GREEN NOTE

ワイルドグリーンディスカス中心のアクアリウムブログです

原種グリーンに思う

2010年01月08日 | ディスカス

今回は久しぶりに原種グリーンの記事を書こうと思います。
最近、国産コバルトの写真と記事ばかりに特化してますが、ブログタイトルにも
あるように、もともと自分は原種グリーンばかり飼育している原種愛好家でした。


上の画像は原種グリーンにのめりこんでいた頃の120水槽の様子。
この頃は毎シーズン3~4匹のグリーンを、様々なショップから購入してました。
この中で特に思い入れがあったのが画像右下のテフェ産グリーン…
数ある飼育魚の中で唯一、「若頭」というニックネームを付けていたディスカスです。


そんな若頭も飼育開始からもうすぐ5年…入荷した時のサイズが14~5センチ
だったので7~8歳くらいと推測してますが、アマゾンで生まれた原種の正確な年齢
は判りません。
上の画像はそんな若頭の今現在の様子です。
一瞬感染症!?と見まごうばかりの衰えぶりですが、病気ではありません。
ここ数ヶ月で次第に衰えてきて、現在はエサを食べる時だけ時おり体色を戻しますが、
普段は隅を陣取って、こんな感じでジッとしている事が多くなりました。
兆候が現れてきた初期にはエルバ&フラジール、高温治療なども試みたのですが
さしたる成果もなく、食も細くなってきて現在に至ります。
老衰なのかなと…自分の中では考えるようになりました。


これは2008年ディスカスコンテストでの1枚。
原種グリーン部門で優勝を頂きました。
トロフィーは今でも机の上に飾ってあります。
それまでは一人で黙々と飼育を続ける毎日でしたが、
若頭が居たからこそコンテスト参加の決意も固まり、結果何人かのディスカス愛好家
の方々との交流が生まれました。

ちょっと大げさですが…
今のアクア趣味があるのは、この原種グリーンのおかげのような気がします。


コンテストから3ヶ月くらいの画像かな…今から思えばこの頃が一番生気に溢れ、
美しく発色していた時期だったと思います。
毎日水槽を眺めるのが楽しくて仕方なかったですね。


導入当時はこんな感じで雰囲気こそあったけど、並物の域を出ないグリーンでした。

野生種を捕まえて水槽で飼育するのは良い事か…?
そう問われると、自分は言葉に詰まってしまいます。
海で漁師が捕らえた魚を食卓で食べるのとも、また違う気がします。
難しい問題ですね。

けれども、これだけは言えると思っています。
遠いアマゾンで採集され、はるばる日本の水槽にやって来た彼らを飼育する為に
勉強し、努力を積み重ねた事で彼らを知り、関心を持つことが出来たのだと…

彼らに触れる事で環境に関心を持ったり、自然の風景を捉えたくて
フィールドに写真を撮りに行ったり…
以前の自分からは考えられなかった行動です。


若頭が衰える前に何とか彼の遺伝子を残す事ができました。
お相手は改良種です。

それでも
危険の無い水槽の中で過ごし、エサに困らず、仔を育てる事ができた彼は
幸せだったのか…と聞かれたら、やはり答えはNOなのでしょうね。


遠いアマゾンからやってきた丸くて平べったい魚が、目の前で子育てをしている不思議。
ブリードを重ねるごとに無くしてしまいそうなドキドキ感ですが、
ディスカスを初めて買った時の気持ちと同様に忘れたくないと思います。


体着していた稚魚の中から育った1匹。
父親とも母親とも違うタイプの子ですが、半分は原種の血です。
ラインが出ていて、同サイズのコバルト幼魚より色が濃く、これからの青系ブリードに
夢を与えてくれそうな気がしています。
何より、一番思い入れの強かった若頭の遺伝子を残せた事が嬉しかったですね。

今現在残っている原種グリーンは残り8匹。
若いのも居れば年寄も居ますが、全て終生飼育するつもりです。
当面(少なくとも今期)は新しい原種購入を控える予定ですが、この先で原種を
購入する際にも…貴重な原種の遺伝子を残す事を念頭に置いて本当に欲しい
魚を少数だけ取り入れる事にします。

