虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

親が自分のメタ認知能力を上げると、幼児の知力は自然に向上する? 2

2011-11-22 13:28:47 | 幼児教育の基本

 

写真は2歳3ヶ月の★くんと☆ちゃんのレッスンの様子です。

玉そろばんで数遊び中。

 

前回、子どもの想像力や思考力の広がり方や伸び方というのは、

身近な大人が何を認識し、どんなことをよく思い出し、どんなことを口にしているか、

どんな発想をして、何に価値観を置いているかと密接な関わりがあろようだ、

といったことを書かせていただきました。

 

それなら、具体的にどのような働きかけ方をしたらよいのか、

2歳3ヶ月の★ちゃん、☆ちゃんのレッスンで

親御さんたちに学んでいただいたことを中心に

紹介させていただきますね。

 

★ちゃんは、後ろが開いたり閉ったりする車(本来は警察の護送車らしい)を手に、

「ゴミ収集車」と言って遊びだしました。

 

「ゴミ収集車」で連想できるものって何でしょう?

 

収集日があること。

街中回って、ゴミを集めること。

ゴミってゴミ袋に入ってますね。カラスがゴミに悪さしないように気をつけている地域もあります。

ゴミ収集車のお家はどこでしょう? ゴミの焼却場でしょうか。

ゴミ収集車のお友だちは誰でしょう? 働く車たちでしょうか。

 

子どもが「ゴミ収集車」と言って遊び出したら、

いっしょに遊んであげている大人が、ちょっと頭をひねって

連想できるものをいろいろと遊びに取り入れると、

たちまち子どもも記憶力と想像力と思考力をフルに使って遊び始めます。

 

「そうだ、今日は月曜日だから、ゴミの収集日だわ。9時までにださなくちゃ。」と言って、

袋にゴミに見立てたものを入れて、

ゴミ出しの真似をすると、

子どもは喜んでそのゴミを収集して遊ぶだけでなく、

収集日は曜日で決められていたりするんだな、いろんなルールがあるんだな、

と直観的に学びますし、

カラスがゴミをつつきにくる、というストーリー展開を

楽しむこともできます。

 

2歳児と遊ぶときは、あまり説明的ではなく、(教え込んだり、わかっているかたずねたりせずに)

あくまでも雰囲気で、楽しくてワクワクする気持ちを

膨らませるために、さまざまな言葉を駆使して遊びます。

遊びのなかで、ゴミ収集車に「お家に帰りたい!」と言わせたり、

「お友だちと遊びたい!」と言わせたりして、

ゴミの焼却場や働く車たちを登場させるのもいいですね。

 

 

★ちゃんのお母さんによると、普段は、★ちゃんがこうして「○○車」と言って遊び出すと、

「ふーん、ゴミ収集車なの」と言うだけでおしまい……となっていたそうです。

幼い子たちは親や年上の子らに誘われて、

イメージの世界を広げ、考える楽しさを学びます。

普段、身近な大人が、どのようにイメージを広げ、どのように思い出し、どのように考えているかが、

そのまんま幼児の想像力と思考力が育まれるスペースであり環境となります。

 

かる~いねんど(100円)でクッキー遊び。

1回遊んだら、後は固まって遊べなかった~となる

遊びもたまには必要。

無駄に見えますが、子どもの心に、柔らかかったものが、固くなって2度と元に戻らなかった

という経験が残ります。

 

★くんは、物をよく観察して、物の作りを記憶するのが得意です。

☆ちゃんは、お料理の手順のように

流れのある作業を記憶することが得意です。

そうした子どもの得意な記憶がどのようなものか

知っておくことで、

子どもといっしょにする遊びをより豊かにすることができます。

また、子どもに何かを見せてあげるときに、

子どもの得意な記憶がより鮮明なものになるよう

ていねいに見せてあげることができます。

 

 

 

 

 

 


