虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

絵が好きな子にどんなことをしてあげるといいでしょう?

2015-12-27 19:47:58 | 子どもの個性と学習タイプ

★くんは、絵が大好きな5歳の男の子です。
教室に来ると必ずといっていいほど、絵を描きたがります。
前回のレッスンでは、水彩絵の具を使わせてあげると、とても喜んでいました。

子どもが絵を描くのが大好きだと、
「上達させるために何をしてあげられるかな?」「絵画教室を探そうかな?」と
悩んでしまいますよね。

子どもが何かに喜んで熱中しているとき、そうした親側のあせりは禁物です。

すぐに何か教えたり、習わせる前に、子どもの姿をよく観察すると、
今の「大好き」を起点にして、さまざまな方向に伸びていく可能性が
見えてくるからです。
とにかく急いで、既存の枠にはめてしまうと、
他の可能性を遮断してしまうかもしれません。

★くんは、絵に熱中する前まで、積み木で日本のお城を作ることを
繰り返していました。
正確に高さをそろえたり、橋の形通り再現したりするのを喜んでいました。

几帳面な性質で建造物への興味が強い子ですから、<今の「絵が好き」から、設計図を描いたり、見たりすることや、
地図を描いたり、地図の見方を学んだりすることにつながるかもしれません。

また、5歳以降は、
「こうしたい」という自分の工作のイメージが、
動きのあるものや、磁石や滑車などの科学的な知識を取り入れたもの、
展開図などの算数の知識を取り入れたものに変化していく時期ですから、
この時期の描いたり作ったりの作業を、
「上手に絵を描く技術を身につける」という大人の決めた枠の中に押し込めて しまうのはもったいない気がするのです。 ★くんは絵が大好きで、しょっちゅう絵を描きたがります。

描くことに抵抗がない子は、 算数の文章題を絵を描いて解いていくよう教えると、
算数好きになることがよくあります。
頭脳パズルの作って解くことも楽しめます。

絵=絵画教室で習うもの
絵=絵を上達させなくては……とあせりさえしなければ、

さまざまな方向に可能性を広げつつ、絵も上手になっていくことができるのです。

それには「タイミング」が大事です。
親だけが少しでも早く、「上達させたい」と願ってみても逆効果!
今、子どもが家で、ただただ、らくがきするのを楽しんでいるなら、
それを最優先にして、同時に子どもをよく観察するといいですよね。

たとえば、
「絵として他人から見て上手に描けるわけじゃないけど、
絵を描くのが好き」という子がいたとします。

その子に、自然に、ちょうど良い刺激を与えつつ、描きたいときにたっぷり描ける環境を用意してあげると、

算数の文章題を解いたり、地図や頭脳パズルを作ったりすることを楽しみつつ、
絵も少しずつ上達するかもしれません。
けれども、 上手にさせようとして、急いで絵を習わせたり、描き方を教えたりすると、 「自分は上手ではないな」とコンプレックスを抱いて、それ以降、描くことを楽しまなくなるかもしれません。
そうなると、せっかく描くことを通して、親しめたかもしれないさまざまな可能性が消えてしまいますよね。ピアノを習って、音楽嫌いになった子の話はたくさん聞くのです。
習い事が悪いわけではないのですが、急くのはよくありません。

子どもの適性をよく見て、先のさまざまな可能性も把握して、
子どもの心に響く対応をするのが良いと思うのです。

『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』相良敦子
の著書のなかで、こんな話が取り上げられていました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
幼稚園の教育実習に行ったふたりの学生の報告です。
お芋堀りのときのこと。Aちゃんは、お芋を掘ることよりも、土を掘りながら別のことを楽しんでいるようでした。
「ねぇ、先生、どんどん掘っていくと、下の方は冷たいよ」
実習生のIさんは、とっさに「どうして冷たいかわかる?」とたずねました。
「わからない」とAちゃんが応えたので、Iさんはどうして冷たいのか理由を説明してあげたそうです。

