虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

怖い蛸

2006年12月19日 | 日記・雑記
目が痛いので映画をちょっとお休みして
詩を読んでいます。

今年は「パイレーツ・オブ・カリビアン」で
大蛸のお化けが出てきましたが
怖かったですか?
東映特撮シリーズなどでも大蛸というのは定番の怪物としてちょくちょく登場しますが、定番になるだけあって新鮮味は薄いかもしれません。

私が一番怖いなと思う蛸は
萩原朔太郎の散文詩「死なない蛸」
水族館の忘れられた水槽で飢えた末に自分を食べ、消滅し-

それでも蛸は死ななかった。彼が消えてしまった後ですらも、尚且つ、永遠にそこに生きていた。古ぼけた、空っぽの、忘れられた水族館の槽の中で。永遠に-おそらくは幾世紀の間を通じて-ある物すごい不満をもった、人の目に見えない動物が生きて居た。

これが、その詩の結びですが、どうでしょう。
すごくナンセンスで怖くないですか?