ココヨリトワニ

野球と文章書きに生きる男、空気王こと◆KuKioJYHKMのブログです。(人が死ぬ創作文があります、ご注意を)

涼宮ハルヒのあっちこっち11 ~校内放送編~

2010-04-09 23:19:40 | 二次創作
古泉「すいません、ちょっと来ていただけますか」
キョン「ん、何だ?」
みくる「どうしたんでしょうか?」
長門「購買で何かやっているのだろうか」
ハルヒ「何かあったかしら」

?『こーんにちわー。お昼の放送の時間です』

長門「外でサッカーとか?」
ハルヒ「そうかもね」

?『今日は風邪で休んだ憎いアンチクショウの代わりに突発ゲストの――』
古泉『あなたのお耳の恋人、クラスメイト古泉一樹と――』
キョン『ドナドナ(強制連行)された友人キョンと――』
?『マイクをパスする女、放送委員おなじみの佐々木でお送りします』

みくる・長門・朝倉・鶴屋「!!」

◇ ◇ ◇

佐々木『今日は月末のスペシャルなので、よろしければ教室のテレビ画面でお楽しみください』
ハルヒ「キョンがテレビ……」
みくる「生放送ですかー」
長門「見たい人挙手」
鶴屋「見るー」
朝倉「楽しそうね」
みくる「はい」
谷口「面白そうだな」
ハルヒ「はい!」
長門「満場一致でポチッとな」
みくる「涼宮さん、見やすいところにいきます?」
ハルヒ「別にここでいいわ」
    (くわ!)
みくる(ギョ!!)

◇ ◇ ◇

古泉「まあ飛び入りゲストのトークなんて退屈でしょうから、コーナーに行きましょうか」
佐々木「そんなことはないと思うけど……。では人気のお悩み相談」
    「このコーナーはお悩みに対し、私たちが切り捨てたり笑い転げたり泣き崩れたりするコーナーです」
古泉「解決する気ないんですか!?」
佐々木「冗談です。もちろん解決もやぶさかではありません」
キョン「やぶさか……。いや、ちゃんと悩みに答えてあげようぜ」
佐々木「お悩み遭難コーナー」
キョン「救助しろ」

◇ ◇ ◇

佐々木「では早速。『気になるあの人の落とし方を教えてください』」
古泉「まずは屋上に呼び出します」
キョン「意外にベタだな、お前にしては」
古泉『夕焼けと下校する生徒を見下ろしながら――』
  『高鳴る胸の鼓動を抑えてそっと彼の背中を――』
  『押す』
  「落ちます」
キョン「そりゃ落ちるだろ!」

◇ ◇ ◇

佐々木「落としどころが違いますよね!?」
古泉「衝撃的な告白でしょう?」
キョン「身も心もな」
古泉「あとは最後に一言付け加えるとさらに効果的です」
キョン「相手は眼下で地面にめり込んでるぞ。助けろ」
古泉『わたし……本気よ』
全校生徒「怖っ!!」
古泉「これであなたの気持ちが本気だと伝わるはずです」
キョン「伝えた先に未来がねえよ」
佐々木「みんなは真似しないでね!」

◇ ◇ ◇

古泉「では素直に屋上で『あなたを落とします』と告白するのはどうでしょう」
佐々木「何だかもう告白の言葉が脅迫の言葉に聞こえてきましたよ。恋愛相談なのに」
古泉「やはり一世一代の告白はインパクトがありませんと」
キョン「そんな告白一代も残すな」
古泉「告白ではなく告別の言葉になってしまうかもしれませんね」
キョン「何に別れを告げる気だ」
古泉「昨日までの私にさよなら」
キョン「なんだそりゃ」
佐々木「というか、間違いなく恋にさよならですって」

◇ ◇ ◇

キョン「気を取り直していこう」
佐々木「ですね。告白するのは悪いことじゃないと思いますが、勝算のない戦いはお薦めできませんね」
   「恋は戦争です! あらゆる智を巡らせて相手を籠絡するために戦略は必須! 女の子は生まれながらにして戦恋武将なのです!」
   「ちなみに私の使う計略は火計です。恋の炎で燃やします」
古泉「計略なら僕も使えますよ」
キョン「ああ――滑稽だろ」
佐々木「ぷっ!!」
古泉「使いどころないじゃないですか。『計』の字ですらないし」