小学校受験「重ね図形」「注意力」「立体キューブの数」の問題を楽しく解く方法

2011-11-21 16:45:49 | IQ 小学校受験

小学校受験の「重ね図形」は幼児にとって
理解しにくい問題です。


正方形の紙の真ん中にたてに折り線が書いてあります。
右と左に模様が描いてあります。

矢印の方に紙を折って重ねると
どんな模様になるか推測します。

写真では4歳の☆ちゃんに問題にチャレンジしてもらっています。

黄色い折り紙に、折って重ねる問題をマジックで描いて、
わかりやすいようにしています。

それでも、はじめてでまだ難しい様子ですから、
お母さんに問題を出す「先生」の役をしてもらいました。

大喜びでいくつも問題を出しています。
問題を出すうちに、重なるとどう変化するのか
気づいてきた様子です。
上手に解き方をアドバイスしています。

小学校受験「注意力」の問題には、

色々なしるしがお手本通りに並んでいる図を
見つける

というのがあります。

こうした問題を解くために、物の並び方への注意力をアップさせる
遊びを紹介します。

100円ショップのおもちゃでもカードでも構いませんから
かわいいものを2セットそろえておきます。
写真では絵の描いてあるキューブ積み木を使っています。
(シールで手作りすることもできますね)

見本を作って、見本通り作る遊びをします。

いきなり子どもに問題を出すと、勉強嫌いになるので、
お人形やお父さんに問題を出して、
子どもは「先生」やアドバイスをする役にしてあげると、
しまいに自分にも問題を出して欲しいと
言うようになります。

見本通り作れたら、
よく似ているけれど違う部分のある並べ方を2つ作って、
ちがう部分を探す遊びでも注意力が養えます。

こうした遊びに慣れてくると、
子どもはプリントやワークも自分からしたがるようになります。

 

立体積み木を重ねてある絵を見て
数を当てる問題があります。

平面を頭の中で立体になおして考えることは
幼児にはとても難しい作業です。

プリントやワークをする前に
まず立体積み木でたっぷり遊ぶ期間が必要です。

写真では4歳の☆ちゃんが、

積んである積み木の見本通りに
積む問題をお母さんに出しています。

お母さんが上手に作れていないので、
☆ちゃんはきちんとなおしてあげていました。

見本通り積めたら、
今度は積み木の数を問います。

見えない部分にも積み木があることに気づいていきます。


常識やイメージの世界がわかりはじめることからくる笑いのポイント  4歳児さん 

2011-11-21 09:04:52 | 子どもの個性と学習タイプ

4歳児さんたち(4歳になったばかりの子3人と4歳7カ月の子1人)のレッスンで。

このグループには、ペロ嫁の工作de知育な日記NEW

の4歳になったばかりのペロ子ちゃんも参加してくれています。

 

数日前、3歳児前後~3歳7カ月の子というこのグループの子たちより

1歳年下の子らのグループレッスンがあった時のこと、

3歳児さんたち、言うことなすことあんまりかわいいもんですから、

それぞれの子のお母さん方は胸がキュンとなった様子で、

帰り際に、「かわいすぎる~」「ずっとこのまま大きくならなければいいのに~」と口々につぶやいて

おられました。

 

それに大きくうなずいていたわたしですが……。

それが、それが……4歳児さんたちが来たら、4歳児さんたちが最高におもしろかわいいし……。

5歳児さんたちが来ても、6歳児さんたちがきても……小学校高学年の子らが来ても、

やっぱりそれぞれが、思わず微笑んでしまうかわいらしさで……本当に、子どもたちには、

日々、癒されています。

 

前置きが長くなりましたが、

今回の4歳児さんたち、ちょっと自分を抑えることができるようになって、

おりこうになってきました。

 

ひとりの子が魅力的なおもちゃで遊びだすと、他のひとりが、「か~し~て」と言います。

そこで、「いいよ」と次の子におもちゃが渡るのですが、

その瞬間、別の子が、「か~し~て」と言うもんですから、

おもちゃは再び、次の子の手に。

そうするうちに、最初に遊んでいた子が、最後にそのおもちゃを手にしている子に、

「か~し~て」と言いますから、誰ひとり、1分たりとそのおもちゃで遊ぶことなく

おもちゃがぐるぐる子どもたちの間を回っているということが多々あります。

 

