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「ゴーン・ベイビー・ゴーン」 GONE BABY GONE


ボストンを舞台に、少女誘拐事件の捜査を手伝うこととなった私立探偵コンビ、パトリックとアンジーを主人公に、事件の背後に広がる現代アメリカ社会の深い闇に直面して葛藤と苦悩を抱え込んでいくさまを痛切に描いたデニス・レヘインの『愛しき者はすべて去りゆく』が、先日「ザ・タウン」を観て深く感銘を受けたベン・アフレックの手によって先に初監督として映画化されていると知って、早速 TSUTAYA からブルーレィ・ディスクを借りてきて鑑賞。
そして、これが初めての監督作品とは思えないその卓越した演出に驚愕。


話そのものは同じ原作者の映画化作品である「ミスティック・リバー」同様、決して口当たりの良いものではない。
一人の少女の誘拐事件をめぐって主人公二人が二人組のベテラン刑事とともに事件を捜査していく前半こそどちらかというとありきたりのサスペンスドラマなのだけど、物語が核心に触れ始める後半からは児童虐待、小児性愛、ドラッグなど様々な社会的背景や要素が絡まりつつ、その奥底に突きつけられるテーマは深くて重い。


と同時に古参警部に扮するモーガン・フリーマンが発する「30年たてばもう少し世の中が見えてくる」という言葉に聞く耳を持たない監督の実の弟であるケイシー・アフレック扮する青臭い正義感を持った若者がやがて『現実』知るラストにしみじみ。

そしてミシェル・モナハン、エド・ハリス、モーガン・フリーマンといったメインキャストの見事な芸達者ぶりに加え、かつて「ストリート・オブ・ファイヤー」で小気味のいい女兵士を演じていたあのエイミー・ライアンのアカデミー助演女優賞本命と言われていた演技にも思わず納得。


それにしても「ザ・タウン」同様、自らの故郷であるボストンの街の荒んだ風景や生活感ある部屋の様子や人々の在りようなどなど、そのリアルさを感じる演出、さらには徹底的に抑制の効いたトーン、やはりこのベン・アフレック(一部ではクリント・イーストウッドの後継者とまで言われているそうだけど)、只者ではないことを確信。

そして当分はボストンから逃れられないであろうこの監督が、同じボストンの街で活躍する故ロバート・B・パーカーによる私立探偵スペンサー・シリーズを撮ったらいったいどんな仕上がりとなるのか是非とも見てみたくなったのだ。


ま、それはともかく、日本では何故に劇場公開しなかったのか配給会社の見識を大きく疑う傑作であります。
DVDスルー作品ながら、というか、だからなのかレンタル店にはちゃんと在庫があるようなので、機会があれば是非!
かなり、かなりオススメであります。




今日の1曲 “ Drive ” : THE CARS

ボストン出身のバンドと言えば、ボストン、エアロスミス、エクストリーム、J・ガイルズ・バンドなどと並んで有名どころと言えばこのカーズ。
ということで、力いっぱいメジャーなこの曲を



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (はむちゃん)
2011-02-19 19:56:41
デニス レヘイン、キャロル オコンネルとか大好きです、すてきな情報ありがとうございます!
つたやで早速借りて観ます。
 
 
 
◇はむちゃんさんへ (nikidasu)
2011-02-20 11:12:59
実はこの映画のデニス・レヘインの原作は未読です。
多分、原作に比べるとミステリー部分の比重が映画では少ないような気がします。
ともあれ、機会があれば是非感想をお聞かせください。
 
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