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「ジェネラル・ルージュの凱旋」

ミステリーとしてみると、先の展開が早いうちから読めてしまいシリーズ前作である「チームバチスタの栄光」に比べドラマとしての面白味には欠けていたけれど、医療現場の現実という社会性をもったテーマをエンタテイメントと両立させて描いていたという点では評価されるべき一作。

今回の舞台となるのは救急救命の現場。
人の命を救うという医療の最前線であるにも係わらず病院経営という視点から苛酷な環境におかれている現実。
心臓マッサージを1時間必死に続けることに対する対価やガーゼひとつの経費の扱われ方、あるいは各科によるテリトリー主義やはたまたタクシー代わりに救急車を使う患者といったリアリティある描写は現役医師の原作者である海堂尊ならではで説得力充分。



「倫理と経済面の二律背反」と語られることの多い現在の医療システムにおいて、その認識があったとしてもここまで『救急医療』と『病院経営』が対立しているとは思いもよらず、救急患者の受付拒否といった社会問題の背景もここから見えてきたのだ。

そしてそうした矛盾を集約したかのように描かれる大惨事の中治療の優先順位で治療不可能を意味する黒をつけられたけが人の家族が「何故?」と懇願する中「黒は正しい判断」と山本太郎扮する医者が断言せざるを得ないシーンには本当に心が痛んだ。



それにしても今回、救急救命センター長である速水に扮した堺雅人の今後どうするんだろうと思うほどの熱演振りは間違いなく大きな存在感を持ってグダグダなレギュラーコンビとの対比も鮮やかに作品そのものを見事に締めてくれていて拍手。
かつて日テレの深夜番組「フライデーTVラボ 恋愛新党」でも大いにアジっていたけれど、こういった話っぷりは本当にうまい人であります。

ともかく前作との関連はさほど濃くなく、手馴れたエンタテイメント作品としても充分楽しむことが出来るので、普通にオススメであります。



今日の1曲 “ Good Year For The Roses ” : Elvis Costello

オープニングのちょっとジャージーなクリスマスソングがとても良かったのに、エンドロールで流れる曲にはがっくり。
何故日本映画はこんなタイアップしなきゃならないのかいつもながら全く持って理解不能。
ということで、コステロによる1981年にリリースされたナッシュビル録音のカントリーカバー集『 Almost Blue 』からルージュ繋がりでこの曲を。

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