虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

台風クラブ(1985/日)

2004年09月16日 | 映画感想た行
監督:相米慎二
出演:工藤夕貴 大西結香 三上祐一 三浦友和

 台風の接近とともにわけもわからずハイになっていく中学生。

 この映画、ストーリーを書いてもむなしい感じします。それに見るたびに「ああ、歳をとった」を実感させられちゃう。
 子どものときに読んだ本というのは、ある本はその時代まで感覚を戻してくれるようなのもあります。映画も、初めて見たときの驚きや感動がよみがえるようなのもあります。でもこれに関する限りでは、だんだんこの思春期の不安定さに対して距離を持っていく自分を、その時期を懐かしがる自分を認識させられるのがつらい。

 この映画をはじめてみたときから、女の子より恭一や明君に妙なシンパシー感じていました。あの時期のわけわかんない苛立ち、説明できない納得感とか。だから、最後の飛び降りシーンもわかるんだけど、説明なんか求めんでくれっ、です。それなのに、いつの間にか上から子どもを見る目であきら君を見ている自分に気づく。

 女の子では大西結香が良かったし、三浦友和がいいと思ったのもこれだけ。夜のプールの何かのスイッチが入ってしまったような、なぜか感じるスピード感が忘れられない。