションも全部!

 



  どうでもいいけど、ヨメの愛犬刺青はかなり素敵だな。





 PJさんのライブで〆。
 どうやったらああした好青年オーラをかもせるのか、、、
 とりあえずドぴーすでした!
  







おつかれさんしたBRO!!







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 SEISUI☆ 緊急参戦!!
   前回病欠したSEISUI、
 U*night vol.3 にて
  ライブ・ペインティングしました!!!
 
 



    



U☆NIGHT vol.3 終了


           






U☆NIGHT vol.1 Medley!!
You-Tubeにて公開中!!


   BOB MARLEY COVER BY SATOR*I IN U NIGHT



directed by STUDIOMAYS.











    TIME WILL TELL




    GET UP STAND UP


   


    IS THIS LOVE
















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  STANDARD
 SHORT NOVELS TOP






  向日葵の家  

 【──世界が一瞬にして具現化し、一瞬にして形を失ってからもなお、ぼくは絶え間なくその色に染まっていった。季節の変わり目を、突然吹きつけてきた風の尾ビレにふと嗅ぎ取るように、ぼくはかくして自分の色に目覚めた。
 ぼくはあたかも一軒の黄色い家だった──】





  日  蝕   
             **
            * * *


【──彼の背中は眩しく、それでいてどこか陰鬱だった。まるで皆既日蝕を見てるみたいな異様な姿だった──】





  蜘蛛の糸   
            **
            * * *
           * * * *
         *  *  *  *  *

【──「あんたの蜘蛛さ、」と葉月はさらに言い重ねる。「今のあんたみたいだよ……」──】






  コンチネンタル・コーヒー・ショップ   
                                   **
                                  * * *

【──もう随分冷めてしまったコーヒーカップを持ち上げた時、私はほんの小さな幸福に巡りあった。"あの時"見たのと同じくらい大きな一匹の蟻が、不意にソーサーの陰から歩き出てきたのだ──】










