(たまたま手に入れた小澤さんのチャイコフスキー。背景はわが家の玄関ドア)
「ブラボーOZAWA! ブラボーチャイコフスキー!」
もし、この場にいたら、わたしも興奮してそう叫んだに違いない。それほどの出来映えだと思い、聴きながらしばし胸を衝かれた。
この数ヶ月、毎日CDを聴いているが、これほどの感動はそうめったにやってこない、残念ながら。
そのディスクとは・・・、
■チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調(作品36)
■演奏 サイトウ・キネン・オーケストラ 指揮 小澤征爾(1994年9月 松本)
確信に満ちた力強い演奏で、指揮者の統率力が眼に浮かんでくる。
細かいところまで神経がゆき届き、絶妙なバランスがとれている。フォルテシモは大波となって押し寄せ、しぶきを散らすし、ピアニシモはひな鳥の羽毛がそよ風になびくよう。オーケストラの団員が一丸となって、一つのメロディー、リズム、ハーモニーに奉仕している。
とくに18分、演奏時間40%以上をしめる第一楽章は、主役=楽器がつぎつぎ交代し、受けわたされていくので、指揮者も奏者も大忙しだ。
音楽することのよろこびが、一音、一音に満ちわたっている。
惰性で脳や腕や指先が動いているのではない。「いまこの瞬間」に全力で取り組み、音楽を作り上げている。録音もとてもよい。
ステージの上に、いったい何人の奏者がいるのだろう。弦楽器はもちろん、管楽器も打楽器も、繚乱たる饗宴をくりひろげている。CDからでもそれがつたわってくるのだから、この会場にいることができたとしたら、いかばかりであったろう!
小澤さんはいままで数枚のディスクしか聴いたことがなかった。しかし、小澤のチャイコフスキーになぜ、関心を払わなかったのか!
ドイツ・オーストリア系の音楽を演奏したら、小澤さんよりすぐれた指揮者は何人もいるだろう。が、チャイコフスキーに関しては小澤さんは、現在の最高の指揮者といえるのではないか。
トランペットに圧倒されるなあ。
チャイコフスキーは管楽器の使い方が、じつにうまい。「白鳥の湖」等3大バレーを聴いたことのある人ならだれでも知っているが、チャイコフスキーは天才的なメロディー・メーカー。
亀山郁夫さんの影響で、あらためてロシア音楽に入門したので、チャイコフスキーやショスタコーヴィチなども徹底的に、浴びるように聴いてみるつもりになっている、わたしなりに。
チャイコフスキーにかぎらず、ロシア、あるいはロシア系の音楽家は管楽器、打楽器の使いどころを心得ているとおもう。華麗で驚くほど色彩豊か。
ぜんたいとしては賑やかな音楽だが、騒がしいわけではない。
ブルックナーを聴きながら寝てしまう人はいるだろうが、チャイコフスキーを聴きながらすやすや眠ってしまう人がいるとは思えない。
(左レヴァイン&ウィーンフィルによるバレー組曲、右バーンスタイン&ニューヨークフィルによるシンフォニー3枚組)
小澤征爾、秋山和慶さんを中心にしたサイトウ・キネン・オーケストラが年1回、松本でフェスティバルを開催しているのは知ってはいたが、それ以上詳しく知ろうとは考えてこなかった。
CDに付されたライナー・ノートを読んでみると、いつまでたっても初心者のわたしですら存じ上げているお名前がずらずら。
ヴィオラ:今井信子
チェロ:堤 剛
オーボエ:宮本文昭
クラリネット:カール・ライスター
この人たちは、いうまでもないが、いずれも世界屈指の名人、ソリスト。
こういった個性の際立つ実力者の集団をまとめ上げるのは容易ではないだろう。小澤さんだから出来た、ということか?
小澤征爾のチャイコフスキー。
あと数枚聴いて、わたしの直観が間違っていないかどうか、さぐってみることにしよう♪
これまでチャイコフスキーの音楽で今シーズン聴いていたのはヴァイオリン協奏曲のみ。
今季聴いた中ではリムスキー-コルサコフの「シェエラザード」が味がよかった。
多くの人が、20世紀音楽の最高傑作と評価するストラヴィンスキーの「春の祭典」には肩すかしを食らったけどね。
まあ、期待しすぎたということだろう。いままではショルティ&シカゴ響で聴いていたが、今季はゲルギエフ盤を手に入れたのだ。
(写真はいただきものですがサイズ変更しています)
(ゲルギエフ指揮ショスターコーヴィチNO..5&9とストラヴィンスキー「春の祭典」)
チャイコフスキー、甘く見ていたなあ。6番「悲愴」は中学校時代からときおり聴いてきたが、バレー音楽の座付き作者というか、劇画チックな作曲家だと思い込んでいた。
この第4番のディスクには、おまけとしてカップリング曲、リムスキー-コルサコフ「スペイン奇想曲」のリハーサル風景が付いている。
小澤さんが演奏前にどんな指示をオケのメンバーに出しているのかがわかり、至極興味深いものがある。
そこでは、両者はいわば汗が飛び散るような真剣勝負、「命がけ」で取り組んでいるといえる。
サイトウ・キネン・オーケストラ結成10年目、そして小澤さん還暦の年。
記念すべき演奏会であったのだ。
さあて、と(・´ω`・)
