虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

リバティーン(2004/イギリス)

2006年12月07日 | 映画感想ら行
THE LIBERTINE
監督: ローレンス・ダンモア
出演: ジョニー・デップ    ロチェスター
   サマンサ・モートン    エリザベス・バリー
   ジョン・マルコヴィッチ     チャールズ二世
   ロザムンド・パイク    エリザベス・マレット

 1660年代、王政復古のイギリス。第二代ロチェスター伯爵こと詩人のジョン・ウィルモットは才能を王にも周囲にも認められていたが放埓な生活を送っていた。ある日、ジョンは訪れた芝居小屋で観客のブーイングを浴びていた若い女優エリザベス・バリーに目を留め、彼女に演技指導を申し出る。

 ジョニー・デップがだんだんメジャーになってきて「ジョニーがもう変な(失礼)映画に出なくなったらどうしよう」と少し心配だったのですが、どうでしょう。この映画の製作も2004年ですが、彼はこれからもジョニーでなきゃ、という役を選び続けてくれるでしょうか?

 これも、なまじ才能と敏感な心を持ってしまったがために、幸福になりたいクセに、それから遠ざからずにいられないどうしようもない天邪鬼の映画でした。絶対に満たされない人間の心の飢えを嫌悪感無く、かっこよく見せるのは、役者のルックスと力量とが必要で、よくやってますよね。サマンサ・モートンとマルコヴィッチはそれぞれの役で、リバティーンの発散する愛と毒とを巧く受けていたと思います。
 全体に画面が暗い、なんだかまるで劇場みたいに顔とか白い部分が浮き上がるような、画面全体が滑らかでない感じで、不快感とは違うがちくちくした感触のある不思議な映像だった。