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「ザ・タウン」 THE TOWN


舞台は銀行強盗発生率が全米一高い街と言われるボストン、チャールズタウン。
そんな犯罪多発地帯で生まれ育ち、父親と同様に強盗を生業として暮らしていた男が、銀行強盗をきっかけに出会った女性と恋に落ち、やがて新しい自分に生まれ変わるべく、この「街」を出て行こうとする姿を描いたチャック・ホーガン原作の「強盗こそ、われらが宿命(さだめ)」を映画化した骨太なクライムアクション作。



街を出ようと思い続けながら、結局果たせず閉塞感に苛まれていた男に芽生える希望という新たなる道…。
とにかく「無理が通れば道理が引っ込む」とでも言うべきか、かつて自分の命を黙って救ってくれ、しかもその妹と付き合っていたといった具合になくてはならない存在である親友と、自らの希望を託すことができる新たに出会った恋人、そんな二人との板挟みに苦しむその姿は、任侠映画の傑作「総長賭博」(監督・山下耕作 / 脚本・笠原和夫)での鶴田浩二と若山富三郎、そして藤純子が見せた義理と人情の世界すらうっすらと思い出させ(と言ったら褒め過ぎ?)、そのとてもよく練られたシチュエーション設定に思わず心情移入。



加えて何度か展開される銀行強盗や現金強奪のシーンでのスピーディでかつ緊張感に満ち満ちていた演出にはある種の爽快感とハラハラドキドキ感を存分堪能させてくれたし、妙に意味深なマスクをはじめ小道具の使い方にも見事に意匠が凝らされていたし、有りがちとは言え、思わずにやりとさせられるキーワードに使い方や、死に行く者への思い入れの描き方まで、何とも良く出来た映画だったのであります。



そしてこれが2作目となる演出と同時に主役を演じていたベン・アフレックはもちろんのこと、アカデミーにノミネートも納得のジェレミー・レナーをはじめレベッカ・ホール、ジョン・ハム、クリス・クーパー、などなど決して派手なキャスティングではないものの、それぞれの演技っぷりもお見事。



ただ、惜しむらくはラストの展開。
これが2010年代の解釈なのか、はたまたやっぱりハリウッドということなのか?

ともかく、ちゃんとしたクライムムーヴィーとしてかなりオススメであります。
機会があれば是非!



P.S.
映画の中で花屋のファーギ―を憎々しく演じてくれていたものの1月4日にがんで亡くなったイギリスの名優ピート・ポスルスウェイトに合掌。享年64歳という若さでした。




今日の1曲 “ More Than A Feeling ” : Boston 

ボストンと言えばやっぱりこれでしょう。
と映画とは全然に似つかわしくないものの(ス、スマン)、思わずチョイスしてしまったのがこの曲であります。





コメント ( 2 ) | Trackback ( 27 )
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コメント
 
 
 
BOSTON (SPJ)
2011-02-10 16:18:53
大好きです。
一応プロモーションの為にバンドを組んでツアーとかしてたらしいけどスタジオ録音ではヴォーカル以外のほぼ全ての楽器をトム・シュルツ一人で演奏してたそうです。
あの深みのあるギターの多重録音は尋常な作業じゃないらしく、M.I.T卒のバリバリのエンジニアだったトム・シュルツだからこそ成し得たことですね。
商業的には90年代に発表されたアルバム、サード・ステージからシングルカットされたアマンダが大ヒットしましたが、個人的にはファーストとドント・ルック・バックの2枚のアルバムが最高です。
 
 
 
◇ SPJ さんへ (nikidasu)
2011-02-13 20:00:27
なるほど、さすがに詳しいですね。
ってか、守備範囲、広すぎ!

ちなみにボストンそのものはあの当時まったく興味がなかったので、
この曲も完全に後追いだったりします。
でも、だけど、しかし、大好きな曲だったりしますのじゃ。
 
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