もうひとりの実習生Fさんは、Bちゃんに「先生、とてもいいこと教えてあげる」と連れられていきました。
そこは滑り台の下の砂場でした。「先生、つーめたいでしょ」
Fさんが砂に手を入れて冷たさを味わっていると、
Bちゃんは、さんさんと日が照っている砂場にFさんを連れて行き、「先生、あったかいよ~」と言ったそうです。園庭に冷たい砂と温かい砂があることを発見し、それを宝物のように教えてくれたのです。
Fさんは感激し、Bちゃんと何度も2つの砂場を往復し、心ゆくまで砂の感触を楽しんだそうです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前のIさんの報告に、著者の相良敦子さんは、「なんとやぼな対応でしょう」
と感想を述べています。
Fさんについては、「Fさんは、やがて幼稚園の先生となりましたが、子どもとともに感じ、発見から発見へ、工夫から工夫へと進んでいくすばらしい先生になりました」と報告しています。

子どもが何かに夢中になっているとき、その子のなかで、
さまざまな気づきや喜びや発見が渦巻いています。
感覚が敏感な時期の子には、その時期特有の学び方があります。

そのとき、多くの親御さんは、何か目に見える進歩が欲しくなって相良さんが「なんとやぼな対応でしょう」と嘆かれているような対応をしがちです。

「教えたい」「進歩させたい」「今すぐ結果を見たい」と急いて、
先の大きな成長をつぶしてしまわないように、次のふたつのことが大事です。

★子どもの今の発見や喜びに共感する。

★その子その子の個性と発達の段階を良く見て可能性をつかんでおいて、
ちょうど良い「タイミング」で、(ほとんどは子どもからの求めに応じて)新しい遊び(新しい学習)に誘う。

 



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虹色オンライン教材についてのお知らせ

2015-12-27 17:56:47 | 虹色オンライン教材

「虹色オンライン教材」
動画のメンテナンス作業が完了しました。
ご購入いただいた方々には
大変ご迷惑をおかけしました。

ご購入を検討されている方へ
サンプルページはこちらです↓
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ロボット化する子どもたち 

2015-12-27 08:15:21 | 連絡事項

 『ロボット化する子どもたち 「学び」の認知科学(渡部信一/大修館書店)』

を読みました。

今年読んだ本の中で一番のヒットです。

 

本の表紙に印刷された言葉。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

指示されたことはできるが、自分の判断で行動できない子ども。

学習意欲をなくし、ニート化する若者たち。

いま、子どもや若者がロボット化している。正しい知識を簡単なものから

一歩一歩積み上げていく。このような教育の常識は本当に正しかったのだろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ロボット開発と同じような行き詰りが、現在、子どもや若者の教育において

起こっている。」

と現在の教育のあり方に警鐘を鳴らす著者の渡部信一先生。

20数年前に、脳科学に興味を持って脳損傷の患者さんと日々接していた頃の渡部先生は、

脳の解明が人間の知的活動の解明につながると信じていたそうです。

しかし後に「自閉症」の子らとつきあうようになって、その考えは根本から

くつがえされたのだとか。

 

「人間(特に子ども)は、脳に効率よく正しいとされる知識を蓄積しただけでは

何も成長しない」ということに気づいたのです。

 

『ロボット化する子どもたち』という本の中にこんな話がありました。

 

何かを教え込んで知識や技術を習得させていくだけなら、おそらく人間に教えるよりも

ロボットに教える方がはるかに覚えがよく優秀なはずです。

 

でもロボットを人間に近づけるために、

ロボットにさせたいことをひとつひとつ系統的にプログラムしていっても、

これまでロボットが人間に近づくことはできませんでした。

 

次に何が起こるかわからないケースに対して

1対1対応的にどんなにがんばってプログラムを組んでも、ロボットはあいまいで複雑な

日常の中で動けなくなってしまうのです。

 

一方、人間はコンピューターよりかなり劣るはずの記憶能力や情報処理能力を使って

無限ともいえるほど膨大な量の情報をうまく切り盛りしています。

 