 

わたしが感心した様子で、

「みんな、お姉さんねぇ。お友だちにか~し~て、と言われたときは、

かしてあげるの?」とたずねると、

「そう、そう」とこっくりします。

「あのね、この間、赤ちゃんたちと遊んでいた時に、

おもちゃ、か~し~て!と言ったら、赤ちゃんったら、そのおもちゃを自分のお口に入れるのよ。

もういちど、か~し~て、と言ったら、今度は、ポーンとそれを投げるんだから」と言うと、

子どもたちはゲラゲラ笑いながら、「赤ちゃんはね、そういう風にするのよ~」と教えてくれます。

「でも、うちの●くんは赤ちゃんだけど、か~してって言ったら、はいっ、てかしてくれるよ」と

説明してくれる子もいました。

それから、ちょっと誇らしそうに、

「わたしたちは、4歳だから、お友だちにかしてあげるもん」と胸をはっていました。

 

こんな風に、赤ちゃんたちの行動をゲラゲラと笑っていた4歳児さんたちの様子を、

小学生らのグループで話すと、

遊びもしないで、かしてって言われたらはいって渡すなんて……!それじゃ、いつまで

たっても遊べないじゃない!」と言って大笑いしていました。

それぞれの年齢で、笑うポイントがちがいます。

 

4歳児さんたちが大笑いするポイントって、

3歳児さんとはかなり質が異なってくるように思います。

常識やイメージの世界がわかりはじめることから、

ユーモアを感じとる感受性が高まってくるようなのです。

 

今回のレッスンで、子どもたちが木製のおもちゃのケーキに木でできたろうそくを

さしてわたしに届けてくれるというシーンがありました。

このろうそくには、木でできた赤い炎がついています。

わたしが吹いて消す真似をすると、

子どもたちが口々に、「先生、それは、木だから消えないよ」と言います。

すると、「これは、真似だから」とみんなに説明している子もいました。

 

わたしが、「じゃあ、見ていてね。本当に火を消すからね」と言って、

ギュッと目を閉じて、「あっ、見えない、見えないから、火が消えちゃったよ」と言うと、

子どもたちはよほどおかしかったらしく笑い転げながら、

「おもしろい、おもしろい~」と黄色い声を出していました。

 

4歳ともなると、わたしから世界がどのように見えているかを

了解して、そこから生じるユーモアを感じとることができるんだな、

と楽しい気持ちになりました。

 

 


「待って!答えを見せないで!」と「先に答えを見ればいいじゃん」の境目

2011-11-20 17:03:52 | 算数

 

ニューマスターマインドで遊びました♪ 『対戦型の推理ゲーム』です。

小2と小3の男の子たちが夢中で遊んでいました。

 

 

以前、名前をたずねていただいていたゲームです。

『マスマジシャン』(わくわくゲームで算数博士) Curio Kids

 

教室の小学生の子らが、時折、他の塾の公開テストを受けにいく

ことがあります。

虹色教室は取りあえず算数をメインに教えている教室なので、

公開テストで「算数の点数が抜群に良かった!」と聞くと、

日頃から数や図形に親しんできた効果がしっかりでているな~とうれしく感じます。

その一方で、ちょっと注意していることもあります。

 

算数の世界にたくさん触れていれば、

テストの点数は自然に良くなるものです。

でも、そうした成績や公開テストの順位こそほとんど同じでも、

「この子は安心」「この子はまだ心配」という境目があるのです。

 

それはどういったものかというと、

解いたことがない問題を解くときに、「お願い、待って~!先生!答えを見せないで!

