虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

トラベリング・パンツ/アン・ブラッシェアーズ

2005年12月08日 | 
大嶌 双恵訳  理論社

 ティビー、レーナ、カルメン、ブリジットの4人は、母親がマタニティ・エアロビクス教室で知り合って以来の仲良し。それまでいつも一緒に夏休みを過ごしてきた4人が、16歳を目前に初めて別々に夏休みを過ごすことになる。
 4人は、その直前にカルメンが古着屋で見つけた誰にもフィットしてかっこよく見せてくれる不思議なジーンズを順に送ることにし、そのジーンズにその夏の仲間の誓いを立てる。

 これは映画化され、10月に公開されたのだけれど見にいくことは出来なかった。2年ほど前に図書館で借りて読んだ時、いかにも映画化に似合いそうだと思った。今度また借りてきたら、だいぶ人気があるようで、本がずいぶん読み込まれ跡がついていた。
 いかにもヤングアダルト向けな軽い感じだが、そつなく4人の少女たちのキャラクターとその家庭を書き込み、出会う人々の人生をほの見せて、泣かせるところは泣かせて、でも深刻さはさほどなし。まだまだ世界へ出て行くのはこれから、入り口までやってきたばかりという年頃を上手に共感を、また私のようにその歳をはるか昔に過ぎてしまった人間にはイノセントな自分への郷愁も感じさせてくれる、文学というにはちょっと気が引けるけど…という佳作。

 このような書き方だとちょっと皮肉っぽく響いたかもしれないが、一気に読めて爽やかな後味という点でお薦めの作。何より、実に映画化が楽しみな小説だったのだ。4人の少女、それにガンで自分の命の終わりを意識して生きる12歳の少女、ベイリーがいかに映像化されるか楽しみ。
 4人の女の友情というのでは、お年寄り版で「ヤアヤアシスターズ」というのがあったが、こちらは人生の波乱の量では太刀打ちできないので、みずみずしさを存分に味わえる映画を期待している。DVD、早く出ないかなあ。

映画タイトル
旅するジーンズと16歳の夏 (2005)
THE SISTERHOOD OF THE TRAVELING PANTS

オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/sisterhood/

オフィシャル・サイト(英語版)
http://sisterhoodofthetravelingpants.warnerbros.com/