それはなぜかというと、人間が周囲にある無限の情報の中から自分にとって

必要な情報だけ切り取ってくる「フレーム」を持つことができ、

その部分的な情報だけであたかもうまくやっているように振る舞えることができるからなのだ

そうです。

 

ロボットの研究は、「あいまいで複雑な日常の中で何か行動を起こすとき、

その行動に関係のある情報と無関係な情報とを、どうやって効率的に弁別することが

できるのか」「言われてみれば簡単なことを、どうすれば言われる前にいつもちゃんと

わかっていることができるのか」という難問を前に行き詰っていました。

この問題は「フレーム問題」と呼ばれています。

「コンピューターやロボットにさせたいことを、ひとつひとつプログラムする」

というそれまでの常識を疑うようになったロボット開発の現場では、

次のようなパラダイム・シフトが起こりました。

「人間らしいロボットを開発するためには、ロボット自身が環境や状況の中で自ら

学ぶ必要がある。」

 

※『ロボット化する子どもたち』渡部信位置  大修館書店の一部を要約しています。

 

ロボット化する子どもたち  3

ロボット化する子どもたち  4


 


フラクタル構造の野菜 (世界一美しい野菜)

2015-12-26 21:14:22 | 算数

 

ずっと前から手に入れたかったフラクタル構造の野菜。 

世界一美しい野菜と称されているとか。

フラクタルとは、広辞苑によると、

どんなに微小な部分をとっても全体に相似している(自己相似) ような図形のことです。


この珍しい野菜、近所のスーパーで偶然、見つけました。

値段は290円。

包んであった袋には、『岡山産 カリフラワー』とありましたが、

くわしくは、『カリフラワーフレンチロマネスコ』という舌がもつれそうな名前です。

 

教室に来る子たちに見せると、

「何?」「生き物?」「宇宙(の生物)?」と……???な反応でした。

 


子どもが自分で気づき、自分で工夫し、自分で行動するようになるには?

2015-12-26 17:48:37 | 通常レッスン
年長さんのお兄ちゃんと2歳の弟くんのレッスンでの話。
お兄ちゃんが立派な船を作って上機嫌に遊んでいると、
2歳の弟くんも船をほしがりました。
そこで、残っていた数の棒の積み木で船を作ってあげようとしたのですが、
積み木が足りず、ずいぶん小さな船になってしまいました。

その船にむりやりお尻を割り込ませる弟くん。
「ちいさい……!」とつぶやきました。
小さい、大きいを口にするのは、最近のブームなのです。

その姿に思わず吹き出したお兄ちゃん。
自分の船の飾りにしていた部分の積み木を取って、弟くんの船を増設してあげました。それでも、まだ足りず、「これじゃ、船が穴だらけで沈んじゃうよ」と、笑いながら指摘していました。

「じゃあ、これもあげる」と、自分の船を少し壊して、弟くんの船を完成させてあげました。
それから、自分の船にできた穴は、積み木の箱で修復。
弟くんのために自分の船を壊すのは勇気がいったようですが、
工夫すると前よりよくなったようです。
運転用のハンドルもつけたら、さらに立派になり大満足のお兄ちゃんは、
すぐさま弟くんのハンドルも作ってあげていました。

この兄弟のお母さんは、子どもたちに「こうしなさい」「ああしなさい」と、指示を与えることはめったにありません。
子どもの欲求にはきちんと答えますが、子どもが要求していないときには、
余計な干渉はしません。
それで、ちょっとしたことは、兄弟で工夫して解決しています。

こんなちょっとした遊びの中でも、
弟くんの方は、「自分が乗る船はどれくらいの大きさなのか」とか、
「船やハンドルはこうやって作るんだな」とか、「お兄ちゃんは困ったときにいろいろ助けてくれるな」など、
たくさんの気づきがあったようでした。

お兄ちゃんの方も、「何か足りない状態になっても工夫すれば前よりよくなることもあるんだな」とか、「弟君の手助けをしてあげると、遊びがその分楽しくなるな」など、いろんな気づきがあったようでした。

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大人からOKがないと、どんな小さなことも自分の考えでしてはいけないと感じている子が多いようです。