ちょっと待って、最後まで解かせて!」と懇願するか否か……。

 

答えを見る前にまず自分で解いてみたい、という

解くこと自体、考えること自体に

強い喜びを感じるようになる前に、

テストの点という評価にさらしたり、他の子との成績競争に駆り立てると、

自分で考えるよりも、

「公式を丸暗記して、解き方のパターンを覚えてしまった方が

はやい」と、成績を上げるために効率的に合理的に学ぶことばかりに

走りがちになるのです。

 

でも、いったん、そうした癖がつくと、

その後で自分で筋道を立てて解いたり、

試行錯誤しながら、絵図や線分を描いて解いてみることは

非常に難しくなるのです。

 

ですから、教室の子らの学習を見るときは、

「待って!答えを見せないで!」「もっと解かせて!」と

自力で解くことに対する強い意欲が見えてくるまで、

たとえ成績だけは申し分ない良い点が取れているとしても、

子どもの学習を、慎重にていねいにサポートするように気をつけています。

今のテストの点数の上がり下がりにばかり気を取られていると、

先の伸び悩みの原因を作ってしまうこともあるからです。

 

得に小学校高学年の時期は思考力が急速に伸びる時期なので、

注意が必要だと感じています。

 

その時期に、テストのために、パターンで解き方を暗記しては

記憶にばかり頼って答えを書きこむ習慣を続けていると、

思考力や抽象的に問題を考えていく力が

きちんと発達しないように見えるからです。

 

高学年の時期に十分に思考する力を伸ばすために、

「待って!答えを見せないで!」と頼みこむような強い知的な好奇心が育っているか、

「先に答えを見ればいいじゃん」と効率重視で勉強に取り組むようになっているか、

の境目をきちんと見極めておくことが大切だと思っています。

 

 


立体の切断と断面図

2011-11-20 13:39:20 | 算数

小学2年生の算数クラブで立方体の切断と断面図の描き方について

学びました。

にんじんを使って切断する立体の見本を作りました。

断面図についてイメージするとき、

ブロックが役立ちます。

にんじんで断面図を作る前に、チョコレートの塊で作ったのです。

でもあっという間に子どもたちの口に入ってしまい……にんじんで作りなおし。

にんじんの断面図は、切り口がきれいな上

わかりやすかったです。


親が自分のメタ認知能力を上げると、幼児の知力は自然に向上する?

2011-11-19 13:44:41 | 教育論 読者の方からのQ&A

虹色教室をしていてしみじみ感じるのが、

幼児の知力の向上と、

親のメタ認知能力というか親が意識できている範囲の広さと、とても関係が深いんじゃないかな?

ということです。

 

もちろん、子ども自身、持って生まれた能力というのはあるでしょうが、

後天的に伸びていく部分は、身近な大人のあり方と密接につながっているように

思うのです。

 

子どもにこれこれさせた、こんな訓練をした、ということより

身近な大人が何を認識し、どんなことをよく思い出し、どんなことを口にしているか、

どんな発想をして、何に価値観を置いているかで、

子どもの育ちはずいぶん違うんじゃないかと感じています。

 

といって、頭が良い親じゃなきゃいけないとか、

理想的な何でもできる親じゃなけいけないというのではなくて、

ごくごく普通の能力の親でも、メタな視点を持つとか、

意識できている範囲を少し広げる努力を怠らないだけで、

子どもにあれこれさせようと焦らなくても、自然と子どもの知力は引き上げられる

と感じているのです。

 

たとえば、親御さんが思い出すことに愚痴や不満が多いか、

その日、子どもがうれしそうにしていたことや楽しかったことの振り返りが多いかで、

幼児の記憶力に各段の差が出るのです。

 

幼児って、快と不快を基準にして、

何度もしたがることと、嫌になって避けることを

分けていきますよね。

ですから、嫌なことを思い出すことが多い親御さんの元だと、

過去を切り捨てて、すぐに忘れながら生活しようとするし、

楽しかったことを思い出して口にする親御さんの元だと、

記憶力をフルに使って、あった出来事を思い出そうとするのです。

 

また、親御さんが子どもの長所に気づきやすいか、短所に目が行きやすいか、でも

子どもの能力は大きく違ってくると思います。

長所は少し刺激すれば急速に伸びるし、おまけに短所まで底上げされる

ものですが、

短所ばかり刺激すれば、自己肯定感が下がって

全てにやる気がない態度になりがちですから。

 