これからどういうふうに手をつけよう。リサイクルショップにめぼしいものがあればいいが。
「ブラボーOZAWA! ブラボーチャイコフスキー!」
もし、この場にいたら、わたしも興奮してそう叫んだに違いない。それほどの出来映えだと思い、聴きながらしばし胸を衝かれた。
この数ヶ月、毎日CDを聴いているが、これほどの感動はそうめったにやってこない、残念ながら。
そのディスクとは・・・、
■チャイコフスキー 交響曲第4番 ヘ短調(作品36)
■演奏 サイトウ・キネン・オーケストラ 指揮 小澤征爾(1994年9月 松本)
確信に満ちた力強い演奏で、指揮者の統率力が眼に浮かんでくる。
細かいところまで神経がゆき届き、絶妙なバランスがとれている。フォルテシモは大波となって押し寄せ、しぶきを散らすし、ピアニシモはひな鳥の羽毛がそよ風になびくよう。オーケストラの団員が一丸となって、一つのメロディー、リズム、ハーモニーに奉仕している。
とくに18分、演奏時間40%以上をしめる第一楽章は、主役=楽器がつぎつぎ交代し、受けわたされていくので、指揮者も奏者も大忙しだ。
音楽することのよろこびが、一音、一音に満ちわたっている。
惰性で脳や腕や指先が動いているのではない。「いまこの瞬間」に全力で取り組み、音楽を作り上げている。録音もとてもよい。
ステージの上に、いったい何人の奏者がいるのだろう。弦楽器はもちろん、管楽器も打楽器も、繚乱たる饗宴をくりひろげている。CDからでもそれがつたわってくるのだから、この会場にいることができたとしたら、いかばかりであったろう!
小澤さんはいままで数枚のディスクしか聴いたことがなかった。しかし、小澤のチャイコフスキーになぜ、関心を払わなかったのか!
ドイツ・オーストリア系の音楽を演奏したら、小澤さんよりすぐれた指揮者は何人もいるだろう。が、チャイコフスキーに関しては小澤さんは、現在の最高の指揮者といえるのではないか。
トランペットに圧倒されるなあ。
チャイコフスキーは管楽器の使い方が、じつにうまい。「白鳥の湖」等3大バレーを聴いたことのある人ならだれでも知っているが、チャイコフスキーは天才的なメロディー・メーカー。
亀山郁夫さんの影響で、あらためてロシア音楽に入門したので、チャイコフスキーやショスタコーヴィチなども徹底的に、浴びるように聴いてみるつもりになっている、わたしなりに。
チャイコフスキーにかぎらず、ロシア、あるいはロシア系の音楽家は管楽器、打楽器の使いどころを心得ているとおもう。華麗で驚くほど色彩豊か。
ぜんたいとしては賑やかな音楽だが、騒がしいわけではない。
ブルックナーを聴きながら寝てしまう人はいるだろうが、チャイコフスキーを聴きながらすやすや眠ってしまう人がいるとは思えない。
(左レヴァイン&ウィーンフィルによるバレー組曲、右バーンスタイン&ニューヨークフィルによるシンフォニー3枚組)
小澤征爾、秋山和慶さんを中心にしたサイトウ・キネン・オーケストラが年1回、松本でフェスティバルを開催しているのは知ってはいたが、それ以上詳しく知ろうとは考えてこなかった。
CDに付されたライナー・ノートを読んでみると、いつまでたっても初心者のわたしですら存じ上げているお名前がずらずら。
ヴィオラ:今井信子
チェロ:堤 剛
オーボエ:宮本文昭
クラリネット:カール・ライスター
この人たちは、いうまでもないが、いずれも世界屈指の名人、ソリスト。
こういった個性の際立つ実力者の集団をまとめ上げるのは容易ではないだろう。小澤さんだから出来た、ということか?
小澤征爾のチャイコフスキー。
あと数枚聴いて、わたしの直観が間違っていないかどうか、さぐってみることにしよう♪
これまでチャイコフスキーの音楽で今シーズン聴いていたのはヴァイオリン協奏曲のみ。
今季聴いた中ではリムスキー-コルサコフの「シェエラザード」が味がよかった。
多くの人が、20世紀音楽の最高傑作と評価するストラヴィンスキーの「春の祭典」には肩すかしを食らったけどね。
まあ、期待しすぎたということだろう。いままではショルティ&シカゴ響で聴いていたが、今季はゲルギエフ盤を手に入れたのだ。
(写真はいただきものですがサイズ変更しています)
(ゲルギエフ指揮ショスターコーヴィチNO..5&9とストラヴィンスキー「春の祭典」)
チャイコフスキー、甘く見ていたなあ。6番「悲愴」は中学校時代からときおり聴いてきたが、バレー音楽の座付き作者というか、劇画チックな作曲家だと思い込んでいた。
この第4番のディスクには、おまけとしてカップリング曲、リムスキー-コルサコフ「スペイン奇想曲」のリハーサル風景が付いている。
小澤さんが演奏前にどんな指示をオケのメンバーに出しているのかがわかり、至極興味深いものがある。
そこでは、両者はいわば汗が飛び散るような真剣勝負、「命がけ」で取り組んでいるといえる。
サイトウ・キネン・オーケストラ結成10年目、そして小澤さん還暦の年。
記念すべき演奏会であったのだ。
さあて、と(・´ω`・)
これからどういうふうに手をつけよう。リサイクルショップにめぼしいものがあればいいが。