虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

やんちゃくんをどうしつけたらいいでしょう? 2

2010-06-30 19:44:32 | 教育論 読者の方からのQ&A
やんちゃくんへのしつけ、くわしく知りたいという声が多かったので、過去記事から、やんちゃくん、ワガママちゃんのレッスンの様子をいくつか拾ってみました。
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毎月、やんちゃくん2人に、芯が強くておとなしい女の子1人の
3歳前半の子たち3人で、
グループレッスンをしています。(一人が遠方へお引越しのため、次回からグループの組み合わせが変わりますが)

この3人、とても個性が強い子たちなので、レッスンのたびに、

短所は長所の裏返し♪

という思いを新たにしています。

3人の中で一番のやんちゃくん★くんは、声が大きくて、自分の意志をはっきり表現し、いつでも元気いっぱいです。
その分、何でも自分が一番得していないと気がすまないし、ルールや決まりごとも
「やぶってもいいの!!」「ぼくがー!!ぼくがー!!」とどなれば通ると感じているところがあります。
この子はとにかく怖いものしらずで、大人も友だちの仕返しも怖くないのです。
欲求を抑えようとすれば、たちまち戦闘体制に入ります。

こうした性質を直さなければならない欠点と捉えて、
力で抑えようとするなら、大人ががんばればがんばるほど
★くんは、わがままで反抗的な態度を強化していくことでしょう。

なら★くんには、どのような態度で接すればいいのでしょう?

★くんは、とにかくエネルギッシュな子どもです。怖いもの知らずなので、できないかもしれないという恐れなど抱かずに「ゲームがしたい!」「ゲームがしたい!」と騒ぎます。
そこで、少し年上の子用のなぞなぞ博士ゲームなんかも、一度すると、同じ月齢の子たちは疲れてしまって、「もうしない」というところ、
「もう一回する!もっとする!」と大騒ぎです。
★くんは新しくて魅力的でチャレンジしがいのある山が目の前にあるときは、
いつも明るくやる気満々で、ききわけの良い子なのです。

こうした強気な子は、お片づけなんか、無視して次々新しいことをしようとしますから、

新しくて魅力的でチャレンジしがいのある山を意識させて、

「次にそれをする準備として前に遊んだものを片付けをする」ことをきっぱり提示すれば、
さっさと手伝えます。
また、お友だちへのいじわるも、これからある楽しいことのために、
今は我慢するのか、今日はいじわるしてすべての楽しみをあきらめるのか選ばせたら……すっきりやめることができます。

★くんのようなタイプの子がグループにいると、放っておくか、叱って抑えようとすれば、常にけんかになるか、★くんがいつも得をして周囲が我慢するかになっていくことでしょう。
でも大人が同じようにエネルギッシュにきっぱりした態度で関われば、
グループ全体が、どの子も、勇気を抱いて困難なチャレンジにも挑んでいこうとする雰囲気が生まれてきます。

もうひとりのやんちゃくん●くんは、★くんのように他の子に力を誇示する面はありませんが、
鉄砲のような男の子のおもちゃが大好きで、
自分がしたいこと以外は無視して聞こえていないふりをする
『自分』が強い子です。
●くんは、お母さんには王子様のように振舞いますが
お友だちとは協調して遊べ、
なかなかのアイデアマンです。
鉄砲が好きな子というのは、あるひとつの目標達成に非常に注意を集中させたりすることができます。ですから、集中力が必要な秩序のある作業にも
スイッチさえ入ればどんどん集中していきます。
●くんがお母さんの意見に素直に従えない理由は、
裏を返せば、自分の発想があるということでもあります。
ですから、●くんの思いつきを大事にしてあげて、
●くんがやりはじめたことを、みんなでまねしたり、
●くんがやりはじめたことに対して、「お友だちにどうやってするのか教えてあげてね」と言うと、
とてもていねいに教えてあげたり、今度はお友だちから学ぼうとしたりするのです。●くんは、親切でさっぱりした性質でもあります。

ブロック遊びで、●くんは、アイスの棒をていねいに並べていって、
草を表現することを思いつきました。
それで、根気よく自分の作品を仕上げてから、みんなにもやり方を教えてあげて、
満足そうでした。
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戦隊物~「買って!買って!」を減らす工夫 1

見たところ我が強いやんちゃな子のようだけど、
愛着の形成に問題があったり、自分の気持ちをうまく伝えることができないストレスから気が荒くなっていたり、
上手に甘えられないことからくるストレスでかんしゃくを起しがちになっているときがあります。
そんな場合は……↓
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3、4歳の子のわがまますぎる要求にどう対応したらよいのか、
困っている親御さんによくお会いします。

