虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

スターシップ・トゥルーパーズクロニクルズ テスカ作戦 アニメ版 (1999年/アメリカ)

2005年12月09日 | エンタテインメント
製作: オード・ペイデン
製作総指揮: ジェフ・クライン
      リチャード・レイニス
      ポール・ヴァーホーヴェン

 ハインライン原作の「宇宙の戦士」実写映画化「スターシップ・トゥルーパーズ」のアニメシリーズ版。

 実写版のほうが明らかに映画としての迫力があるのは、テレビシリーズという制約上しょうがないとは思いますが、バグモンスター大暴れ、恐怖シーンが実写より少なめ、ダンチにランク落ちで、青春ドラマっぽくなって、それなのに女性の魅力が実写よりずっと落ちるのためか、なんかピンと来ないものになってます。アニメ版の女性に全然魅力が感じられない。主人公リコをはじめとする男性キャラは(実写映画版でもさしたる強烈な印象を受けなかったせいか)まあ、こんなものでいいか、と思います。
 でも、せっかくアニメなのにモンスターであるバグの造形がおとなしすぎないか!?
 
 私はCGアニメは「ビースト・ウォーズ」みたいな異形キャラものの方がまだまだふさわしいと思うので、どうもこういうのは素直に見ていないのかもしれない。でもそこそこは面白いですし、映像もまあまあ。あんまり「これ!」というものを期待しすぎないで見れば家庭向けとしてはいいのではないでしょうか。

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 映画館に行くタイミングがなくて、ビデオ・DVDだけ生活です。こんなに小さい画面ばかりでは、なんか禁断症状が出そうな気分です。

トラベリング・パンツ/アン・ブラッシェアーズ

2005年12月08日 | 
大嶌 双恵訳  理論社

 ティビー、レーナ、カルメン、ブリジットの4人は、母親がマタニティ・エアロビクス教室で知り合って以来の仲良し。それまでいつも一緒に夏休みを過ごしてきた4人が、16歳を目前に初めて別々に夏休みを過ごすことになる。
 4人は、その直前にカルメンが古着屋で見つけた誰にもフィットしてかっこよく見せてくれる不思議なジーンズを順に送ることにし、そのジーンズにその夏の仲間の誓いを立てる。

 これは映画化され、10月に公開されたのだけれど見にいくことは出来なかった。2年ほど前に図書館で借りて読んだ時、いかにも映画化に似合いそうだと思った。今度また借りてきたら、だいぶ人気があるようで、本がずいぶん読み込まれ跡がついていた。
 いかにもヤングアダルト向けな軽い感じだが、そつなく4人の少女たちのキャラクターとその家庭を書き込み、出会う人々の人生をほの見せて、泣かせるところは泣かせて、でも深刻さはさほどなし。まだまだ世界へ出て行くのはこれから、入り口までやってきたばかりという年頃を上手に共感を、また私のようにその歳をはるか昔に過ぎてしまった人間にはイノセントな自分への郷愁も感じさせてくれる、文学というにはちょっと気が引けるけど…という佳作。

 このような書き方だとちょっと皮肉っぽく響いたかもしれないが、一気に読めて爽やかな後味という点でお薦めの作。何より、実に映画化が楽しみな小説だったのだ。4人の少女、それにガンで自分の命の終わりを意識して生きる12歳の少女、ベイリーがいかに映像化されるか楽しみ。
 4人の女の友情というのでは、お年寄り版で「ヤアヤアシスターズ」というのがあったが、こちらは人生の波乱の量では太刀打ちできないので、みずみずしさを存分に味わえる映画を期待している。DVD、早く出ないかなあ。

映画タイトル
旅するジーンズと16歳の夏 (2005)
THE SISTERHOOD OF THE TRAVELING PANTS

オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/sisterhood/

オフィシャル・サイト(英語版)
http://sisterhoodofthetravelingpants.warnerbros.com/

トップ・ハット (1935/アメリカ)