子どもの能力の伸びって、親の何気ないささいな一言にも影響されるものです。

たてば、教室で子どもがひとつのおもちゃで遊んでいて、次に別のおもちゃを触ったところで、

「もう終わり?もうあれで遊ばないの?」といった

子どもの気持ちをちょっと下げて、小さな罪悪感を持たせがちな一言が多い方っているものです。

もちろん、使ったおもちゃは片付けなきゃいけないのですが、

その場の雰囲気で、「2つ3つまでは出してもOKで、それ以上出したいときはきちんとお片付け」くらいの

ルールで十分なごっこ遊びのような複数の物を必要とする遊びの最中にも、

つい手持ちぶたさで、子どもの楽しい気持ちを下げるような一言を言ってしまうということが

あると思うんです。

でもそうした大人の余計なひと言を、しょっちゅう浴びている子は、

遊んでいても、すぐに気持ちが沈んだり、つまらなくなって飽きたり、気まぐれに感情を

爆発させたりしやすくなるものです。

 

そうした時に、親が自分のつぶやく言葉に一線を設けて

子どもがよりいきいきと生産的に想像力を膨らませながら遊べるように

配慮してあげると、

子どもはちょっと動くたびに気分が変動して落ち込むといったことがなくなって、

思考力をいっぱいいっぱいまで使って遊び出します。

 

虹色教室の乳幼児のレッスンでは、

親のメタ認知能力を上げたり、意識できる範囲を広げるために、

どんなことに気をつけたらいいかといったことを話題に親御さんたちといっしょに

おしゃべりをすることがよくあります。

そうした時間が子どもたちの成長に大きな影響を与えているなと

実感しています。

 

 

 

 


将来の夢と目標と 2

2011-11-19 06:42:43 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

息子 「今ある学習ゲームの問題は、

ゲームの歴史や昔のゲームを参考にしていない点にあるよ。

名作ははもちろんだけど、クソゲーって呼ばれてきた作品にしろ、

難しすぎてクリアーできない……なんて欠陥そのものが、

ついついやってみたくなる理由になることもあって、一部のファンに根強い人気があるって点は、

人がどんなことに惹かれるか、どんな動機でそれをやってみたいと思うのかという

ことの幅広さのヒントになると思うよ。

 

特に多くの人がギブアップしたっていうクソゲーをわざわざやりたいって人がいるって

ところは、学問の面白さともかぶる気がするよ。

そういう難しさそのものも惹かれるんだ、やってみるとはまるんだ、ってこと自体は、

実際体験してみないとわからないものだからね」

 

母 「学問の面白さをゲームで表現するって、具体的にはどんなイメージなの?}

 

息子 「数学のゲームを作るなら、数学からできている世界のたとえば……

フラクタル構造とか多面体の持っている芸術的な美しさとか不思議さとか、

パズルの達成したときの気持ちよさとか面白さとか、

そうした数学そのものの世界に入り込んで、それそのものにはまらせて大好きにさせて、

そこから苦しい部分を自分で学んででも乗り越えたいという気持ちを抱かせることが

大事だと思っていてね。

 

そこで、そのゲームの魅力のあるなしを決めるカギを握っているのは、

デザインセンスと雰囲気、

つまりそこにある世界観のようなものでさ。

 

 ぼくはこれまでいろんなゲームをしてきただけに、ゲームデザインのセンスはばっちりついていて、

ひと目見れば、これは面白いか面白くないか見極めることができるからね。

それは作っていく上での強みになると思う。

 

ゲームの面白さって、大事なのはルールというより、そこにある世界観の力でさ。

理想的な例が、ファンタジーの世界で、ドラゴンがいて、

種族がいてってう壮大な世界の広がりに、

人々に架空の世界の知識であっても、もっと知りたい、

もっとはまりたいって気持ちを生み出すものだけど、

それくらいの数学独特の世界のすごさと深さを描き出す必要があると思うな。

 

そういう制作上の目標に気づけたから、ぼくはこれから大学に進むとしたら、

そこでそうした本質的な勉強の面白さに気づくために

勉強していくという学習する上での目的のはっきり見えてきてうれしいよ」

 