工作のワークショップでは、たびたび次のようなシーンが見られます。
工作の前に、子どもたちに材料(100円ショップで購入したモールやスパンコールや紙コップ)
の包装をはがして、他の子たちが手にしやすいように並べていく作業をしています。
お手伝いを募ると、どの子も素直に「はい」「はい」と喜んで
手伝いたがります。
「袋が破れてもいいから、自由に開けて並べてね」と言っているのですが、
セロテープがついていたり、開けたことがない包装だと、「できない」「開けて」「どうやって開けるの?」と言う子が続出します。お家でも袋に入ったお菓子などは、全て親御さんに開けてもらっているのでしょう。

たまにしっかりした子が、「こうしたら開くよ!ぼくできたよ!」とうれしそうに開けて、多少、乱暴な開け方でも自分でできたことを褒めていると、
他の子たちも自己流に開けだして、
「私もできた」「こうしたら上手に開けることができる」という報告が飛び交うようになります。

スーパーの袋から品物を取り出すだけのことでも、「どうすればいいの?」とたずねる小学生は多いのです。

スーパーの袋から物を取り出すだけのことも、大人の指示なしに自分でやってみて、それにダメ出しをされず、仕事を認められた‥‥‥
というたったそれだけの体験で、
満面の笑みを浮かべる子たちがたくさんいます。

その笑顔を見て、子どもたちが、日常の営みから排除されて、
毎日、大人が決めたた『子供の生活』というのをどれほど押しつけられているのかと
驚くことがあります。

こんなこともありました。
教室で、小学生たちに絵の具を使わせたところ、見るからに作業にはほんの少し赤が必要なだけなのに、
赤いチューブを全てしぼり出す子たちが続出したのです。

聞くと、学校では、先生が必要な色の絵の具を、ちょっとずつをパレットに出してくれているそうです。
子どもが絵の具を使いすぎないようにという合理的な配慮かもしれませんが、
「不必要に出しすぎちゃった、もったいないことをした」と気づくこともなく、
「だって、先生が絵の具を渡したんだもん(絵の具のチューブを渡されたなら、全て使って良いという指示だと思った様子)」と言う子どもたちの様子を見て、
教育の場が合理的になるのも考えものだな‥‥‥とため息をついたことがあります。

年少さんと工作、知恵遊び。

2015-12-26 17:43:47 | 工作 ワークショップ

年少の★くんと工作。

ジュースや水が出てくるところが作りたいそう。

箱に穴をあけて、ひもを通すとできあがり。

 

水で皿を洗っているそうです。

 

あやつり人形や船も作りました。

今、★くんのマイブームは、「ひも」のようです。ひもをいろいろなところにつけて、

作ったものを動かします。

 

 

回転しながら玉を飛ばす道具。

 

絵カードを同じ種類に分ける遊びをしました。

同じ仲間と思うものを並べながら、「果物の仲間」「動物の仲間」「昆虫の仲間」など、

何の仲間なのか言葉にしていきます。

 

★くん、「カエルと雨は仲間、カメも仲間」と言い張って、並べてもたものの、

自分でも何の仲間かわからなかったようで、言葉につまっていました。

 

お弁当のトランプで、「大きな数字を出した方が勝ち」という

ゲームをしています。


「空はどうして青いのか」「夕日はどうして赤いのか」の実験

2015-12-26 17:41:42 | 理科 科学クラブ

小1のAちゃんとBちゃんのレッスンで

「空はどうして青いのか」「夕日はどうして赤いのか」理解するための実験を

しました。

(実験は『天気の自由研究(竹田康男著/永岡書店)』を参考にしています。

すぐにできる簡単な実験がたくさん載っている良書で、解説もわかりやすいです)

床用ワックス(白色)を入れてにごらせた水を、ペットボトルに入れて

懐中電灯の光を当てます。

まわりの水は青みがかった色になります。

床用ワックスは空気分子と同じような役目をして、太陽の光(青、緑、赤などの

いろいろな色が含まれています)の中にある青い色を散らしています。

 