2005年12月07日 | 映画感想た行
TOP HAT
監督: マーク・サンドリッチ
出演: フレッド・アステア
    ジンジャー・ロジャース
    エドワード・エヴェレット・ホートン 

 アメリカのダンス・スター、ジェリーが興業主ホーレスと共にロンドンに滞在中、下の部屋のアメリカ娘のデールとひょんなことから知り合う。互いに惹かれあう二人だが、誤解が誤解を生み、彼が妻帯者で浮気ものとカンチガイした彼女はイタリアへ。後を追うジェリー。

 私は、昨日はもう「カイロの紫の薔薇」のミア・ファーロー状態だったのでした。記念紙の打ち合わせで、自分では手を出さずに、自分のイメージどおりにしようという人にキレ、専門家が、好意で無料で描いてくれたイラストに勝手に字を付け足そうという人にキレ、へとへとになって帰宅。こういう日は映画会。
 はじめは「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうな私の12ヵ月」女3人でどのような絶叫と共に鑑賞したかはどなたも簡単に想像がつきますよね。

 そして締めはこの「トップハット」
 フレッド・アステアというのは、顔だけ見ればどことなく「うらなり君」を連想させるようなのに、一度でも彼の映画を見て、地球の重力が彼にだけは別種に作用するが如き軽やかで、優雅なダンス、いや、一挙一投足に魅せられてしまうともうどうにもなりません。ただうっとりと見惚れるばかり!
 ストーリーなんかはこの際どうでもいい!(実際、私は芝居部分がまどろっこしかったりする)

“Heaven,I'm in Heaven...”

“Cheek to Cheek”のダンスを見ながら、私もやっぱり癒されてしまうのだ!

お仕事・お買い物

2005年12月05日 | 日記・雑記
 お金にならないお仕事で忙しいです。
 以前、小学校の周年記念誌の編集をボランティアで引き受けたら、今度は中学校のを頼まれ、つい引き受けてしまった…
 おかげで週末は資料読みでつぶれてしまい、またまた映画館にいけない!長襦袢縫っちまおうと思ってたのに、それも未完成。
 
 DVD100枚分のたっか~い袋帯が仕立てあがって届きました。私の着物はお下がりばっかなので、今度の帯と合わせてみるとどうも時代が合わないのが多いけど、いいの~、嬉しいから。もうタトウの上からすりすりしちゃうわ~(じかにすりすりなんてするわけない)
 地味目の帯揚げとか、帯締め買って、何とか着ちゃおう。
 しかしこんな帯で出かけるチャンスがどれだけあるのか?
 でもいいの~嬉しいから。

 安い買い物もしました!
 トーキングラジオ、130円。蛙のついたFM専用ラジオで、音が出るとなんと蛙の口がパクパク動く!

 高くても安くても、実用品は買ってないですね。

オーバードライヴ (2004/日本)

2005年12月03日 | 映画感想あ行
OVERDRIVE
監督: 筒井武文
出演: 柏原収史   麻田弦
    鈴木蘭々   美潮
    杏さゆり   五十嵐晶
    ミッキー・カーチス   五十嵐五郎
    新田弘志    倉内宗之助
    新田昌弘    大石聖一郎
    小倉一郎   五十嵐五郎の婿 晶の父
    石橋蓮司   大和会会長

 自称天才ギタリスト、自信もたっぷりの弦は、恋人だったボーカルの美潮に公私共に三行半を突きつけられ、ヤケになっているところに酔って乗ったタクシーになんと青森県の果てに連れて行かれてしまう。そこで強引に津軽三味線の弟子にされそうになった弦は、もちろん逃げようとしたが、その家の娘、晶に一目ぼれして残ることにする。

 三味線は良かったのです。もう、レッドツェッペリンやクイーン並みとはいわないけど、実に迫力漲る音で気持ちよく張り飛ばしていただきました。時々入る歌姫の歌もまあ、良かったし、アニメの使い方もうるさくなくて面白かったです。
 ただねえ、主人公と片方のヒロイン晶のやり取りなど、どうも調子が良くありません。
 これが「下妻物語」並みのテンションで突っ走ってくれたら、さぞかし爽快な映画になったでしょうに、どうもいちいち引っかかってしまうように感じました。
 脇に芸達者さんたち揃っていますのに。ミッキー・カーチスも、石橋蓮司もいい味出してますのに。

