虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

愛に迷った時 (1995/アメリカ)

2005年12月16日 | 映画感想あ行
SOMETHING TO TALK ABOUT
監督: ラッセ・ハルストレム
出演: ジュリア・ロバーツ
    デニス・クエイド
    ロバート・デュヴァル
    ジーナ・ローランズ
    キラ・セジウィック 

 南部名門家庭の出身のグレイスは、古い意識を残した街で夫と娘と暮らし、強権的な父の支配する実家の牧場では支配人をしている。ある日、夫の浮気現場を目撃してしまったグレイスは、家を出て姉の元に行き、「結婚しなければ獣医になれたのに…」というかつての夢と今の生活を考えることになる…

 出演俳優は豪華だけどなんか地味。ユーモアとしみじみ感のブレンドも「ギルバート・グレイブ」のほうが切々たるものだと思った。
 個人的にデニス・クエイドがどの映画でも私にはあんまり魅力的に見えない。したがって主人公が自分からダンスに誘ったという馴れ初めだったり、裏切られてもむげには離れ切れないという夫の魅力がわからず、主人公に共感できないという面は大きいだろうと思う。それに、私にはジュリア・ロバーツよりも姉のキラ・セジウィックのほうが魅力的だし。ほんとに姉妹に見えるのも驚きでした。
 まあしかし、南部の旧家の「夫(家長)に仕える妻」「すべてを見ない振りして平穏に納める賢い妻」イメージがまだまだ支配している社会というのも、見ていて「いまだにこうなんですか…?」という気持ちになって、どうも納得しどころが見つからない。
 私は、「こうしたかったのに、○○のせいであきらめた」とかいう言い方が嫌いなのよね。自分ではどうにもならずに事態に呑み込まれることもあるけれど、過ぎてしまった変えられないことにこだわるより、今を何とかするのが大事だと思ってるから、こういう主人公に共感するのは無理なんだわ。ラストは何とかうまく納めてるけど私には私の気持ちが治まりきらない。と言いつつ全部しっかり見てしまったのだが。
 ロバート・デュヴァル、ジーナ・ローランズの夫婦は見ていて可愛くて面白かったです。