虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

丹下左膳 決定版(1958/日本)

2005年08月06日 | 映画感想た行
監督: 松田定次
出演: 大友柳太朗
    月形龍之介
    薄田研二
    大河内伝次郎
    長谷川裕見子
    松島トモ子
    桜町弘子
    喜多川千鶴
    山形勲
   東千代之介
    美空ひばり
    大川橋蔵

 柳生家の百万両の軍用金の隠し場所を秘したコケ猿の壷をめぐり、幕府・柳生家・柳生の次男源三郎の婿入り先司馬道場と、隻眼隻手の浪人丹下左膳が絡む、オールスター時代劇。

 快男児2人、貴種の枠内の大川橋蔵=伊賀の暴れん坊柳生源三郎と、アウトローでしかも片手、片目の剣豪大友柳太朗=丹下左膳の男同士が豪快に笑いあうライバル友達状態を持ち上げて、しかも当時の主役級の役者を脇にズラ~リと並べてしまう。
 あまりにもオールスターであまりにも明朗時代劇なので、お正月映画かな?とか思ったら公開は3月。年度区切りでほっとしてみる映画だったのかな。他の丹下左膳と比べてバッタバッタと斬りまくるシーンが少ないようだ。
 幕府隠密元締めが大岡越前にいやみに絡むシーンなんか、「まあ素敵」なんだけど、これ、終わってみたら悪役が(役者じゃなくて役柄が)小粒だったわ。それにあくまでおかみの一番上の方は善政しいてらっしゃいました。その時の世相というのがよくわからないけど、これを歓迎する世の中のムードは安定なのかな?それとも当時の願望なのかな?60年安保の少し前ですね。

 でも丹下左膳も、源三郎もスカッとした裏のない男で、女性はきれいでしおらしく、子どもは可愛く、おじさんたちは度量と実力に満ち満ちて、ほんとに「安心」を感じる映画だった。

 悪女お蓮様役の喜多川千鶴さん、鉄漿が似合って妖艶で姿が良くて見とれました。

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