縄張り争い? カワセミの川のほとりの雑木林に入って間もなくのこと。「ホーホケキョ」「ホ、ホケキョ、ケキョ」とやりあっている。どこかおかしい…。この位置から、川に沿って、神社下の公園の入り口まで約2キロ。ここ数日歩いて、だいたい、その間、4か所でウグイスたちが練習しているのが分かっている。そこにもう一羽参入してきた?
よく耳を澄まして聴いていると…。なるほど、なるほど。誰かの口笛。上手いもんだ、先生としてなかなかのもの。しかし、ケキョのとこが一回しか出ない。そこは本物のほうがずっと上。別なオスが自分のテリトリーに入ってくれば、たとえ歌い方がへたくそとはいえ、自己主張をするだろう。そんな習性を使って輪唱している。ユーモアというのだろうか、先生頑張って。
オッ? もしや…。まさか、あの飛び方。斥候か? ムクドリたちのように集団ではない。セグロセキレイたちのような飛翔でない。紙飛行機が飛ぶような無理のないスムーズな軌跡。どう見てもツバメ。遊水池を過ぎ、神社下の公園が向こうに見えたころ、一羽川の上を飛んでいる。あれ、早くないかなぁ。去年のノートに確か書いておいた、つもり…。載っていない。
ちょうど陽が昇ると、鳥たちの恋の季節か子供たちの訓練の時期、川の辺りは賑やかになる。カワセミ、あっちで呼べばこっちが答える。こっちが呼べば…。呼び声が右に左に。スズメは三羽、四羽で土手の上を転げまわり。カワラヒワはやぶの中、ガサガサ、ごそごそ。神社では、アカゲラ、ドラミング。ちょっとこい、ちょっとこいとコジュケイが向こうの林から呼んでる。ラジオのイヤフォンを外し、鳥たちの声に耳を傾ける。そっか、応援歌、応援歌でもあるんだ。
≪空高く 二羽のヒバリの 歌合戦≫
今日の一枚:いけない癖だ。桜や梅だと上を向いてばかりいたら、タンポポがこんなにきれいに咲いていた。家の近くの歩道にて。
これは小五郎の家の近くの桜。カワセミの川の対岸で、花見の準備が整ってきた。
≪花を待つ 提灯の列 風に揺れ≫