3歳4ヶ月のAちゃんとBちゃんのレッスンで。
3歳になって個性がはっきりしてきたふたり。
それぞれ自分の得意な資質を使う場面でいきいきとしていました。
Aちゃんの今のブームは、目新しいものを見つけてきては、その使い道を考えたり、
それについて知っていることをあれこれ説明することです。
直観を創造的に使うのが得意なようです。
人形ごっこのストーリーを考えるのも、とても上手です。
Bちゃんは感覚が優れている子で、
「分ける、詰める、貼る、ひもに通す、すくう、巻く」といった作業を非常に喜びます。
何ごとにもていねいに熱心に関わります。集中力がすばらしいです。
↑ストローに綿を詰めているBちゃん。
(↑卵の殻にも綿を詰めています。)
Bちゃんが作業に集中する傍ら、Aちゃんは少し遊んだかと思うと
目新しいものを探してくることを繰り返していました。
↓の写真のカーブになったトンネルの屋根のパーツをBちゃんが持ってきて、
「これは何をするもの?」とたずねました。
「トンネルの屋根よ」とか「門の屋根よ」と言って作ってあげたくなるところ……
3歳児さんの主体性に敬意を示して、「何かなぁ?」とたずね返して待っていました。
すると、Aちゃんは、屋根をそのまま基礎板に取りつけて、
「橋よ」と言いました。
それから、トラに橋を渡らせて、「ほら、こうして、シューってすべっていくの」と
説明を加えました。
「面白いねぇ、ほんとワクワクするわぁ」とお姉ちゃんぶったコメントまで加えていました。
こういう瞬間、「ああ、慌てて子どもの質問に答えなくてよかった」と感じます。
もしわたしが即座に「これはね……」と答えていたら、
Aちゃんが自分の思いつきをアウトプットする機会もそれについて説明する機会も
奪ってしまったでしょうから。
自分の得意な資質を使うことで自信に満ちたわくわくする気分を味わうこともなかったでしょう。
はしごを見つけたAちゃん。
テーブルから降りれなくなった人形を助けることができてうれしそう。
子どもとたくさんおしゃべりすることは大切です。
でも、同時に、子どもから、自分の思いつきを口にすることや、
自分の考えを物を使って表現することや、
自分で全てやったという充実感を奪ってしまうことがないよう
気をつけることも、とても大事だと思っています。
特に、3、4歳の子たちに対して。
Aちゃんがブロックのプレゼントのパーツを見つけました。
「はい、どうぞ」とBちゃんにあげるものの、Bちゃんは興味がありません。
そこで、AちゃんはBちゃんの手に押し込むようにプレゼントのパーツを渡し、
Bちゃんは振り払って他所へ行こうとしていました。
そこで、ちょっと間を取り持って、小声で、
「内緒でそっとプレゼントを渡しに行こうね。内緒よ。秘密、秘密。
Bちゃんのお兄ちゃんにプレゼントをあげよう」
と言って、お人形をブロックの家のドアにそっと近づけて、ドアを叩かせました。
受け取ったBちゃんは、
「ちがうよ、お兄ちゃんはピンクちがうよ」とお兄ちゃん役をさせている人形を
持って嫌がる素振りをしていました。
そこで、Bちゃん役のお人形にプレゼントを渡して一件落着。
「プレゼントを受け取らない」という遊びの一シーンにも
3歳児さんは3歳児さんなりの考えがあるものです。
それにしっかり耳を傾けると、子どもはそうした自分の考えをさらに発展させます。
↑Bちゃんいわく、サイズを色を見て、
「お兄ちゃんのベッドとBちゃんのベッド」なのだそうです。
コンビニのゴミ箱のフィギュアが大ヒットしたふたり。
ブロックの掃除機でゴミを集める遊びをしていたので
いっしょに掃除機を作ることにしました。
紙コップにストローを貼って、先っぽに吸い取り口の紙を貼るとできあがり。
ゴミが吸えないと面白くないので、吸い取り口にペッタンテープを貼ると、
AちゃんもBちゃんも大満足の笑みを浮かべていました。
<おまけ>
ハンドミキサーの作り方。
子どもが折った紙をストローの先につけて、
じゃばらをのばして、ストローの先を少し折り曲げたらできあがり。
綿やティッシュなどを入れてかきまわすと、
本物のハンドミキサーを使っているみたいです。