俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「オール・アバウト・マイ・マザー 」  ALL ABOUT MY MOTHER

2007年07月20日 23時51分30秒 | 時系列でご覧ください
本当は「ボルベール <帰郷>」を観に出かけたのに、行ったシネコンは何故か今日だけ夜の最後の回がなく、トホホ。
で、ならばと同じアルモドバル作品で未見な今作のDVDで借りて自宅観賞。



簡単に言えば、ほとんど女性ばかりの登場人物による女性の、女性による、女性のための人生賛歌。
とにかく母親の子供に対する愛情、女性としての一途な愛、そして女性同士の強い絆で結ばれた友情が、何とも優しい眼差しのもと決して深刻すぎることなく描かれていて、その力の入り加減が本当にお見事で、すっかり魅せられてしまった。



とにかく、監督がジーナ・ローランズやロミー・シュナイダーとイメージを重ねたというアルゼンチンの名優、セシリア・ロスはもちろん、60年代から70年代にかけて舞台やテレビで活躍していたというマリサ・パレデス、そしてめちゃくちゃキュートなペネロペ・クルス、さらには「トランス・アメリカ」でのフェリシティ・ハフマンの先を行っていたんだなと実感の女性でありながら性同一障害の男に扮するアントニア・サン・フアンなどなど(あっ、そういえば セシリア・ロスの同僚を演じた女性やペネロペの母親役の女性も!)、出てくる女性、出てくる女性すべてがそれぞれが何とも魅力的! それだけで堪りませーん。



加えてカサヴェテスの「オープニングナイト」にオマージュを捧げながら、劇中劇では「欲望という名の電車」を、設定の中では「イブの総て」を、あるいは会話の中では「百万長者と結婚する方法」が出てきたりと、ペドロ・アルモドバル監督のシネマディクトぶりにも思わずニヤニヤ。

ともあれ「バッド・エデュケーション」は、いささか期待はずれだっただけど、これでやはり再度「ボルベール <帰郷>」を観にいかなくてはと強く思ってしまったのだ。


それにしてもこんな感じ↑で女性に囲まれるというのは、単純に羨ましかったりして(笑)
ただ、ペドロ・アルモドバル監督、ご存知のように彼はゲイですから、残~念~!(古っ)


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5 コメント

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アルモドバル (アカショウビン)
2007-07-21 11:38:20
 小生は実はペネロペ・クロスの隠れファンなのです(笑)。彼女の姿が観たくてアルモドバルの作品を昨年か一昨年、何本か集中して見ました。タイトル作品はDVDで。監督の評価は週刊誌で中野 翠さんが推薦していたので、まぁ、観てみようか、というので観て納得しました。流石に中野 翠、眼力に狂いはなかった。いい映画作家だと思いました。
 スペインには映画監督に限らず時に凄い人が出ますね。私は映画作家ではビクトル・エリセが好きです。「ミツバチのささやき」には驚愕しました。アルモドバルは、その後輩にあたる年齢だと思います。
 
◇アカショウビンさん (nikidasu)
2007-07-21 12:10:28
まだミニシアターなんてほとんど存在しなかった時代、
フランス映画社がBOWシリーズと題してさまざまな作品
を紹介し始めた頃、少しだけそのお手伝いをしていたこと
があって、そんな中「ミツバチのささやき」はやはりアナ・
トレントの無垢な可愛さを含めて大いに印象に残っている
作品です。
それにしても10年に1本しか映画を撮らないビクトル・
エリセ、新作は登場するのでしょうか?
エリセの新作 (アカショウビン)
2007-07-21 22:27:26
 是非、最新情報を知りたいものです。私も検索してみようと思います。
Unknown (ちえぞ)
2007-07-24 01:23:56
この映画のペネロペは
涙が出ちゃうくらいかわいい、
ホントお人形みたいで。
(一緒にしていいかわからんが、
 「初めてのお買い物」とか
 かわいい過ぎると見てて涙、出ません?)

この映画、女子なわたとしては、
すべての出演者に感情移入できちゃって
観るたんびに号泣しちゃう、
ある意味”鬼の目にも涙”!?な映画なんす。

で、この映画の良さが解るか否かは、
その人の女子度が計られる気がしてまして、
そゆ意味で、この映画に魅せられたってとこに、
さすがは女友達の多いニキダス!て思いました。
◇ちえぞさん (nikidasu)
2007-07-24 08:47:24
ほめてくれてるんだか微妙な(笑)コメント
ありがとう。
その人の女子度が計れるという発想が良いなあ。
勉強になりますわ。

それにしてもこの1本だけでOKかも知れない
と思うほど本当にペネロペは可愛かったよね。

親爺的には「愛されるために、ここにいる」に
すっかり感情移入してしまったりしています。
機会があれば是非。

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