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 コンチネンタル・
コーヒー・ショップ

 短編小説 第四話




#最終話




 期待に反して、店のマスターは刈谷さんとは似ても似つかぬ初老の男だった。「アニキ──」ではなく、「いらっしゃいませ」と彼は低く鬱いだような声で言った。彼はカウンター内の小さなパントリーに椅子を置いて座っていて、場違いな者を見るような目で私をぎょろりと一瞥してから、またすぐに両手に開かれた朝刊に視線を戻した。
 店内はまず薄暗く、天井からぶら下がったアンティークのランプシェードやカウンターの戸棚、ベニヤの間仕切り、果ては観葉植物までもが一貫してセピア色に古惚けていた。店の外観から予想された通り、カウンターを合わせて十五席ほどの小さな店であり、お客は私以外には誰もいなかった。がらんとした店内に私と初老の店主二人だけが取り残されている──そんな感じだった。
 ──仕方ない、コーヒーを飲みながら小一時間ほど本を読もう。私は思い、ブラインドで閉め切られた唯一の窓際の席に進み、どかりと腰を下ろし、ガラス板のテーブルの上に本と置き、その上にタバコのソフトパックを置き、一度伸びをしてから、まずタバコを一本取り出して火を点けた。
 店主はやっとここでさも重そうに腰を上げ、お冷やを一つ手に持って私のテーブルへのそのそやって来て、「何にしましょう」と問うでもないふうに訊きながら、お冷やのグラスを本とタバコの側にことりと置いた。
 「ここは、コーヒー、サイフォンで淹れてますか?」と私は尋ねた。
 「──サイフォンで淹れないコーヒー出す店、あたしは信じないです」
 「え?」
 私は驚いて、店主の顔を見上げる。よく見れば、一昔前はそこそこモテたかもしれない静かな明るさが、年のせいで少しくすんではいるものの、とくに目元や鼻筋に残っているのが見受けられる。
 「ブレンドで、いいですかね」
 店主は私の返答をろくに待ちもせず、パントリーへ引っ込んだ。頑固であるだけでなく、随分とせっかちな性格であるらしい。彼がもう少し柔軟で、人に対して興味を持てていたなら、あるいはこんな小さな喫茶店の店主にとどまらなかったろうに──私は分かったふうなことを無責任に考えつつ、ブラインドの隙間に目をやった。
 しっとりと湿って冴えざえと黒ずむアスファルトの地面に、花吹雪のような雪が舞っていた。私は目を瞠り、そういえば自分は今雪の多い寒い土地にいるのだということを、軽い動悸の変調と共に感興した。
 「やっぱり、この辺は雪が早いんですね」と私は言った。
 「降ってますか──」
 相変わらず尻下がりな店主の口調。でも、その手元に弾んでいるサイフォンやカップを用意する音はとても軽快だ。「──例年より一週間ほど早いですかね。でも年明けるまでは積もらんでしょう。山側と比べるとこの辺は比較的雪が遅いんです。年内ももちろん降るには降るが、積もる雪ではない」
 「でも東京なんかと比べたら随分と冬が長そうじゃないですか」