床用ワックスを多めに入れて濃いめのにごった水を作ります。

懐中電灯を当てると、光が夕日のように赤っぽく見えます。

水の中の光線はだんだん赤っぽくなっていきます。

濃いめの濁った水を入れると赤みが強くなってわかりやすいです。

夕方、太陽の高さが低くなるので、

太陽に光は空気の中を昼間より長い距離を通って届きます。

その分、昼間より青っぽい光は少なくなって、赤っぽい光ばかりが地表に届きます。

 

カイロを入れて、ペットボトル内の空気の量の変化を見る実験をしました。

 

さまざまなシャボン玉実験。

 

立方体の枠の中で

どんなしゃぼんの膜ができるかの実験。

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算数学習の様子です。

 

「6月5日から7月20日まで

毎日1ページずつ算数のワークをしました。

全部で何ページ学習したでしょうか?」

 

「この問題で、こういうことがわかっていると問題が解けるになぁって

いうことある?」とたずねると、

Aちゃんが、「30日までか31日までかってことでしょう?」と答えました。

「そう、6月が30日までか31日までかわかるといいわよね」と言って

いっしょにカレンダー風の写真本(お誕生日ブック)を見ました。 

6月が30日と知ってBちゃんが、

「30+20=50だから答えは50ページでしょ?」と言いました。

 

そこで、Bちゃんが間違えた理由をいっしょに考えることにしました。

6月と7月それぞれ何ページずつ勉強したのか確かめることに。

すると、Aちゃんが、

「そうだ、30日から5日引かなくちゃ。25+20だから45」と

答えました。

今度は、どうしてAちゃんがミスしたのか、紙に日数を書いて確かめることに。

ようやくふたりとも、どこが間違えたのか、

どんな点に注意すればいいのかわかったようでした。

「30-4+20=46」と正しい答えが出せていました。

 

次のは、「93人の子どもがマラソンをしていあます。

今、こういちくんの前を36人が走っています。このあと3人を抜くと

後ろから何番目になりますか。」という問題(最レベ2年より)。

ふたりともしっかり考えることができていました。

 

「待って!答えを見せないで!」と「先に答えを見ればいいじゃん」の境目

2015-12-26 06:40:46 | 教育論 読者の方からのQ&A

ニューマスターマインドで遊びました♪ 『対戦型の推理ゲーム』です。

小2と小3の男の子たちが夢中で遊んでいました。

 

 

以前、名前をたずねていただいていたゲームです。

『マスマジシャン』(わくわくゲームで算数博士)/Curio Kids

 

教室の小学生の子らが、時折、他の塾の公開テストを受けにいくことがあります。

虹色教室は取りあえず算数をメインに教えている教室なので、

公開テストで「算数の点数が抜群に良かった!」と聞くと、

日頃から数や図形に親しんできた効果がしっかりでているな~とうれしく感じます。

その一方で、ちょっと注意していることもあります。

 

算数の世界にたくさん触れていれば、テストの点数は自然に良くなるものです。

でも、そうした成績や公開テストの順位こそほとんど同じでも、

「この子は安心」「この子はまだ心配」という境目があるのです。

 

それはどういったものかというと、

解いたことがない問題を解くときに、「お願い、待って~!先生!答えを見せないで!

ちょっと待って、最後まで解かせて!」と懇願するか否か……。

 

答えを見る前にまず自分で解いてみたい、という

解くこと自体、考えること自体に強い喜びを感じるようになる前に、

テストの点という評価にさらしたり、他の子との成績競争に駆り立てると、

自分で考えるよりも、

「公式を丸暗記して、解き方のパターンを覚えてしまった方がはやい」と、

成績を上げるために効率的に合理的に学ぶことばかりに走りがちになるのです。

 

でも、いったん、そうした癖がつくと、その後で自分で筋道を立てて解いたり、

試行錯誤しながら、絵図や線分を描いて解いてみることは非常に難しくなるのです。

 

