◆くん、○ちゃん、◇ちゃん、☆ちゃんの年中さんの子たちのレッスンで、ハムスターのお人形で遊びました。
この時期の子たちは、イメージを膨らませてさまざまなことを考えることが得意になってくるので、
ごっこ遊び上のストーリー展開や会話の進展に
「どんだけ楽しいの?」と不思議に思うほど夢中になります。
↑の写真は、ハムスターが神社にお参りにいって、
ちょっぴりずうずうしい願い事を言うストーリーで遊んでいるところです。
チリンチリン~と鈴を鳴らして、
「どうぞ、神様。ひまわりの種と、バナナとお菓子とプリキュアのおもちゃと自転車と
かわいいかばんをください。朝、起きたらベッドの横のところに置いといてください。」と言うと、
子どもたちは大喜び。
自分たちも、ハムスターを手に、神社にお願い事にでかけます。
チリンチリン~「いっぱいお菓子をください。それからジュースもください」などなど。
そこで、私が、「ハムスターったら、そんなにいっぱいお願いばかりして、ずうずうしいねぇ」と言い、
ハムスターを手に、○ちゃんに、「ねぇ、人間さん。ずうずうしいってどういう意味?教えてちょうだい」とたずねました。
すると、○ちゃんは、首をかしげてとまどっていました。
わたしはこんな風に説明しました。
「神様、チョコレートを1枚くださいってお願いするのは、ずうずうしくないね。でも、
神様、チョコレートとキャンディーとクッキーをテーブルの上からあふれるくらいと、ベッドの上にお山ができるくらい
ちょうだいってお願いしたら、それはずうずうしいねぇ」
それを聞いた○ちゃんは、「本当に、それはずうずうしいわぁ」とうなずきました。
子どもたちは、ハムスターのために、お家と幼稚園と学校と公園を作っていました。
写真は、トイレ。
最初に、◇ちゃんが、「はい、トイレ」と丸い輪の形の積み木を置いたので、
ハムスターに「プンプン。このトイレ。何だか嫌になっちゃうわ。だって、お外が丸見えなんだもの。
わたしの目から見るとお外が丸見えってことは、ほかのハムスターたちから
わたしはどんな風に見えているの?」と言うと、
「トイレをしているところが丸見えだよ。恥ずかしいじゃんか。」と言いながら◆くんが
あわてて周囲をブロックで囲い、「出れないよ。ドアがないからね」と言って笑いました。
子どもたちに、ハムスターで遊びながらいろいろな疑問を投げかけると、
それは面白そうに解決してくれました。
「ねぇ、少しってどういう意味?」とたずねると、
☆ちゃんが、おもちゃのグラスを手に取って、「少しって言うのは、このコップだと、
この底の方にちょっとだけあるってことよ」と説明しました。
そこで、「それなら、☆ちゃんのすいとうだとどれくらいのこと?」と
意地悪な質問をしてみました。
☆ちゃんはすいとうのコップを指して、「わたしが飲むときの少しは、すいとうのコップのこのくらい」と少しの量を示し、
「でも、ハムスターちゃんの少しは、わたしのすいとうのコップだと、ポチっとお茶がひっついているくらいよ」
と答えました。
それを聞いていた○ちゃんも、「少しは、最初にどれくらいだったかってことで、ちがうよ。
ちょっとだけとか、たくさんとかは、そのとき、最初にこれかなーあれかなーっていう
物がちがってたらちがうもん。」と付け加えました。
他の子らも、言葉の概念にとても敏感になる時期らしく
「水の中の生き物と言うのと、魚というのはどのようにちがうのか、
わにと人間はどこがどのようにちがうのか、
昨日と明日はどこがちがうのか」などを、ハムスターたちと真剣に意見を交わしていました。
娘もよく「少し」とか「ちょっとだけ」といった言葉で表現をすることがよくあります。
そのたびに私は、娘の中に量的な概念が育ってきているんだなぁ~と思って、見守っていました。これからは、娘の中にある量的感覚だけでなく、第3者の量的感覚を表現させることも意識してみようと思います。