 「まぁそうでしょうかね。あたしなんかはずっとこっちにいるから、他がどんなかまったく分からないですけどね」
 ややおいて、店主がコーヒーを運んできてくれる。手作りの少し歪んだ感じのコーヒーカップが私の正面に置かれる。
 「一つ訊いてもいいですか?」
 私は不意と思い出して、切り出す。
 「なんでしょう」
 「なぜ"大陸喫茶"なんですか?」
 店主はふっと力を抜くような感じで私を見る。
 「あたしは、知りません。あたしがここを買い取る前からこの名前だったですからね」
 「改名しなかったんですね」
 「単にめんどくさかったんですよ」と彼は笑い出し、カウンターに戻っていく。「──それに、"大陸"って言葉、店の名前にしておくには随分語弊があるかもしれないけどね、でもいいじゃないですか。なんというか、気持ちが大きくいられるっていうんですかね」
 私はよほどこの店主に刈谷さんの話を聞いてもらおうと思ったが、結局話しそびれてしまった。あるいは店主が私に「──でも、なぜです?」なんて話を振ってくれたら、私は喜んで"大陸"と"刈谷さん"との奇妙な一致について彼に意見を求めただろう。もっと言えば、私自身そうなることを心の何処かで待っていたのかもしれなかった。しかし店主は自分の話したい事を喋り終えると、何事もなかったかのように朝刊に戻ってしまった。
 いよいよ置いてきぼりをくってしまった私は、仕方なく文庫本を開き、コーヒーを片手に読み始めた。コーヒーは、美味くもなければまずくもなかった。何処ででも飲めるサイフォンコーヒーの味だった。同様に、読み始めたロシア小説もたいして私の興味を引きもせず、かといって読書をすっかりあきらめさせるほどには退屈でもなかった。
 私はやや難解な字面を徒然に目で追いながら、いつの間にか刈谷さんの夢について考えていた。彼の言う夢が何だったのかは結局教えてもらえず終いだったのだけれども、教えてもらえなかったからこそ私は今、"その夢の裏側"で刈谷さんのことを想っていられるのかもしれない──そう思った。私は勝手にずっと考えていた──彼はきっと今頃"この世"の何処かでその夢を叶えているだろうことを。この店と同じような小さな店で、豆を挽き、世にも美味しいコーヒーをサイフォンで淹れているのだろうことを。それこそが彼にとって"北極とか南極とか"に匹敵するくらい大きな夢だったのだろうことを──。
 嬉しいことに、読書に飽きて本を置き、もう随分冷めてしまったコーヒーカップを持ち上げた時、私はほんの小さな幸福に巡りあった。"あの時"見たのと同じくらい大きな一匹の蟻が、不意にソーサーの陰から歩き出てきたのだ。
 ──冬に、蟻か……。
 私が吐き出すか細い溜息の後を蟻は音もなく尾けていき、ややおかずテーブルの端っこの暗がりに消えた。
 私は、蟻を探してテーブルの下を覗くことまではしなかった。ブラインドの隙間から見える雪をただぼんやり眺めていた。
 黒光りするアスファルト道路の端々に白々と、雪は間違いなく積もり始めていた。