母 「それは、よかったわね。目的がないと、やる気を持続するのは難しいしね。

数学の世界って面で、もう少し具体的に言うと、どういうイメージを持っているの?」

 

息子 「数学の『行列』にしても、解ける人はけっこういたとしても、

理解しているのはその一部分だけだったりすると思うんだ。

それを手触りで……つまり感覚だけで理解できていくという過程を作っていきたいんだけど。

プレイすること自体が勉強なのじゃなくて、ゲームにはまったために、参考書を調べてでも、

もっとその世界にはまりたいって思うような作品が作りたい。

そのまま感覚的に遊ぶこともできるけど、

もっと楽しもう、もっとうまくなろうと思ったら、自分で勉強さえしたら、ちょっとするだけで

ゲーム内で強くなったり、環境がすごくよくなったりするなら、

自発的に学びたくなる子はいるはずだよ。

 

ゲームなりの面白さを追求しながら、センスのある学問の世界観に彩られた世界で

勉強の世界の楽しい部分だけを切り分けて、

小学生でも取りあえずクリアーできるものにしたいんだ。

 

ぼくが作りたいものの目標の極めつけは、

レゴブロックのイメージでさ。

創造的なツールといしてのパソコンの活用範囲を

広げることなんだ。

大学で何を学びたいのかってことも、そういう面からはっきりしてきているよ。

京大はひとつの目標ではあるけど、それは理想的だけど、

もし別の大学で学ぶことになっても、ゲームに対して理解のある教授のいる

学校に行きたいんだけど。

まぁ、そう自分の思い通りにもいかないだろうけど、

まず最初に作りたいゲームの案がはっきりしたら、勉強していくのが楽しみになったよ。」

 

母 「★(息子)は、パソコンゲームからテレビゲームから……ボードゲームもカードゲームも……

とにかくゲームが好きでたまらないってことを、これまでずっと大事にしてきたんだから、

そういうことは必ずこれから仕事をしていく上で強みになるわよ。

お母さんは、自分の仕事について理解すればするほど、

ひとりひとりの子により深く関わる道を選んでいって、

それは自分としては満足しているけれど、心苦しいことでもあるのよ。

その点、★は、自分の仕事の質を追いかけることが、

おかあさんが少人数の子にしか実感させてあげられないと感じている

『知的な世界にはまるという感覚』を、

より多くの子やたくさんの人々に提供することができるのかもしれないね。

うらやましいわ」

 

息子 「そういえば、ゲームは制作者とプレイヤーの

一対一の対話でもあるよね。

一対一と一対多数を兼ねることができるという

ゲームの利点は、もっと本当に役立つ形で活用できる分野だと思うよ。

以前、ぼくは、今の時代はゲームが作られ過ぎていて、

圧倒するようなすごいアイデアなんてうまれてこないんじゃないかって

暗い気持ちになっていた時もあるんだ。

でも、ちょっと視点を変えると、こんだけたくさんのゲームが作られた

こんなめぐまれた時代はないんじゃないかって考えるようになったんだ。

だって、先人たちのゲームの良かった点とダメだった点を

分析するだけで、ゲームの全ての歴史のなかから、

すばらしい部分だけを抽出していくことができるんだからね。

これほど物を作るのに適した時代はないな、って思うようになったんだ」

 


将来の夢と目標と 1

2011-11-18 14:56:15 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)

トムくんの記事の続きは今週中に書きますね。

 

午前のレッスンの準備をしていたら、

息子が朝食を取りにキッチンにあらわれました。

朝一番の勉強を済ませてきた様子。

何でも夕べ、面白いアイデアを閃いたそうで、

表情が輝いています。

 

刻々と受験日までの日数は縮まっているというのに……

まだやり残している課題はたっぷりあるというのに……

この根っからの明るい性質は父親譲りなのか、わたしに似たのか……。

(ダンナは地域の文化祭風にイベントの手伝いに、

おそらく大阪中を探しても、これ以上地域の行事の手伝いを楽しんでいる

人はいないだろう……と思われるはしゃぎっぷりで参加中)

 

息子が、「夕べ、閃いた」と言うアイデアは、近い将来、作ろうと考えている

ゲームの企画案についてでした。

 

