虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

フリスコ・キッド(1979/アメリカ)

2006年05月23日 | 映画感想は行
THE FRISCO KID
監督: ロバート・アルドリッチ
出演: ハリソン・フォード   トミー
    ジーン・ワイルダー   アブラム

 1850年、ゴールド・ラッシュに沸くアメリカへ、ポーランドから来たユダヤ人ラビのアブラム。追いはぎに遭って一文無しになり、英語もわからず、荒野の真ん中で途方に暮れていた時、強盗稼業のフリスコ・キッドことトミーと出会う。そして二人はアブラムの目指すサンフランシスコまで向かうことになる。

 アルドリッチ未見作品ですから、今回のBS2放送をなんとしても見逃すわけにはいきませんで、ベッドの上で正座して見ました。
 やはり、晩年の作といっていいせいでしょうか、それまでの「男だぜ(ジ~ン)!」的な雰囲気よりも、「カリフォルニア・ドールズ」に近いペーソスを感じました。でもドールズの方が深~~~く好きだな。
 律法大事、神様が助けてくださる精神のカタマリで抜けているのに頑固なアブラムに、強盗のくせにお人よしのフリスコキッドがつけこまれて、見捨てられずについつい一緒に道中してしまう。ありがちな展開ではあるが、ハリソン・フォードのそれほどマッチョを感じさせない若造っぽさ、ワイルダーの突き抜けたような楽天性と信念の人ぶり・ひげ髪もじゃもじゃスタイルが好一対です。この映画はワイルダーの顔のアップが頭に残ります。
 これもまた終わりの気持ちのいい映画で、生きることや人間への肯定というか、そんな暖かさを感じる映画。