虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

環境と遊びだけでは、勉強という意味での学力がつくのでしょうか? 3

2009-04-28 16:49:35 | 教育論 読者の方からのQ&A
子どもの脳を育てるためには
環境と遊びが大事♪

でもそれだけでは足りないですよね。

何が足りないのでしょう?

子どもが自分の人生を自分で歩んでいるという実感

自分でできるようになりたいと感じること。やりたいことを選ぶこと。うまくいかないときに自分で悩むこと。飽きたときに自分で決意すること。
親や先生がやるべきことを決めて、ただ受動的にそれをこなすだけでは、高学年を過ぎるころには、だんだんエネルギーが枯れていきますよね。

適度な飢餓感

知的な遊びを楽しく感じるくらいの刺激の強すぎない暮らし。
工作に喜んで取り組めるくらいの、努力なしに結果を手にしすぎない暮らし。

遊びの世界が技術をマスターすることや
知的な好奇心を満たすこと
好奇心を広げることにリンクしていること。

読書が子どもの義務ではなくて、
家族にとっての楽しみであること。

あこがれたり、知的な興味を共有しあえる仲間がいること。

『個性と才能を見つめる総合学習モデル』J.S.レンズーリ
で紹介されている子どもの個人の才能を適切に伸ばす環境を
用意する。
(これに関しては、またの機会にくわしく紹介しますね)

そうしたことのひとつひとつがとても大切なのだと思います。
もちろん幼児にとっても!

ただ足りないものがあるからと
あせる必要はないと思います。
まず何が足りないか気づいた時点で、
大きな進歩ですから。
足りないもの…というのはプラスするより、
今あるものから何かを減らしていくとうまくいくものがほとんどのはずです。


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なのたんぱぱ)
2009-04-28 18:40:09
「飢餓感」という言葉、分かりやすかったです。
好きこそ物の…なんていいますが、わが子が自分でやりたがる環境をつくることが本当の意味での環境を整えるってことなんですね。
勉強したいという「飢餓感」作れるように努力します。
Unknown (楓)
2009-04-28 19:50:26
楓と申します。すごく興味深い質問だったので回答記事を楽しみにしてました。ですがちょっと思っていた内容と違っていたので似たような質問を便乗で良いでしょうか?

世間で幼児教育について関心が高まっているとはいえども、やはり全体的にみれば幼児教育を意識することなく、ありのままの成長を見守るスタンスのご家庭が多いと個人的には思います。

遊びをたくさん満足するまでやりぬいた子達が心豊かな精神・知的発達をすると仮定すると、もっともっと
沢山の親御さんがお子さんの知的成長について
満足を得る事になると思うのですよね。
ですが実際はお子さんの学力の伸び悩みに
頭を抱えてる親御さんの話は
昔から消えることがありません。

私は沢山遊んでいろいろな事に興味をもって
それが知への欲求につながるならば
それ以上に良いことはないと思っています。

うまく表現できないのですが、たっぷり外遊びをし、
友達や兄弟と遊び、言葉を交わして育ったお子さんが
勉強に伸び悩む事もあります。そうだとすると、同じ遊びをしてきて伸びる子とちょっと歩調がゆっくりになってしまう子との間に一体何があるのか?と考えてみたのですが「遊びの質」「働きかけ」のあるなしになのかな?などと安易な答えにたどり着いてしまいました。
そういう意味で私も「環境と遊びだけで…」という
同じ疑問が頭にあり便乗質問させていただきました。
書き記したい記事がきっと山のようにあると思いますので、回答は全く急いでません。いつも読んでますのでいつか思い出したときにでもご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

Unknown (ミッフィー)
2009-04-28 20:06:44
なおみ先生、お忙しいところ申し訳ありません。
5月の親子レッスンの日時確認のメールを25日に送らさせて頂いたのですが、届いておりますでしょうか?お返事が私の方に届いていない可能性も考えて、コメント欄から失礼かと思いましたが、こちらにて連絡させていただきました。
飢餓感 (ところてん)
2009-04-28 20:06:47
そのとおりですね。
その飢餓感というのが、程度のもので、難しくて。でも、親が一番よく判る筈なんですね。

熱中すること→遊び
義務でやること→勉強

なら、困るのですが。難しいのですね。

長女の場合、読書は楽しいようなので、嬉しいです。
図書館利用なので、少し飢餓感もありますし。
Unknown (ミッフィー様(なおみ))
2009-04-28 20:18:47
25日のメールはいただいています。すぐにお返事して送信ボックスにも残っているのですが、届いていないでしょうか。
25日の文面でその前にお送りしたメールが届いていないのではないか…とも思えました。もしかしてエキサイトメールとそちらのメールの相性が悪いのかもしれないので、ヤフーメールから返信を送りなおしてみます。
ありがとうございましす。 (ゆうき)
2009-04-28 22:34:57
なおみ先生、記事に取り上げていただいて、ありがとうございました。
何度も読みました。

