★くんは相互のコミュニケーションを取ることが極端に難しい子です。
★くんのお母さんがどんなに愛情深く働きかけても
自然なやりとりに発展していきにくいのです。
そのため★くんから反応があってもなくても
★くんのお母さんだけが一方的に話しかけていることが多々あります。
一方、★くんはお母さんを道具のように扱って自分のしたいように振舞ったり、
外出先などではお母さんが視界に入っていないかのように動き回ったりしています。
たくさん言葉をかけていると、★くんはそのうちのいくつかの言葉に反応して単語を真似たり、
指示した通りに動いたりもします。お家ではもう少し反応がよくて
笑顔もよく出ているそうです。
ただそうしたやりとりはかなり反射的なもので、
「~したい」と相手に何かを要求して、それに応えてもらったり、
何かを眺めながら「かわいいねぇ~」などといっしょに共感しあったり、
「これなあに?」「どっちがいい?」といった会話に発展していくようには見えません。
お母さんの側が、ちょうどよいチャンスをつかんで、
そうした会話の形を作っていく努力をしなくては
★くん自身は、そうしたやりとりに気づいていくのは難しいようでした。
そうしたお話を★くんのお母さんに伝えると、
いつどうやってそうした会話を成り立たせていけばいいのか見当もつかないようでした。
もう少しだけ続きます。