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ラストラン


時は1996年7月4日、ウィンブルドン選手権女子シングルス準決勝、当時世界ランキングで4位までのぼりつめた伊達公子選手は絶対女王として君臨していたシュテフィ・グラフと対戦し、第1セットをグラフが 6-2 で先取した後、第2セットを伊達が 6-2 で奪い返して1セット・オールになったところで試合が日没順延となり、最終第3セットは7月5日の(現地時間)午前11時に持ち越された。

そして再開された第3セットをグラフが 6-3 で奪い、伊達は残念ながら決勝に進むことは出来なかったけれど、この第3セットの模様は、日本には午後7時のNHKニュースの時間を返上して生中継され、とにかく2日間にわたって繰り広げられた手に汗握る試合展開でとても印象深い試合だったのでありました。
※伊達選手のその時の心情は → コチラ に詳しく書かれています。ご一読を。

あれから21年、そんなクルム伊達公子選手が正式に引退することを表明した。



そしてちょうどその試合が行われた前後に、たまたま東京で友達と食事をした後、タクシーに乗り込み運転手さんに柄にもなく 「 東京タワーの見える場所までお願いします 」 と言ってしまったことがあった。

今から思うと相当に照れ臭い話なんだけど、海外に長く住んでいて久しぶりに会った友人との再会が嬉しかったこともあり、そんな昂揚感の中から思わず出た言葉だったわけだけど、それを聞いた初老の運転手さん、最初は怪訝な顔をしていたものの、あれこれ話しているうちに面白がってくれて会話も弾み、今となってはどこをどう走ったかは定かではないものの、坂を登りきったところから見えてきた東京タワーはそれまで見たものより断然輝いていたものでした。

そしてそのあとそのまましばらく走ってもらい、料金を払おうとしたとき運転手さんから 「 実は今日の24時で、長かったタクシー人生も終わるんです。そしてそんな最後にお客さんみたいな人を乗せて本当に楽しかったし、良い締めくくりになりました 」 と言ってもらい、恐縮するというか、こちらこそそんな大切なひと時を共に過ごすことが出来感謝感激だったのでありました。


思えば、もっきりやの平賀さんが言うようにいつしか人生の第4コーナーを廻り、直線コースに入った今、どんなラストランとなるかはわからないけれど、悔いなく過ぎて行ければいいなと思う、そんな夏の終わりの夕方なのであります。



今日の1曲 “ The Long Run ” :

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
惹きつけの法則 (庶民)
2017-08-31 00:06:05
二木さんには惹きつけの潜在能力があるのではないでしょうか、と勝手に思っています。
知らず知らずに人を魅了してる、危険を回避してる、グッドタイミングに居合わせる。
そういう力のある人は病気が治ったから、あれしよう、これ食べに行こうってイメージしてたら良いみたいです。The Secret って本が10年以上前、ブームになりました。
 
 
 
ラストは (ぽこ)
2017-08-31 19:50:17
ロングロングランでお願いします。
 
 
 
もう一周 (丸太)
2017-09-01 11:26:59
試合中に「結婚してぇ」と叫んだばか者に対し、グラフは「お金持ってるぅ」とジョークで和ませた試合ですよね。
試合後、グラフはインタビューで日没順延にならなければ負けていたと語った試合。
伊達はクールなコメントをしているが、内面は悔しさいっぱいで、これが心の片隅に残っちまい、もう一度テニス人生を送ったのではないかと自分勝手に思っています。
第4コーナーを廻り、直線コースですが、もう一周どうですか。
 
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