息子 「これから作っていこうと思うゲームの鮮明なアイデアが見えてきたんだ。

まだ企画というより、第一目標といった段階なんだけどね。

でもイメージとしては完全につかめているから、これから勉強していく上での

目的がはっきり定まったよ」

 

母 「それは、よかったわね。で、どんなゲームなの?」

 

息子 「要は学習ゲームなんだけど、成績を上げる目的のゲームではなくて、

勉強の面白さをとことん追求したゲームを作りたいと思ってさ。

 

作ってみたいゲームについて、これまでもずっと考えてきたんだけど、

自分にしか作れないって決め手が欲しくて、

いいと思ったものも突き詰めていくと、本気で取り組みたいものなのか

あやふやになったりしてたんだ。

 

でも、今回閃いたゲームの案なら、ぼくがこれまでしてきたことの全て、

興味を抱いてやってできたこと全部を含めて、さらに発展させていくことが

できはずなんだ。

小学生の時から、どんなに苦労してでも勉強を楽しんでやってやろうって

考え続けてきたのが生かせるよ。

 

勉強の楽しさを知っている人も、

ゲームの楽しさを知っているって人もたくさんいるだろうけど、

勉強の楽しさもゲームの楽しさもどちらも本質的な深い部分までわかっている、

そのどちらも極めるまで兼ね備えているって人は少ないと思うんだ。

だから、それをテーマにしたら、ぼくらしさが出せるんじゃないかと思ってさ。」

 

母 「そりゃ、そうよ。きっといいものができるわ。

コンセプトは何?」

 

息子 「ポイントは、ふたつ。

センター入試レベルまで完全に網羅すること。

と、小学生で全く知識を持っていない子でもマリオみたいに、

ボタンを押したら感覚で進めたり、

プヨプヨみたいに本格的に理論で攻略できる一方で、適当にしても

クリアーできるというものにしたいんだ。

 

学習ゲームはいろいろ出ているけど、

保護者受けを狙い過ぎて……

つまり子どもの成績を伸ばしたい保護者に配慮して作り過ぎてってことだけど、

もはやゲームじゃなくなってるからね。

これまでの教育系のゲームのまずい面は、どうしてもプレイヤーを『試す』という

次元から抜け出せていないことだよ。

問題を解かされていて、自分が試されているという状況は、

ゲーム本来の面白さから離れている上に、勉強そのものの本当の面白さに

鈍感にもしてしまうよ。

 

数学にしても、科学にしても、英語にしても、

さまざまな次元での尽きることのないような深さや人を夢中にさせる魅力があるよね。

ゲームをしているうちに、いつの間にかおもしろくない勉強ができるようになっていたという

ゲームではなくて、

数学にしても、科学にしても、それ本来の本質的な魅力を知っていて、

学問の世界にある一度踏み込むと

はまりこんでしまう部分を抽出したゲームが作りたいんだ」

 

母 「そうよね。勉強には、それそのものに

たまらなく面白い面があるわよね。

そういえば、★(息子)が6年生の時、灘中の赤本に夢中になって、

どうしても灘中が受けたいって言いだした時も、

問題そのものが持っている魅力に引き込まれたんだったわね」

 

息子 「そうそう、灘中の問題のセンスの良さには、小学生ながらに感動したからなぁ~。

そういうセンス大事だよね」

 

次回に続きます。 


2、3歳児向けの算数問題

2011-11-18 12:31:07 | 算数

2、3歳の男の子たちのグループレッスンです。

 

遊びや物作りやお料理や実験などをした後で、最後に算数の学習タイム。

 

「何歳ですか?」とたずねると、指を2本立てる2歳児さん、3本立てる3歳児さん。

「それでは、お誕生日の時には何本ろうそくを立てたの?」とたずねると、

立てている指を得意そうにつきだして、「にー」「さん」と

答えます。

 

