虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

虹色オンライン教材についてのご質問へのお返事

2015-10-08 06:40:20 | 虹色オンライン教材

虹色オンライン教室(このブログの左上から紹介ページにリンクしています)を受講してくださっている方から、次のような質問をいただきました。

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こんにちは。虹色オンライン教室を受講させていただいております★と申します。

受講させていただきまして3年が立ちました。
今までですと、オンライン教室にて工作を探し、それを子供と作り、そこから発展させていくというパターンが多かったのですが、最近では、子供がこういうのが造りたいという具体的な物が出てくるようになりました。

例えばガスコンロをつくりたいとなり、ガスコンロを材料を選びながら作ります。
すると、子供が「ボタンを押すと火が出るようにしたい」と動きを入れたがることが多くなりました。

そのため、いろいろ試行錯誤をするのですが、なかなかうまくいきません。

また、図書館で「からくり工作」のような本を借りてきて作るのですが、子供(6歳)にとっては作るのが難しく、複雑で他で応用が効かないようです。

ホームページに掲載されている
・自動販売機
・ストローと紙皿で 回転する台を作ろう
・ラーメン製造器
などは仕組みがシンプルで子供にも作りやすく、子供自身が他の物を作っているときにこの仕組みを取り入れて作ることがあります。

そこで、がありましたらご教授いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。

P.S奈緒美先生の工作はどれも子供の心をつかみますね。私も工夫をしていろいろ子どもと作るのですが、反応が違います 笑

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オンライン教材を利用していただきありがとうございます。

「市販の工作本が、子どもにとっては複雑で応用が利かない」という思いは、

わたし自身が強く感じていることで、

コレッという適切な本の紹介はできないのですが、

今月の半ばから親向け(参加は親子対象)の工作講座を開く予定なので、

その様子を記事にするついでに、できるだけ他の物に応用がききやすいシンプルな仕組みを紹介していこうと

思っています。

少しの間だけ待っていてくださいね。

 

「他の物に応用がききやすいシンプルな仕組み」は、

「子どもといっしょに素材の形状で遊ぶこと」と、

「常にシンプルな動きを探究すること」のふたつから生まれたものがほとんどです。

例えば、ゴム、モール、曲がるストロー、切り込みがひとつ入った紙、

紙コップ、ゼリーの空き容器などの素材と遊ぶ時間を設けると、

子どもはさまざまな発見をします。

ゴムは引っ張れば、もとにもどります。何かを飛ばしたり、野球のバットのように一方を固定すれば、「振る」という

運動も作り出します。また丸い筒同士に引っかけると、「一方を動かすともう一方も動く」ような

面白い動きが生まれます。こんな風に子ども自身が素材の新しい活用法を見つけだして、

それを使った工作をするようになると、

作る世界がずいぶん広がります。

 

また、「転がる」のような動きを、トイレットペーパーの芯を転がしてみたり、さまざまな他の形状のものを転がしてみたり、

それに少し何か貼り付けてみて試したりすると、

思わぬからくりを発見することができます。

たとえば、質問にあった「ボタンを押すと火がでる仕組み」などは、外箱の一部に穴を開けておき、

中に入れる厚紙やトイレットペーパーの芯の一部に、

火にあたる赤い紙や毛糸等をつけておけば、

「押す」ことを探究しても、「ひねる」ことを探究しても、

火がつく仕組みを見つけ出すことができると思います。

 

教室では、伝統的なからくりおもちゃ工作の本や科学工作の本なども

参考にすることがあるのですが、たいていはそのままだと子どもが「その工作をしました」だけで

次への発展につながらないまま終わってしまいます。

そこで私自身が本にあるものを一通り作ってみて、

より子どもに扱いやすい素材を使えないか、作業の工程が

他に応用の効く普遍的なものにならないか、

目で見てなぜそうなっているのかわかるようにするにはどうすればいいのか、

各年齢にちょうどよいレベルに調節するにはどうすればいいのか、などをよく吟味した上で、

かなりシンプルにして、子どもが自在に自分のアイデアで作り変えられる状態にして

工作しています。 

 具体的な方法は、また随時紹介していきますね。

 

ブログではうまく伝えきれていないのですが、

子どもたちと工作をする時、「作り方」というより、

「頭の使い方」を教えるようにしています。

また、「こういうことも自分で考えるといいんだな」「こういうことも自分で見つければいいんだな」

と子どもが自分で考える範囲が広がるような関わりを大事にしています。

それと同時に、工作を超えた子どもの興味関心を拾って、

新しい世界への橋渡しをするようにもしています。

たとえば、ガスコンロつくりから、子供の「ボタンを押すと火が出るようにしたい」という気持ちが

生じた場合、工作として「面白いからくりのガスコンロつくり」に付き合うと同時に、

火はなぜ燃えるのか、昔の人は火をどのように起こしたのか、といった興味が探究できるように

図書館で本を探してきたり、子どもの関心がより深まるような体験を用意したりするようにしています。

 

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おまけ 

 

あそびのアトリエさんが、熊本での算数教室の様子を記事にしてくださっています。

よかったら、覗きにいってくださいね。

九州で幼い子を育てている方々は、ぜひ一度、熊本のあそびのアトリエさんを訪ねてみてください。

貴重なすばらしい時間をすごせることと思います。


 


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (min)
2015-10-11 04:51:31
質問を取り上げていただきましてありがとうございます。たしかに、素材そのもので遊ぶことが少なかったように思いました。また、興味関心を持ったことへの広げ方も教えていただきましてありがとうございます。

これからも子供たちとの工作楽しんでいきたいと思います。
秋の工作講座のご報告も楽しみにしています。
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