なんだか今回はセンチな話になってしまいました。
まあ、こういう話もたまには良いかなと…
それではまた。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まつ)
2010-01-09 16:04:17
こんにちは…。
今回は深いものが感じられます。まさか若頭くんが…。
自然の境遇とは違いますが、それを理解されて少しでも良い環境をを創りだす日光岩魚さんの取り組みは私の理想でもあります。
愛情もハンパなく感じます。でも、それに答えてくれるのがディスカスですよね。
愛情ある育成から若頭くんが見出され、胸鰭トラブルなどを乗り越えて日光岩魚さんにチャンピオンをプレゼント、最高の関係ですよね。
そんな若頭くんが元気がないのではツラいお気持ちではと察します。
日光岩魚さんに巡り逢えてきっと幸せなお魚さん達だと思います。自分勝手な解釈をお許し下さい。
これからもディスカスを愛して行きたいですね。
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Unknown (たかあき)
2010-01-09 20:13:49
来るべき時が近づいてきたって感じですね。でもこればっかりは仕方ないこと!・・・って分かってはいてもね~ 輝いている瞬間を見てるだけに悲しいっていうか寂しくなる感じでしょうか!? ウチもここ数年で同じ思いを何度もして来ましたから分かるような気がします。

ただ、病気と違って「突然」じゃないのが救いですよね。この状態で2カ月3カ月半年と心の準備ができるだけマシでしょうか!?

ホント色々な意味で日光岩魚さんにとって思い出深い「若頭くん」なので1日でも長く一緒に過ごして欲しいです。

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Unknown (阿波)
2010-01-09 21:46:58
若頭君! 私は 幸せだと思いますよ
だって こんなに愛情イッパイ育てて貰ったんだもん
そりゃ~野生種を って問題は どうしても
付き纏うんですが 真剣に飼ってる人はいいんです!
と 思いたいです 
終生飼育! これだけは 守りたいし 守らなきゃ ですよね
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Unknown (日光岩魚)
2010-01-10 03:07:25
まつさん
ありがとうございます。
きっと、ディスカス飼育をされている方でしたら
誰もが思い入れの強い1匹が出てくるのでしょうね。
若頭は、そんな自分の思い入れの1匹ですが、
原種の良い面、難しい面を教えてくれた魚でもあります。
1匹の魚の一生として考えた場合、若頭が幸せだったと
言えるのかどうか、自分には解りませんが
食用ではなく飼育の為に買ったのであれば自分の水槽で
少しでも良い環境を与えてあげたい…
その気持ちは忘れたくないですよね。
何だかまつさんのコメントのおかげで元気が出てきました。
ありがとうございます!

たかあきさん
ありがとうございます。
たかあきさんのジャプラの時もそうだったと思いますが、
やはり思い入れの強い魚は堪えます。
うちも原種グリーンは老魚が増えつつあるので
きっとこれからこういう事が続くのでしょうが
最後まで飼いきってあげたいですね。
たかあきさんのおっしゃる通り、病気と違って
何ヶ月も時間がありましたから、気持ちの準備はできています。
1日でも長生き出来るように手を抜かず管理してあげようと思います。

阿波さん
ありがとうございます。
そう言っていただけると少し気持ちになれます。
自分は繁殖もやるので、奇形を淘汰したり、ある程度のサイズで残す魚以外は里子に出したりもしますが、
原種の場合はやはり終生飼育を心がけるようにしたいと思います。
遠いアマゾンで暮らしていた魚をわざわざ捕まえて
日本まで連れて来たのですから…ね!
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Unknown (dai8682)
2010-01-11 00:32:00
こちらではご無沙汰しています(^^ゞ
日光さんの書いていらっしゃることは、まさしくその通りだと思います

ですが一番強く感じたのは、日光さんにしろ、たかあきさんにしろ
ピークを過ぎた個体の現実を写真と記事にしているところです
ある意味、勇気のいることだと思います
それは最期の時までしっかり飼育していくアクアリストのあるべき姿を感じます

私のところでも昨年老いて最期を迎えた個体も数匹いました
いまなお、老いて最期の時を迎えようとしている個体もいます
しっかり飼育して最期の時を真正面から受け止めて看取ってやりたいです
それらの個体と共に過ごした飼育の日々を、今居る個体の飼育へ何らかの形で
次に受け継いで行きたいと、今回の記事を読んで感じました

ちょっとしんみりしたコメントになりましたが、昨年と変わらぬお付き合いを
よろしくお願いまーす!(^^)/~~
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Unknown (日光岩魚)
2010-01-11 22:26:47
dai8682さん
こちらこそ今年も変わらぬお付き合い、
よろしくお願いしますね。

dai8682さんの所もだいぶ飼育歴の長いグリーンが
増えてきてますよね。
ディスカスってピークを過ぎてこういう状態に
なってから結構長いですから、
それまであった、いろいろな飼育の場面を思い出します。
思えば、dai8682さんと原種グリーンを通じて
知り合った頃は自分が一番夢中になってた時でした。
飼育もコミュニケーションも、毎日が楽しかったですね。
お互いに魚は年を取ってきてしまいましたが
自分もdai8682さん同様に、これまでの日々を
残った魚たちに受け継ぎたいと思います。

あっそうそう、また風景写真が溜まってきたので
そのうち、勝手に送らせていただきます~。
押し付けみたいですみませんが(笑)
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