「では、今からお誕生日。立てたろうそくをフーッと消すよ。☆くん、ろうそく3本、フゥー、フゥー、フゥー

と消せるかな?」と、指で見立てたろうそくを、1本ずつ消す真似をすると、

☆くん、上手にできました。

ところが、●くんは、フゥー、フゥーと2本だけ消して

おしまいとしています。

「●くん、1本ずつ、フゥー、フゥー、フゥーよ」と言いますが、

やはり、2本だけ消す真似をして終わってしまいます。

まだ、1対1対応が怪しい様子。

それでもこうした遊びを通して、しっかり数について理解していくはずです。

 

電車のおもちゃを2台用意して、

「3人に配るわよ」と言うと、

「はーい」と大喜びのお返事。

でも、1台を◆くんに。2台目を●くんに……と配ったところで、電車がなくなって

しまったところを見せると、その段になって、「えぇー!???」と驚愕した表情で、

おろおろする☆くん。

 

わたしが2台の電車を持っていた時点では、3人いる自分たちに配ると

足りなくなるかもしれないことは思いもよらなかった様子です。

「◆くんと、●くんと、☆くんで、3人だもんね。

電車は1,2……2台だもんね。たりないね。

さぁ、こっちからもう一台出して、はい」とケースから電車を出して☆くんに渡すと、

満面の笑みでニコニコしていました。

 

最後に、そうした算数問題をいくつか解いたところ、よほど面白かったのか、

「もうちょっと教室にいる~」とめそめそしている子がいました。

↑ ホットケーキを作っています。

「白いのが、だんだん黄色くなった!」とびっくりしながら報告してくれる

●くん。

 

 

こうした虹色教室オリジナルの

2,3歳児向けの算数問題、4,5歳児向けの算数問題をブクロブのパブーで電子書籍にしてみようかな~

と思っています。(30~40問、100円を予定しています)

他に、欲しい教材がありましたらコメント欄で知らせてくださいね。

(虹色オンライン教室のおまけの教材は、ビデオ編集等がありますので

1月にできあがる予定です。待ってる方々、遅くなってしまってすいません)


ブクログのパブーの電子書籍を購入してみました♪

2011-11-17 22:51:09 | 日々思うこと 雑感

↑のチップに1枚加えて正方形を作ると、

たてと横、それぞれのチップの数はいくつになるかな?

という算数の問題を考え中。

 

ブクログのパブーの電子書籍を購入してみました♪

いつも読ませていただいているブログの羊さんのブログで、

子どものためのイメージトレーニング

という興味深いタイトルにつられて、初めて電子書籍というのを

購入してみました。

 

どんぐり倶楽部の「良質の算数問題集」の絵が上手に描けないお子さんのために作りました。

 

という説明を読んで、虹色教室の生徒も、

算数の文章題のイメージを絵にするのにつまずく子がちらほらいますから、

これはいい教材なんじゃないか、と思ったのです。

 

すると、期待通りにとてもすばらしい内容でした。

勉強前にすると盛り上がって学習意欲が増すような

ユーモアがあって面白い課題なのですが、

面白いだけでなくひとつ取り組むごとに段階的に、

文の要素を正確に拾って絵にしていく力や、

説明的な絵が描けるようになるように工夫されているのです。

こういう教材は、実践の場で、子どもたちが本当にできるようになるように

試行錯誤を重ねないと作れない内容だと思いました。

ダウンロードして、虹色教室の算数クラブ等でも使用していく予定です。

 

ついでに……と購入した長期記憶応用漢字の読みプリント

すごく面白かったので、もし2年生以降の教材が出たらぜひ購入して、教室で使っていきたいと思いました。

この教材にある「知らず知らずに漢字が読めるようになる不思議」を作りだしている工夫というのは、

わたしも中学や高校の時に、参考書や問題集のはじっこに

これと同じようなチェック項目作って、楽しみながら効率よく勉強できるようにしていた方法と

同じなんです。

商品なので、内容についてはくわしく書けませんが、

一度、この学習法をマスターしておくと、

他のどんな記憶問題にも応用が利くのでとてもお勧めです。

 

2つの教材のどちらもすごく面白かったので、

わたしも自分のオリジナルの算数や国語の問題が作ってみたくなりました♪