 終り。

















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 コンチネンタル・
コーヒー・ショップ

 短編小説 第四話




#2


 それからも代わり映えしない日々が淡々と経過していき、刈谷さんが失踪してしまうのを待たずして季節は早々と冬になった。
 例年よりずいぶん早い初雪が舞う12月中旬のある日、私はいつものように刈谷さんと肩を並べて、寒々しい曇天下、タバコを喫っていた。それぞれの足元には缶コーヒーが一缶ずつ置いてあったが、いずれもホットに切り替えられていた。たまに刈谷さんの足元にだけアイスが置かれたが、そのことについて私は一言も干渉しなかった。何かを言ってみたり尋ねてみたりしたところで、何が分かるようになる訳でもないことを、この頃にはさすがの私も了解していたからだった。
 とにかく、私と刈谷さんの眼前には広大な開発予定地が茫漠と広がっていて、果ては数キロは先だろうと思われる緑地の棚引くような影だった。私は右端から左端へ、刈谷さんは左端から右端へ、群青に染まり始めた緑地の稜線にぼんやり視線を這わせていた。まるで二匹の蟻がそこを行き交っているような錯覚を覚えた。お互い端に行き着いてしまうと、今度はそれぞれ往路を辿り始めた。蟻の移動する速度は多分ほぼ同じだった。蟻同士、会話らしい会話はなかった。タバコの煙と、その煙を追いかける白い吐息だけが、我々が取り交わす唯一の意思表示だった。時折雪を伴った突風が遠い緑地の影に細かい斑模様を穿ち、あるいは影そのものを出し抜けに翻したりしていた。
 私はいち早くタバコを地面にもみ消し、携帯灰皿に入れ、収めついでにポケットに手を突っ込んだ。空気が手指をあっという間に凍えさせたのだ。
 「──刈谷さん、この世から消えてしまいたいって考えたこと、あります?」
 私はふと思いつき、まるで昨日の夕飯が何だったか尋ねるような調子で訊いた。
 刈谷さんは何故か口元に稀薄な微笑みを浮かべていた。しかしなかなか言葉を発しようとはしなかった。
 「オレは最近結構そういう感じなんですよ。落ち目なのかな。刈谷さんみたいに大きな夢とかないですし」
 刈谷さんは微笑んだまま、視線を緑地の影からやや上空へ持ち上げた。そこには、まるで和紙で透かしたような太陽が朧気に光っていた。
 「アニキ。あっしだって似たような気持ちになることはありますよ。だけれども、この世から消えてしまいたいというよりかは、この世の方があっしを置いてきぼりにしちまうんだろうって、そういう気苦労です。この世に見捨てられていくことがあっしには……なんていうか、毎日を生きてるということなんですわ。だからアニキの気持ちも痛いほどよく分かります、です」
 ──なるほど、と私は思った。初めて刈谷さんの言葉に共感し、感心した瞬間だった。だからなのだろうか、結局失踪したのは刈谷さんではなく、私の方だった。しかも決行したのは、刈谷さんからそう言われた明くる日の夜明け前だった。
 当時住んでいたアパートも、もちろん仕事も、なにもかも私は放棄して、身一つで失踪した。刈谷さんの「この世が自分を置いてきぼりにする」という一節が、私を無闇な前方へと駆り立てた。断続的に背筋を駆け上ってくる震えはおそらく、今しも置いてきぼりをくうかもしれないという切迫した危機感であって、その危機感がなおさら、私の過去をさも忌まわしいものであるかのように感じさせるのだった。
 だから私は逃げに逃げ、あるいは追いに追った。すぐに自分が何から逃げているのか、あるいは何を追っているのか、分からなくなった。分からなくなってからは、逃げることも追うことも段々と緩やかになっていき、やがてふっと停止した。
 完全に停止した時、私は鹿児島県のとある病院の病室のベッドで目を覚ました。失踪してから、実に三年の月日が経過していた。その三年間自分が何処でどんなふうに生きていたのか、のみならずどうして鹿児島県の病院に寝ていなければならないのか、まったくもって心当たりがなかった。病院の先生は、私が桜島の海岸に打ち上げられていたのを地元の漁師さんが助けてくれたのだと話してくれた。私が知り得たのはそれだけだったが、その話をすら自分の事だとはどうしても信じられなかった。先生はもちろん口に出さなかったけれども、私はきっと自殺未遂の末、運よく一命を取り留めたらしかった。自分にとって縁もゆかりもない鹿児島が、刈谷さんが言っていた「世界の尻尾」という訳だった。つまり私は、"この世から置いてきぼりをくうこと"をやっとどうにか免れたのだ。
 それから一週間後に退院して、両親の勧めで地元である広島のセラピー・センターに半年ほど通って相応のリハビリテーションを受け、その後東京在住である母方の叔父の伝手で、街の掃除夫をやり始めた。私が正常に社会生活に復帰したのは、それから更に一年経って後のことだった。
 その時に一度だけ刈谷さんの消息を調べたが、何処か別の場所でまったく別の生活を始めているのか、連絡を取ることは出来なかった。連絡が取れないと、私は間もなく刈谷さんのことを忘れ、自分の生活に没頭した。杉並区内の自宅と、自宅から徒歩五分ほどの所にある小さな出版社との往復が、大ざっぱに言えばそれからの私の生活となった。そうしてそのうち私にも恋人が出来、出会って一年後の秋、結婚した。当初そんなに早く結婚するつもりはなかったのだが、彼女のお腹に子供がいることが分かると、あっという間に話が具体的になり、気がつけば小さな娘一人と奥さんと私の三人で、同じ町にあるもう少し広いアパートで新生活を始めていた。仕事もプライヴェートも順調そのものであり、あれよあれよという間もなく月日は流れ、いよいよ私に"そのドア"を開けさせたのだった。










