来年の北陸新幹線金沢開業を見越して、多くのメディアがこぞって金沢特集を組み、そしてそうした流れに合わせて、この街では駅前中心にこれまで以上に飲食店が次々と登場している。
もちろんそうした世の中の流れというのは、なるようにしかならないだろうし、例えそれが行政が心配するように一過性で終わったとしても、それはそれでしょうがないと思う。
ただ逆に言えば仮にそうした 「 金沢ブーム 」 なるものが、もし起こるとするならば、そんなものは、とっとと終わってしまってもらい、以前どおりの変わらぬ金沢で在り続けて欲しいと切に思う今日この頃。
と、まあ何故か前置きが長くなってしまったけれど、それはさておき、馴染みの店というのは、やはり落ち着くものだ。
加えて、訪ねる回を重ねるごとに、その店の味わいが身体に沁み込み、そうするとちょっとした変化に時折り気づくことがあり、それはそれで勝手に楽しかったりもする。
そんな中、毎度おなじみの藤井さんのところで先日頂いた蕎麦の、そのいつにも増しての美味しさに、思わず感動してしまったのだ。
思えば、あれは5月のこと。
ブラッドラインのライヴの後は、ちょこっとつまみながらの蕎麦屋飲み。
そして〆の蕎麦の旨さに思わず、そのことを藤井くんに伝えると、
「 やれば出来る蕎麦屋だと書いといてください 」 とのこと(笑)
と Facebook に書き込んだことがあったけれど、
今回頂いた、敢えて少し不揃い気味に細打ちされた粗挽きそばもまた、その時に勝ると劣らないそれはそれは見事な出来上がりで、まさに 「 やれば出来る! 」(笑)会心の一麺だったのであります。
そして聞くところによると、こんな風な蕎麦を…、という依頼があって、たまたまこの日は用意してあったそうで、こんなことがあるから、やはり常日頃の店通いはやめられないのだ。
加えて今回、藤井さんとこでは今シーズン初めてとなる鴨は、定番の 「 鴨せいろ 」 ではなく、敢えて 「 鴨つくねせいろ 」 で注文したのだけど、これがまた蕎麦と実に合うこと合うこと。
何もつけずに蕎麦だけでも十分美味しいのだけど、鴨の旨みたっぷりな汁と合わせると、これがまたびっくりするほど旨くて、く~~~っ! いやはや堪りませんのじゃ。
ということで、こうした会心のそばに出会うべく、せっせと好みの店に通うことを改めてオススメしたい冷たい雨降る夜なのであります。
それにしても、最近のこの街の浮ついた感は、いやはや何ともで、いささかウ~ムです。
今日の1曲 “ Have You Heard ” : Mick Taylor & John Mayall
素人時代にエリック・クラプトンが欠場したブルースブレイカーズのライブに客席から飛び入りし、クラプトンのギターを完全にコピーしてみせたという伝説を持つミック・テイラー。
そんな彼の1983年に行われたリユニオンコンサートから、やはりこの曲を…
ブレイク寸前の金沢?小生もちょいと苦々しく眺めています。金沢人らしく「おくゆかしく」「つつましく」そしてなにより「さりげなく」やれんもんですかねぇ。