俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「グリーン・ゾーン」  GREEN ZONE

2010年05月15日 21時17分16秒 | 時系列でご覧ください

『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』で良い仕事を見せてくれたマット・デイモンとポール・グリーングラス監督が、三度合い見えタッグを組んだ期待のサスペンス・アクション。

冒頭のアメリカ軍の空爆から逃げ惑うフセインの側近の軍関係者の姿を手持ちカメラによるブレブレ映像によって捉える臨場感ある演出は、その後の大量破壊兵器捜索のシーンまで一気呵成に見せてくれて、さすがポール・グリーングラスらしい小気味良さを強く感じる。

加えて終盤のイラク戦争開始の大義名分となった捏造情報の証拠を握るイラクの将軍の身柄を確保しようとするデイモン扮する主人公と、将軍を殺そうとする特殊部隊の少佐、そして自身の国の将来を憂うイラン人といった三者三様の三つ巴の追跡戦もまた圧巻。



といった具合に、単なるアクション映画としてはそれなりに良く出来ているけれど、如何せんありもしない大量破壊兵器を探すため軍を侵攻させたアメリカのネオコンによるイラク戦争の顛末は今や周知の事実となっているのに、その話が物語の骨格となっているところに、「今になって何故?」といった疑問とともに何とも言えないもどかしさを感じてしまう。



そして一般のイラク国民が水を求めている中、グリーンゾーンと呼ばれるエリア内ではプールで水ジャブジャブといった描写などこの戦争に対する辛辣さが全体的に込められていると思うけれど、ただ結果的に主人公の通訳となるイラク人青年に対する描き方がどこかお節介というか、製作者側(というか、アメリカの良心?)の勝手な思い入れが先走っているように感じてしまい、ちょいと納得がいかなかったりもしたのだ。



とは言え、そんな風に時機は逸したとはいえ、こうした志しを持ちつつ商業映画として成り立たせる気持ちに対してはやはり拍手を送りたいし、いろんな意味で “ ボーンシリーズ @ 戦場 ” あるいはエンタメな “ ハート・ロッカー ” として観る分にもアリだと思うので、機会があれば是非!



今日の1曲 “ Epitaph ” :  King Crimson

ご存知1969年にリリースされ大ヒットした『クリムゾン・キングの宮殿(In The Court Of The Crimson King)』に収録されているこの曲が映画を見た後何故か頭の中をグルグル。
ちなみに正式なタイトルは「エピタフ(墓碑銘) Epitaph including March For No Reason and Tomorrow And Tomorrow」だったりしますのじゃ。



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1 コメント

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TBありがとうございました (シムウナ)
2010-12-30 02:11:08
TB有難うございました。
ジェイソン・ボーンシリーズの監督と主演
ということでかなりの期待を持ったのですが
自分にはイマイチでした。しかし、アメリカが
この題材をそして真相を描いたには
感服します。

今度訪れた際には、ブログ記事の冒頭に、
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映画の評価をお願いします(5段階評価)とあって、
☆が5つ並んでいますが、その☆の1つ目~5つ目の
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