虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

砂漠の鼠 (1953/アメリカ)

2005年12月13日 | 映画感想さ行
THE DESERT RATS
監督: ロバート・ワイズ
出演: リチャード・バートン
    ジェームズ・メイソン
    ロバート・ニュートン
    チップス・ラファティ
 
 第二次大戦の北アフリカ戦線を舞台に、ドイツ戦車軍団の猛攻から、補給線の要衝であるトブルクを死守する連合軍の苦闘を描いた戦争スペクタクル。部隊が壊滅したイギリス人将校が任されたのがオーストラリアからの新兵の一小隊。その中には将校の恩師も含まれていた…

 ロバート・ワイズ監督の訃報を聞いたときに、思わず監督の映画をどっとオンラインレンタルでチェックしてしまい、ワイズ監督作品が五月雨的に届く、ということになってます。でも今回はコンバットを続けて見た後なので、この戦争映画に何かと考えるところがあったのでした。
 この映画は実に戦争映画らしい戦争映画だし、ラストでギリギリまで追い詰められたところで援軍が到着し、一応勝利、で締めくくられるけれども、あまりスカッと爽やかな感じがない。「ああ、よかった」とほっとするような感覚。しかし、明日はまた闘いなんだろうな…とつい思う。
 自分の義務・役割と信ずるところを曲げずに兵隊たちに嫌われる指揮官とか、戦果を挙げればあげるほど死地に近いところに任務を降られる兵隊たちとか、全滅か退却か、最後に決断せねばならないは現場の指揮官とか(選択肢があるだけマシでしょうけど)決して戦意を鼓舞するばっかりのような映画ではない。死に直面しながら「戦争がいつかは終わる」ことを半ば現実感のない夢のように感じる、そして闘っている兵隊たちが印象に残る。

 トブルクについてはたくさん映画があって、この映画の主演のリチャード・バートンも確か他の映画でもドイツ軍弾薬庫を爆破してたような気がする。それにこれはDVDだったのだが、どうも画質が良くないみたい。ただ砂漠の人間を拒絶するようなところは実によく感じられた。
 ジェームズ・メイソンがロンメル将軍を演じているが、アメリカ映画を見ていると、彼の人気がわかる。