 それで、ストーリーにあわせて歌う歌姫の歌なんですが、その前日にBS放送で木下恵介「永遠の人」を見ていた私は、あの映画でも要所要所で入ってくる心の痛みのような歌をつい思い出してしまったのでした。あの重い、辛い、でも目を離せない映画と、このちょっとノリの悪いコメディを同時期に見たのは、私の不運でした。比べてはいけないのだが、ついちらついてしまいます。

 鈴木蘭蘭、芝居はともかく、ラストの歌のところではとってもきれいで素敵でした。

チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル (2003/アメリカ)

2005年12月02日 | 映画感想た行
CHARLIE'S ANGELS: FULL THROTTLE
監督: マックG
出演: キャメロン・ディアス   ナタリー・クック
    ドリュー・バリモア    ディラン・サンダース
    ルーシー・リュー    アレックス・マンデー

 強くて美貌な3人のエージェントが、チャーリーの指令によって困難なミッションに挑む、テレビシリーズの映画化第二弾。

 テレビシリーズはちょっとだけ見たことがあるけど、どうも映画でこれだけ「ありえねー!」アクションを見せ付けられて、その上にキャピキャピ(これは死語ですが)なかわいらしさポーズとかされると、可愛いと思うより滅入ってしまった。
 こういうものを見る体調ではなかったのかな。
 デミ・ムーアも、キャットウーマンのシャロン・ストーン並みに、いやそれ以上がんばってるし、エンジェルは可愛いし、「フラッシュダンス」だの「サウンド・オブ・ミュージック」などの映画のくすぐりはそこかしこにちりばめられてるし…でもどうも気持ちが弾まない。
 笑えたのは、散髪男のとこだけ。
 これ絶対に、女性向けより、男の目に映る部分をそれ以上に意識しているように思う。何より彼女たちがそう楽しそうには見えない。それなりに娯楽作としてきちんと出来てはいるものの、私にはダメです。

対極な映画で

2005年12月01日 | 日記・雑記
 11月30日は映画館水曜レディースデーでしたが、映画館に行く余裕なく、弁護士さんとことかいろいろ回って疲れて家に帰って「チャーリーズエンジェル/フルスロットル」を見ました。「カンフーハッスル」じゃなくて、こっちに「ありえね~!」ってコピーつけても良いのにね。でもやっぱりうっとりするかっこよさじゃないです。

 で、BS放送の「野菊の如き君なりき」(木下恵介監督・1955年)を見始めたらやめられなくなり、不覚にもぽろぽろ泣いてしまいました。松田聖子の「野菊の墓」見たときはすいません、彼女のおでこに思わず吹いたのですが、これは笑いの入る隙は無い純愛映画です。
 原作読んだのがはるか昔で、本のほうでどうだったか忘れてるけど、幼馴染の純粋に相手を思う10代の少年少女が、周囲の心無い噂と中傷で仲を裂かれ、少女は不幸な結婚をして死んでしまうなんて、なんか閉鎖社会のいじめの犠牲者って感じでいやですねえ。でもヒロインの民さん、きれいで可愛くて無垢で、もうそれだけで闘わなくても許しちゃう。
 みんな二人にひどいことしてるってわかっていて、仲を裂いてるので私としては泣けるけど純愛映画というよりむちゃくちゃ腹立ちが残るものなのでした。

「死ななきゃわからんのか!」
「外聞が悪いのと、お互いに思う心のどっちが大事だ!」

 もちろん、世間様のほうが本人の愛情より大事なのが昔の日本ですね。ああ、今のご時世に生まれてよかった。

 この二つの映画で「映画見た」という娯楽性でどっちが勝ちかというと、私はやっぱり「野菊」なのでした。