ですから、教室の子らの学習を見るときは、

「待って!答えを見せないで!」「もっと解かせて!」と

自力で解くことに対する強い意欲が見えてくるまで、

たとえ成績だけは申し分ない良い点が取れているとしても、

子どもの学習を、慎重にていねいにサポートするように気をつけています。

今のテストの点数の上がり下がりにばかり気を取られていると、

先の伸び悩みの原因を作ってしまうこともあるからです。

 

得に小学校高学年の時期は思考力が急速に伸びる時期なので、

注意が必要だと感じています。

 

その時期に、テストのために、パターンで解き方を暗記しては

記憶にばかり頼って答えを書きこむ習慣を続けていると、

思考力や抽象的に問題を考えていく力がきちんと発達しないように見えるからです。

 

高学年の時期に十分に思考する力を伸ばすために、

「待って!答えを見せないで!」と頼みこむような強い知的な好奇心が育っているか、

「先に答えを見ればいいじゃん」と効率重視で勉強に取り組むようになっているか、

の境目をきちんと見極めておくことが大切だと思っています。

 

 


女の子の心をくすぐる工作。小さな洋服作りが流行中

2015-12-25 20:31:59 | 工作 ワークショップ

今、教室で一番人気の工作(手芸?)の洋服作りです。

 

1年生のAちゃんの制作風景

 

1年生のAちゃんの作品です。

 

<作り方>

厚紙を洋服の形に切ります。

 

糊をつけて折り紙を貼り、はみだした部分を切りとります。

 

100円ショップで購入したレース類。

 

洋服の型のウエスト部分より少し長いくらいの大きさに

レースを切って、両面テープで貼ります。はみ出した部分は裏に折り返します。

 

飾りをつけたり、ボタンを描いたりしたら、できあがり。

 

年長のBちゃんが作ったお洋服とペット。

 

ペットは、100円ショップで購入したホッピンという毛糸を

適当に切って、耳をボンドで貼って、マジックで目鼻をつけたらできあがり。

 

女の子の心をくすぐる工作なのか、

「この洋服、10枚でも20枚でも作りたい!!」という子が続出。

年少さんも小3生もみんな目をきらきらさせて手を動かしています。

できあがる洋服の数々もですが、こういうちまちましたものを夢中になって作っている

女の子たちの姿も見ていてかわいらしい……。

 


勉強の面白さで集中する

2015-12-25 16:20:05 | 工作 ワークショップ

小学生向けの工作のワークショップ♪

 

小学生限定の工作のワークショップだったため(数名の幼稚園児も参加)

「図形」と「分数」をテーマにした学習もたっぷりしたのですが、

どの子も前のめりになって夢中になって考えてくれて

うれしい限りでした。

 

↑ 分度器やコンパスを使わずに円を3分の1に正確に切り分ける方法を

考えているところです

答えのお手本を見せると、幼稚園の子らまで息もしていないほど

真剣に観察していました。

 

 

↑ 四角柱や五角柱の形や展開図を絵にしています。

お菓子の箱を切り開いて答え合わせをすると、

子どもたちの心に強くヒットした模様でした。

学習タイムが終わっても図を練習し続ける子が何人かいました。

 

↑ 立方体をふたつに切り分けた図を見て、

展開図に切り込み部分の線を入れているところです。

この展開図はこんがらがるような折り方になるので

かなり難しいのです。

子どもたちはいつの間にかぞろぞろ集まってきてわれこそは……と

解いていました。

実際に自分の答えを試してみるための折り紙で作った展開図を配ると、

「わたしもいる」「ぼくもいる」とどの子も手を出して、

自分で試していました。

 

↑ 小学2、3年生の子たちも初めて学んだ時速や体積の問題を、

はりきって解いていました。

 

↑ みんなで手作りした分数ゲームとさいころです。

さまざまな形のサイコロ……

各面の出る確率が異なるサイコロ、六角柱のサイコロ、

一度に2つの面が出せて足し算して目の数にするサイコロなど

オリジナリティーあふれる作品がたくさん作られていました。

 

↑ 正確な立方体のさいころを作るのに真剣です。

 

↑幼稚園児の弟くんはプラモデルを制作中。