う~ん…本当に本当に教育って奥が深くて難しいですね。
子育てしながら自分も育つって本当ですね。
飢餓感のお話、かなり納得しました!!
私の中にはあまりない概念でした…

そして、やはり自主性を育む環境がなにより大切で、親の役割や責任は
大きいですよね。

よく、親が勉強教えたりするとイライラしちゃってお互いに駄目とか、
塾や習い事でお友達と一緒にすれば勉強するから、
なんて言いますが、
確かに一理あるのかもしれませんけど
学習とは、学校や塾だけに頼れるものではないな
と今回の記事を読んで改めて感じました。
あと、楓さんのコメントと同じような事も感じました。
自分の子ども時代や、周りの人の事など考えてみました。
今はまだ心身共に落ち着つかないでしょうが、
お体に気をつけて頑張ってくださいね。

Unknown (ぽんき茶)
2009-04-28 22:53:55
うちの子に何が足りないか・・・それを見つけるのってとても難しいですよね。他の子たちと比べるような事はしてはいけないし。人生って素晴らしいって思ってもらえるように育てていきたいです。
名文ですね(^^) (Rのママ)
2009-04-29 00:18:34
最近ブログを始めて思いましたが、普段思っていることでも、文章にして表現するのはなかなか難しいです。
なおみ先生はお考えを表現するがとてもお上手です。
本記事も読み返したくなります。
全く同感です。(どこまでRに出来ているかは疑問ですが。。)
最後の「子どもの個人の才能を適切に伸ばす環境を
用意する。」というところがとても気になりました。
続きの記事を楽しみにしています

Unknown (てんてん)
2009-04-29 15:14:32
興味深く読ませていただきました。
最近の遊び事情をご近所の男の子のお母さんから聞いて驚いているところでした。
小学校中学年くらいになると、流行の遊びが次々と移り変わるそうで、携帯ゲームやテレビゲームソフトも、誕生日やクリスマスになると買ってもらえるようです。
ゲーム以外ほしいものが思いつかない、という話も耳にします。
けれど、そういったゲーム類はだいたいのご家庭で時間を制限されるので、それならばということでカードゲームやバトルのできるえんぴつ、最新のコマ、など次々と新しい遊びに移り、飽きたおもちゃ類は家で眠っているそうです。
また、流行っているので品切れの物が多く、町中探してあげたり、インターネットで探して手に入れてあげるそうです。
子供は同じ遊びをしていると飽きるというのはよくわかりますが、今の流行の遊びというのは完成された商品なので結局子どもが遊びを選んでいるようで与えている、環境を用意しているのは親ということですね。
ご近所のお母さんは「ゲームするよりはまだいいから。」と言われていて、どこか違和感を感じました。
これが商品化されたものではなく、自分達で考えたり作ったりしたものの遊びに飽きて、次々にまた違った遊びを子供達が考え出す、となると全く違った印象で違和感はなかったと思いますが。。

今流行のそういった遊びに子供が惹かれるのは刺激があるからなんですね。
刺激が強いことばかりをしていると楽しいと思えることが少なくなっててしまいそうで
なんだかもったいないですね。。

息子たちもどちらかというと刺激を求める子達ですが、なおみ先生のおかげでこちらも気持ちよく(?)飢餓感を与えることができそうです。
そして適度な飢餓感、決して裕福ではない我が家の子達には感じてもらいやすいかもしれません。。

ただ、
「知的な遊びを楽しく感じるくらいの刺激の強すぎない暮らし。
工作に喜んで取り組めるくらいの、努力なしに結果を手にしすぎない暮らし。」

我が子に関しては飢餓感が直接こちらに結びつきそうもないですが・・・。

息子たちが好みそうな刺激の少ない遊びをいろいろ探して私も一緒に楽しみたいと思います。

ありがとうございました。


Unknown (tamaki)
2015-06-12 09:03:04
最近珍しく児童館にいったのですが、こどもの喜びそうなおもちゃや小学生用のマンガが山ほどおいてありました。親たちはおしゃべりに夢中。

前に他の記事で先生が書いてらしたとおもうのですが、子育て広場でそうしたやり方を学んでしまっているのでしょうか。こどもたちをほっといて親同士でもっぱらおしゃべり、という。

わたしはこどもたちとドールハウス的なおもちゃでおままごとしようとしたのですが、アイテムがやたらとたくさんあるのだけど、ありすぎだし、他のおもちゃに気が散らされてあまり楽しく遊べませんでした。

「適度な飢餓感」の反対の環境がそこにありました。

こどもたちはみんな退屈してどよーんとしてひまをもてあましているのに、自分が退屈している自覚もなく、そういうもんだとおもっている。

むしろ、こんな場所なくしちゃったらみんな外で遊ぶだろうし、天気の悪い日も自分の頭でなんとか工夫しようとするだろうし、ずっとその方がいいんじゃないだろうか、なんて考えが浮かんでしまいました。

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