すべては過ぎさり
あとには白い骨や枯葉が残る。
それらもいずれ粉々になって 土に返る。
返るところは そこしかないから。
あの人も返ったし この人も返ってしまった。
返るは 帰るに通じているな。
ウィスキーを飲みながら 昨夜もぼんやり自分の指先を見ていた。
年をとったなあ なーんて責めるつもりもなく自分を責めている。
ついこのあいだまで 真っ白い帆が想像の海のうえに浮かんでいた。
近ごろはそれも見えにくくなった。
指先までの距離が「ぼくの日常」になる日も迫っている。
だれもがこの路地を通って どこか遠くへ出ていった。
すててきた鮮やかな夢の数々が
ほら 暗い眼をしてきみのこころをのぞき込んでいる。
昨日はスズメたちがにぎやかだった。
ぼくがそこにくわわることはないけれど。
すべては過ぎさるっていうのに
波のうねりはいっこうにおさまらない。
しぶきがときおりだれかの眼の縁からこぼれ
地表に黒いしみをぽつり ぽつりと描く。
それはあの日の歓声のように
記憶の壁を激しく・・・激しくたたく。
明日もスズメたちがにぎやかだろう
ぼくがそこにくわわることはないけれど。
あとには白い骨や枯葉が残る。
それらもいずれ粉々になって 土に返る。
返るところは そこしかないから。
あの人も返ったし この人も返ってしまった。
返るは 帰るに通じているな。
ウィスキーを飲みながら 昨夜もぼんやり自分の指先を見ていた。
年をとったなあ なーんて責めるつもりもなく自分を責めている。
ついこのあいだまで 真っ白い帆が想像の海のうえに浮かんでいた。
近ごろはそれも見えにくくなった。
指先までの距離が「ぼくの日常」になる日も迫っている。
だれもがこの路地を通って どこか遠くへ出ていった。
すててきた鮮やかな夢の数々が
ほら 暗い眼をしてきみのこころをのぞき込んでいる。
昨日はスズメたちがにぎやかだった。
ぼくがそこにくわわることはないけれど。
すべては過ぎさるっていうのに
波のうねりはいっこうにおさまらない。
しぶきがときおりだれかの眼の縁からこぼれ
地表に黒いしみをぽつり ぽつりと描く。
それはあの日の歓声のように
記憶の壁を激しく・・・激しくたたく。
明日もスズメたちがにぎやかだろう
ぼくがそこにくわわることはないけれど。