さまざまなおもちゃがあるのに、
わざわざそこにないおもちゃを欲しがって泣き喚く、
お友だちのもおもちゃを全て独占してしまう、
椅子をたおす、おもちゃを投げるといった、乱暴な行為が目立つ、
弟や妹をたたいていじめるなど……

こうした目に余るわがままな姿を見ると、
子どもを厳しく叱ったり、にらみつけたり、子どもがかわいく思えなくなったりして、子育てにさまざまな迷いが生じてくることと思います。

わがままな子には、厳しく叱れば良い。

何でも受け入れてあげれば良い。叱らずしつけると良い。

飴と鞭でしつけていくと良い。

こういうときには、こういう対応。こんな場合は、こうすれば良い。

など~さまざまな意見がありますよね。

そうした意見は意見でどれも一理ありますが、
やはり子どもはそれぞれ個性的ですし、置かれている環境も違いますから、
「こうした場合は、こう対応」というマニュアル通りにてうまくいくようには思えません。

私自身は、子どもの問題行動が気にかかるときは、
それを子どもからの「ひとつのサイン」として受け取って、

その問題に対する
「叱る、注意する」といったその場限りの対応を超えた

もう少し「積極的な対応」をするように親御さんに勧めています。

たとえば、赤ちゃんの妹や弟をたたく子には、
「たたいちゃダメ」と叱るというレベルの対応ではなく、

上の子の寂しさや嫉妬心を感じ取って、
毎日、上の子だけを、ひとりだけでかわいがってあげる時間を取ったり、
家に上の子の友だちをできるだけ呼んであげて楽しい時間を増やしてあげたり、
言葉で上の子をかわいく感じていることを伝えたりするという

「積極的な対応」です。

もちろん、悪いことをすれば、善悪を教えるために、叱ることは大事なのです。

でも、叱ることは、親の気持ちを不安定にし、子どもとの関係が悪化していく引き金にもなりがちです。

悪いと思われることを繰り返さずにはいられない行動のもとを
できるだけ正確に察して
「積極的に対応」すると、親子ともに気持ち良く、物事が改善していくことは多いです。

3歳児のグループレッスン(前回の子たちとは別のグループです)
中、こんなことがありました。
☆ちゃんだけがいつも他の子の欲しがるおもちゃを独占して、
次々遊びを変え、
ここにないものを欲しがって大騒ぎしていました。

3歳児さんのグループですから、
ひとり甘えて私のひざに乗ってくる子がいると、他の子も負けじとひざに座ってきて
「先生~先生~」と自分の要求を次々口にします。
それでも、そうして甘えてくる子たちは無茶は言いません。かなえてもらえそうな要求を口にしているのです。すぐに対応してもらえなくても、いずれ自分の望みは聞いてもらえると感じているので、のんびりしています。

それが☆ちゃんだけは、イライラしはじめると、
大人に肩や髪の毛を触れられただけでも過敏になって暴れだし、
かなえることができないような要求ばかり出して
まるで大人の怒りを引き出すことだけを目的に、
ごねているように見えるのです。

こうしたとき、現状だけの判断で、この場合は叱る、この場合はこういう罰という対応をすると、根本的な解決法を逃してしまうように感じます。

☆ちゃんを見ていると、疲れた~お友だちのできることができない~といった
思い通りにいかない場面にぶつかって
負の感情が湧いてくるとき、

他の子のように大人を頼って、甘えて、
イライラや悲しみを解消したり
自分の感情を癒したりする術が絶たれているのです。

また、無茶な要求の裏に見え隠れするのは、
小さな要求を十分にかなえてもらったという体験の少なさです。
といって、☆ちゃんの親御さんが、子どもの要求を聞いてあげていないというわけではないのです。

とにかく子どもは個性的です。
要求が多い子もいれば、要求をうまく出せない子もいます。
また親御さんだって個性がありますから、気づきやすいこと、気づきにくいことがあって、
大きな要求をかなえることに悩んで、
小さな要求に気づいていない場合もあります。

ささいな要求が大人の都合で通らないことが多いと、
どれくらいの要求なら大人は快く聞いてくれて
どれはだめなのか
把握できません。
ストレスがたまって、自分でもコントロールできないような
爆発にむすびつきます。