 #最終話に続く。












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 コンチネンタル・
コーヒー・ショップ

 短編小説 第四話




#1



 私はそのドアを前にした時、もう随分長い間思い出さなかったある人のことを、唐突に思い出すことになった。先月の最後の土曜日から今月最初の土曜日にかけての一週間、十一月の白々と雪の銀色を帯びはじめた北アルプスの北の果て、標高1000メートルを超える高山が突如として日本海へと埋没する、その間際に位置するとある港町を、独りで旅行した時のことである。
 ついでに言うと、旅先に選んだこの町は、五年前に貧乏旅行で偶々立ち寄った町であったが、海抜が0メートルから町を挟んですぐに1000メートル以上にせり上がるという特殊な地形の影響でか、とにかく天気がとても移ろいやすく散漫であり、空を見上げながら海岸線など歩いていると、まるで自分の手で地球儀を早回しに回転させているような気分になってくる。私はその時一泊だけしたのだけれども、町や海岸を散策している時に感じた一種の陶酔や恍惚感を忘れることが出来ず、以来一年に一度は足を運び、短くても三泊、長ければ十日ほど滞在しては、町の異様な雰囲気を堪能した。今回の旅もまた、とりたてて挙げるような目的もなく、恒例の慰安旅行を少しも過たなかった。
 まぁ、そんなことはともかく──。
 そのドアは、旧い純喫茶風の格子ガラスのドアであり、私が泊まっていたビジネスホテルから徒歩で二十歩ほどの所にある喫茶店のドアだった。
 私はただ単に、ふと突然美味いサイフォンコーヒーを飲みたい風に吹かれただけであり、片手にロシア文豪の文庫本を一冊持って、ホテルの玄関を出て、果たしてお誂え向きの喫茶店があるだろうかと歩き出した矢先に目に飛び込んで来たのが、その店だった。だから自分がそのドアを前にして、なおかつ"その人"のことを思い出すことになったのは、ふと気紛れにサイフォンコーヒーが飲みたくなったのと、私自身が大のめんどくさがりであったのと、外気がことのほか冷たかったのと、その店が"そこ"にあったこととが偶々一つに結びついた結果に過ぎなかった。つまりいくつかの偶然の集積が私の目の前にその店を具現化させ、なおかつ私をそのドアの前へ立たせるよう仕向けたのである。もし仮に上記の偶然が一つでも欠けてしまっていたなら、あるいはその店の斜向かいにある、如何にも小ぎれいで万人ウケしそうな喫茶店の方に向かっていたかもしれず、そうなればきっと、私はその人のことを記憶の果てしない濁流に知らず知らず見逃していたかもしれなかった。でも結果的に、いくつかの偶然が合わさることで私は"ある条件"を充たし、この店に不時着し、のみならずその人のことを思い出すことになったのである。
 私が"ある人"を思い出すことになったキッカケは、古ぼけた店の外観にはどうみても不づり合いな真新しい看板の店名を、一目見てからだった。おそらくは店主の手書きであるらしい黒のペンキ字で「大陸喫茶」と、その看板には書かれてあった。私は"大陸"と"喫茶"との言葉の狭間に、一瞬にして"彼"を思い起こした。それが何故なのかは分からない。しかしとにかく私は彼を思い出し、同時に彼と交流のなきにしもあらずだった十年ばかり前のことを回想することになったのである。
 彼の名前は「刈谷さん」といった。"大陸"と"喫茶"とが、私の記憶の中にあった"ある方程式"にうまい具合に当てはまり、その名前を私の頭の中に弾き出した。弾き出された彼の名前は、町の冷涼とした気候と相まって、不思議なくらい私の心情にフィットした。それは旅情というよりはもっとずっと個人的な回顧の感覚だった。たとえるなら、旅先でふと立ち寄った小さな美術館の展示を観て回っている最中、偶々自分の故郷の絵を見つけた──みたいな遠い親近感だった。
 私は変に呼吸を整え、「刈谷さん」との十年越しの約束でもいよいよ果たせるといわんばかりに、店のドアを開け、中へ入っていった。もっとも私は、刈谷さんとどんな約束をした覚えもなかったが。