◇ ◇ ◇

佐々木「『友達が好きな人相手に素直になれないみたいです。なんとかしてあげられないでしょうか』」
古泉「ツンデレなんですね」
キョン「ツンデレって」
古泉「『勘違いしないでよね! 別にあなたのことなんて何とも思ってないんだから!』といった感じですかね」
キョン「ああ、好きな人にそう言っちゃうのは素直になれてないのかもな」
古泉「『勘違いしないでよね! 別にあなたのことなんて好きなんだから!』」
佐々木「遠回しに素直になった!」
古泉「『勘違いしないでよね! 別にあなたがファッ○ユー!』」
佐々木「そして脅迫された!?」
キョン「ていうか日本語おかしいぞ」

◇ ◇ ◇

佐々木「でも相手がツンデレなら簡単な方法がありますよ」
キョン「いや、ツンデレで確定なのか? まあいいが」
佐々木「あの子ツンデレだよ、って言っておけば万事解決だと思うんです」
キョン「どう解決するんだ?」
佐々木「素直になれなかったときの言葉が逆の意味になります」
古泉「なるほど、言葉の意味を脳内で変換するわけですね」
キョン「つまり?」
佐々木「『別にあなたがファッ○ユー』」
古泉「結婚しよう」
キョン「意思疎通は大丈夫か!?」

◇ ◇ ◇

佐々木「お次は『好きな人がニブチンで、アピールしてもことごとくスルーされます。この困難に立ち向かう案を是非にご教授ください』」
古泉「ニブチンですか」
キョン「うーむ、鈍いのか」
佐々木「ニブチンですかー」
古泉・佐々木(じー)
佐々木「難しい問題ですね」
古泉「ええ、難解です」
キョン「君たち、なんでこっち見た」

◇ ◇ ◇

佐々木「にぶちーな人にはやはりストレートに伝えるのがいいとは思いますけどね」
古泉「そうですね……。当てはまる人材がこの場にいることですし――」
  「ものは試しです。にぶちーにストレートを投げて反応をチェックしてみましょう」
キョン『君が好きだ』
佐々木「スッ、ストライク!!」
古泉「……」
  「役が逆だぁ!!」

◇ ◇ ◇

古泉「失礼、絶妙のタイミングでのボケに我を忘れてつっこんでしまいました……」
佐々木「近年まれに見る動揺っぷりでしたね」
キョン「俺はボケたつもりないんだが」
佐々木「でも『好きだ』じゃアピールじゃなくて告白になっちゃいますよ」
キョン「というかもっと自然に、好きな人のために何かしてあげたいって気持ちで行動すれば、きっと魅力に気づいてくれると思うよ」
佐々木「……何だか乙女として負けた気がします」
古泉「ドンマイ」
キョン「あくまで俺の意見だからな」

◇ ◇ ◇

佐々木「そろそろ時間みたいですね。お二人とも今日はありがとうございました」
古泉「困ったときはまた頼ってくれてかまいませんよ」
キョン「聴いてた人が楽しめたかは怪しいけどな」
佐々木「いえいえ、楽しく進行させていただきました。今後お二人が恋に迷ったときは是非相談に来て――」
古泉「来ませんよ」
キョン「来ないぞ」
佐々木「即答っ!?」
古泉「むしろ佐々木さんが恋迷宮入りしたら相談してくれてかまいませんよ」
佐々木「いえ、古泉くんに相談したら失恋コースを亜音速でブッちぎってしまいそうなので遠慮します」
キョン「コースアウトして相手跳ね飛ばしそうだな」
古泉「友人が冷たいのですが相談に乗ってもらえませんか?」

◇ ◇ ◇

佐々木「では、最後にキョンくんに締めの一言をもらって終わりたいと思います」
古泉「レッツゴー」
キョン「なんだその振り!?」
佐々木「食欲に身をゆだねることなく飽くなき美への追究を胸に今日も昼食を控える健気な女の子たちに嬉し恥ずかしストロベリーな一言をどうぞ」
キョン「んー……」
   「明日の君は、今日よりきれいだね」
全校女子生徒(ブーッ!!)
佐々木「ということで今日は佐々木と古泉とキョンの三人でお送りしました。それでは午後の授業は教師のラリホーにご注意ください。また次回」

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