ですから、こうした子どもが無理難題を突きつけてくる、
無茶な要求が多いという場合、

叱る、無視する、といったその場限りの対応でなく

「積極的な対応」をして、
子どもの気持ちを満たす「小さな要求」には、
毎回きちんと応えてあげるように
つとめると、わがままがどんどん減っていくことがよくあります。

また、感覚過敏と見える態度が
発達障害に寄るものか、
上手に甘えが表現できない親子関係に寄るものか見極めて、

どっちにしろ、フォーカスする部分を
子どもの問題行動から、
大人を信頼して甘えることができているかどうかに移すようにすると、
問題は劇的に解決しはじめます。
「小さな要求」をかなえるって、具体的にはどのようなことをすればいいのですか
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<ちょっと注意!>
自己主張は「自己形成」に必要なプロセスです。
けれども、激しく自己主張し「自分で~!」を連発する時期に
気をつけなくてはならないこともあります。

何でも子どもに決めさせ
子どもの要求を全て受け入れるのはNG!!

ということです。
自己主張が盛んになるこの時期の子の判断は、まだまだ未熟。
自己主張をし、大人から修正されていくなかで、適切な判断を学んでいきます。

「泣き叫べば自分の思いが通る」と覚えさせるような
甘やかしは厳禁です。
大人は自信を持って「大人が決めること」をはっきりしるす必要があります。

発達障がいがある子の育て方の本に
『決定権を誤解する子 理由を言えない子』湯汲 英史 小倉尚子 かもがわ出版
というものがあります。
発達障がいのない子の子育てにも非常に役立つ内容です。

決定権を誤解する子
理由を言えない子
社会的感情を育てる
の3つのポイントに絞って書かれています。
発達障がいがない子も現在はこの3つのどれもに問題を抱えて成長する子が
多い気がします。

それには親の子育ての誤解が原因しているようです。

親は自分の意志を押し通す子の姿を見て「成長した」と誤解を持つことがあります。「早く自分で決められる子に」という願いが誤った認識を支えるのです。

虹色教室通信ではワガママを言うこと、反抗すること、自己主張を見守っていく大切さを繰り返しています。しかし、そうしてワガママを見守ることは、
ワガママを推奨して、定着させることではありません。
子どもが誤解しないために、
見守る親には、子どもと大人の境界線をきちんと引いて、
毅然としてダメはダメと提示する必要があります。

そこで泣き続けるなら、しっかり泣いてもらうことが
大事なのです。

また子どもを誤解させ、成長をとどまらせる親の思いに
「赤ちゃんでもいい」という気持ちがあります。
子どもが大きくなりたい、成長したいと願うのは自然の姿です。
大人の気持ちで、子どもの成長を妨害しないように気をつけなくてはなりません。




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2 コメント

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思い当たる経験があります (ヒロママ)
2010-07-01 23:44:32
[積極的な対応]もよくわかり、とても参考になりました!
息子の場合はやんちゃ…というほどではないかもですが、記事を読んでいて「あ~ウチの子もだ~」という部分も多く、息子との関係をぎくしゃくさせずにスッキリと問題が解決できたな~と感じた時の対応は、まさにここに書かれた対応が(たまたま)できた時でした。
キッパリと淡々とした態度だと、こちらがビックリするほど素直に行動してくれたりしますよね。
こちらがつまらないダメだしを重ねれば、目に見えて息子のイライラがたまっていきますし…
ただ、キッパリとした態度や積極的なフォローができずに親子でイライラすることも多く、課題は自分にあるな~と改めて感じました。
[地頭力]に関する一連の記事も大変面白かったです。地頭力という言葉自体知らなかったので、もっと知りたくなりました。紹介されていた書籍を読んでみようと思います。
Unknown (ガーベラ)
2010-07-02 12:22:42
何度かコメントさせて頂いております、軽度の難聴と軽度発達障害と診断されております小学校3年生の男の子の母です。

家の子もやんちゃくんで明るく元気が良いのですが、良く同じようなタイプの子とトラブルになります。ぶったぶってないと・・・
他の子なら先生や友達の注意があると止められる事を家の子は止められず、ずるずる引きずってしまう事が多く
クラスの保護者の方に煙たがられている状態です。
少人数の教室(今は30人ですが何しろやんちゃな子が多いので息子も落ち着かないです)の方が伸びるかと思い特別支援学校(ろう学校)に移ろうか考えています。

乱暴で言う事をきかない子とレッテルを張られたやんちゃくんどうしたらよいでしょうか??


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