 刈谷さんと知り合ったのは今から十年前、東京郊外の配水管工事の現場でだった。私が当時24歳、彼は29歳だった。仕事の経歴上彼は私より二年先輩であったが、私を職場の後輩としてでもなく、同僚としてでもなく、友人のようでもなく、まして弟のような存在としても扱わなかった。彼は私に話しかける時、いつも両手を揉み擦り、張り子のようにへぇこら頭を下げながら、"アニキ"と呼んだ。何故か彼の中での私は、忠従すべきたった一人の兄貴分であり、下手をするとさらに唯物的で尊大なものへと格上げされかねない奇妙な立場におかれていた。
 私としては、別段悪い気もしなかったのだが、好い気もまったくしなかった。ただ単純に彼のことを"オモシロイ考え方をする人"だと見なし、それ様のつき合い方で接していた。好意といえる好意を抱けるでもなく、もちろん嫌悪やそれに類する感情もさほどに抱くこともなかった。無責任な好奇心だけが、私が彼に対して感覚しうる唯一の感情だった。
 刈谷さんは休憩時間になると決まって私の側に自分のヘルメットを置き、これに座った。そしてまず「アニキ──」と始めるのである。
 「アニキ、あっしは先ほどから途轍もない頭痛に悩まされているのであります」
 おもむろに顔をしかめながらシケた和モクを喫う彼の足元には、一匹の大きな蟻がウロチョロしている。
 和モクの、腐った焼き芋風な臭いに気を散らされながらも、私はいつしか蟻の動きに見入っている。真夏の、蝉の鳴き声の犇めく緑地の長大な陰と、巨大な集合住宅が犇めくコンクリートジャングルとのちょうど境目の、交通量の割合少なくなった公道脇での、午後三時である。
 「──大丈夫ですか」
 陶然と蟻の動向を目で追いながら、私は尋ねる。しかし彼は首を縦にも横にも振ろうとはしない。
 「あっしには夢があるんです、アニキ。しかしその夢がもしかしたら叶わぬ夢なのではと、時々ふと怖くなっちまうんです。怖くなっちまうと、すぐに頭痛のやつが始まりおるのですわ」
 「夢って、どんな夢ですか」
 軽薄な好奇心の外郭線上に蟻が不意に立ち止まり、チカニニチカニニと刈谷さんのブーツの爪先に食らいつく。
 「それは──たとえアニキにでも、言えませんのです」
 刈谷さんは唐突に鬱ぎ込み、口をつぐむ。私は目を上げ、彼の顔を見る。日に灼けた険しい眉毛が昼下がりの明るみに透けて、白髪めいている。
 「──きっと大がかりな夢なんでしょうね?」
 もう何日も同じ台詞で聞き返す私の口は、でも不思議に飽くことを知らないらしい。
 「……です。南極や北極へ徒で向かわんとするほどに、です」
 私は頷く。もはや聞き飽きていて然るべき毎度の話題であり、台詞なのである。刈谷さんにとっては、夢がたとえマイホームを持つことであるとか、いい車に乗るとか、温かい家庭を築くとかいった割合平凡な夢であったにしても、南極や北極へ徒で赴くように壮大で見果てないことなのだろうことは、この一週間、いや二週間に及ぶ話題の繰り返しによって、イヤと言うほど理解していた。むしろ夢の実態が平凡であればあるほど難易度が高くなるのではと、私は逆に揺るぎない確信をもって、彼の、なんとなくアスファルトの地面の上に不貞寝している眼差しを見返したくらいだった。
 「──あっしの夢なんかをアニキがお聞きになったら、そりゃがっかりもしなさるでしょうて……」
 刈谷さんは私の背後の、コンクリートで塗り固められた殺風景を眺めやりながら、呟いた。
 「そんなことは聞いてみなければ分からないことじゃないですか」
 「いえいえ、アニキはきっと失望しなさるはずです。あっしのような虫けら同然の男がそんな大陸的な夢を抱いてるのか、と──」
 彼は尻すぼみに声のトーンを落とし、事切れるようにタバコの先を地面になすりつけた。「とにかく、頭痛が酷いのです。昼飯を食った後薬を飲んだんですがね、最近は三錠飲んでも四錠飲んでもあまり代わらんです。これがオカシイくらい効いてくれない」
 「大丈夫ですか?」
 私は同じことをもう一度訊いた。その日に限れば二回目、しかし知り合ってから今までで総計すると──形而上的回数である。
 「ご心配には及ばんです、勿体ない。あっしのようなもんにあまり気を遣わんで下さい、勿体ない」
 "勿体ない"と本当に思っているなら何故に"大丈夫ですか?"と何度も尋ねさせるのか──私は内心ムッとしないでもなかった。
