虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

パッション (2004/アメリカ、イタリア)

2005年08月01日 | 映画感想は行
THE PASSION OF THE CHRIST
監督: メル・ギブソン
出演: ジム・カヴィーゼル    イエス・キリスト
   マヤ・モルゲンステルン    イエスの母マリア
   モニカ・ベルッチ    マグダラのマリア

 イエス・キリストの最後の12時間と復活を描く。

 もうこれは、メル・ギブソンがキリスト教徒としての信念によって作ったのでしょうから、何も申しません。
 でも、血みどろの2時間でした。特に釘は正視に耐えないものでした。
 私はキリスト教徒ではないですが、聖書は読んでいるし、西森マリーさんの聖書に準拠した言い回しなどかなり読んでいるので、ありがたいことに、エピソードが全部理解できたので誰が誰だか迷うことはありません。でもあれだけリアルに描いているのに、サタンが出てくると、妙に合わないように感じるのも、私がキリスト教徒でないからだろうと思います。

 製作者の意図とは違うかもしれないけれど、非キリスト教徒としての私は
 ・罪無き者の血で何を贖うのか。(イエスだけではなく)
 ・誰が見ても理不尽な苦しみを加えられているものに対し、笑いながら苦しめる事の出来るもの、涙するもの、関係ないと無視できるもの、それ全て人間。
 ・ポンテオ・ピラトが手を洗ったところで彼が無実のものを見捨てたことに変わりは無く、また、昂奮して騒いだ群衆もイエスの言うように「自分が何をしているかわかっていない」のであって、自分たちにその血の責任があるとは思っていない。それは実に「しばしば見る光景」なのだ。
 ・今でも誰に何が出来るわけも無い子どもたちが犠牲になる現実がある。そしてそれを知ると怖いのであえて知ろうとしない平穏な地の人々がいるのもまた現実。

…のような、「罪なき者が苦しむ世界」を有らしめている今を考えさせられた。

 この映画には、絶対に正しいイエス・キリストが存在する。「絶対」に対しては私は懐疑的な見方しか出来ないので、苦しみの中でイエス・キリストがその生をあんな形で全うしたことに対して、またこれを作った情熱に対して感動は感じるが、やはりそれほど宗教的な衝撃を受けるまではいかない。

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