 「──ところで、刈谷さん。なんでオレが刈谷さんの"アニキ"なんですか?」
 その他の質問と同様、もはや風化して久しいはずの質問を、無闇に投げかけてみる。投げていればいつかは当たる──そんなぞんざいで投げやりな気持ちから、である。
 いつの間にやら蟻が刈谷さんのブーツを這い上がっており、合皮の黒に同化して、見えにくくなっている。
 「──答えなきゃ、いけませんでしょうな」
 「いや、イヤならいいですけど。──でも、もしイヤでなければ是非」
 「さいですか。それならこの頭痛のやつが治まるまで待ってやってくれませんか。仕事が終わる頃にはだいぶ治まってると思いますのでな」
 「構わないですよ」
 かくも老朽したしゃべり方で訥々と話す刈谷さんの生い立ちは、本人から聞くところによるところでは、こちらの勝手気ままな先入観とは裏腹にきわめて平凡であり、特異性というよりはむしろ匿名性のすこぶる高い、要するに"どこにでもあるような"家庭に生まれ育ち、現在に至っているということらしかった。しかしそれでは、彼という、ある意味では形而上的と言わねばならない人となりをとてもじゃないが照合することは難しい。その実彼は、29歳という年齢にしてすでに四、五十歳ほどの年輪がとくにその言動にしばしば見受けられ、またさらには、二十代にはあるまじき年期の入った頑なさがその一挙一動に目立った。彼と対話する以上やはりどうしてもその老朽化の速さに明確な理由を求めないではいられなかった私は、「刈谷さんって、時代劇、好きでしょ?」とか「小説、よく読むでしょ?」などと当てずっぽうに質問を投げかけてみた。ところが彼は、まるで油を差し忘れた機械みたいに億劫そうに首を振りながら、「時代劇ですか。あまり見たことありませんです。小説では……そうですねぇ……あまり読まないですね。──アニキは読みなさるので?」と逆に聞き返される始末だった。当時から十年経った今の私なら、あるいはもっと的を射た質問で彼という人の人格的核心に迫れたのかもしれないが、如何せん当時の25歳という、青二才にようやく毛が少し生えたくらいの脳味噌では、とてもじゃないが刈谷さんの奇怪さに己の理解を近づけることは出来なかった。
 灼熱の炎天下、冷たい缶コーヒーを飲み終え、タバコの一本も喫って休憩を終えると、刈谷さんは隠居のように曲がった腰を如何にも重そうに上げながら、「それにしてもアニキ、夢というものはなにしろ重いですな。排水管を担いでる方がよっぽど楽ですわ」と言って、ヤスリで木を擦るような声音をたてて笑った。
 先ほど彼のブーツを駆け上っていった蟻の行方は、分からなくなっていた。
 蟻が失踪するほどに彼という人は不可解で、ある意味では隙がなかった。隙のない彼の歪んだ立ち姿の背景には、打ち水が遠く点々と青いしじまをつくり、真新しいアスファルトの黒に映えて眩しく光っていたが、その光を嘲弄する陽炎と隙間ない蝉の鳴き声が互いに反響し合い、彼の周囲に、微妙にズレた分身を幾重にも作り出していた。のみならずその袂には、彼自身の影法師であるかのような蟻の不在が、街路樹の木陰の中でゆっくりと融け始めていた。私は、刈谷さんがそのうち失踪してしまうのではないかと、ふと思った。といってもその感慨には、少しの不安も含まれてはいなかった。たとえば太陽の傾き加減を見て大体の時刻を推し測るように、あくまでも彼自身の事情として、彼の失踪を予感しただけのことだった。
 私は自分の持ち場に戻り、作業を再開させたが、あまり集中出来なかった。別に刈谷さんの生い立ちや失踪するかもしれないことについてくよくよ考えていた訳ではない。むしろ私は彼のことを忘れて仕事をしていた。しかしそれでも仕事になかなか身が入らなかった。多分私も、刈谷さんと同じように自分の分身を周囲に幾重にも分散させていて、その逐一に集中力を少しずつ奪われていたからなのではなかろうかと、その日帰宅してからなんとなく思い当たった。しかしこの心境を今一歩核心に近づけるための客体を、私はついに見つけることが出来なかった。刈谷さんという人がつくづく、私自身を客観視するための客体になれないタイプの人なのだと、考えない訳にいかなかった。









 #2に続く。
















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