虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

考える力を育むブロック遊び 1

2015-06-10 17:54:22 | レゴ デュプロ ブロック

昨日からブロック講座をはじめています。親子で参加していただく形なので、

ちょっと詰め込み過ぎですが、

推理力を引き出すブロックの遊び方、科学的な力を利用する方法、

男の子に人気の作品群、女の子が喜ぶ作品群、

敏感期の子とブロックの関わり、文字への興味を育む遊び方、

ブロックで知育玩具を作る方法などを一気に学んでいただいています。

 

2時間あると、合体ロボ、ビー玉コースター、エレベーター、ドールハウス、爆弾、

足が動く昆虫、果物の形の宝箱、本当にボールが打てるバッティングマシーン、

ベルトコンベアーのある工場、開閉するドア、回転ずし屋さん、ガチャポン、

自動販売機、空飛ぶロケット、テレビ、動く動物園、知育パズルと算数パズル、

知育ゲームなどけっこうたくさん作れました。

実際に作るところを見ていただいたり自分で作っていただいたりすると

すぐにコツが飲み込めたようです。

(これまで2回、ブロック講座を開いていますが、流れ上、それぞれ2つくらい

見ていただけなかったものがあります。また教室に来る機会があれば、

作り方を知りたいものを申し出てくださいね。)

 

ブロック講座でのひとこま。

2歳児の親御さんたちのグループで、穴を利用して、

さまざまなしかけを作る方法を学んでいた時のこと。

 

「『穴を棒でふさいで、棒を動かすことで小物が下に落ちる』というシンプルな

しかけで子どもが熱心に遊びだしたら、次はどうしますか?」とたずねました。

すると、参加しておられたパパさんが、こんな面白いおもちゃを作っていました。

 

さまざまな方向から差し込まれた棒を

上から順番に引きぬくと、ビー玉がだんだん下におりてきます。

そこの娘ちゃんが、不思議そうにしかけを覗きこみながら遊んでいると、

赤ちゃんが興味しんしんに近づいてきて、

引っ込んだり出てきたりするブロックの棒を触りだしました。

棒が引っ込むと、穴に指を入れて取り出そうとする姿に一同、大笑い。

 

 

こちらは2歳のBくんとお母さんの作品。

棒を入れる穴のサイズが少し大きいだけで、

それまでにない面白い動きが生まれていました。

お母さんが上の穴からアヒルを入れると、Bくんが棒を押す時に、

アヒルが棒に乗って出てくるのです。

このしかけで『ハト時計』を作ることができるかもしれませんね。

 

 

最初のシンプルなアイデアを、知恵を絞って少しだけ発展させるようにして遊ぶと、

子どももいっしょになって考えるようになっていきます。

 

ちょっとしたアクシデントも知恵を使う好機です。

上の写真は、最初、開閉する扉がついた駐車場だったのですが、

Cくんが入口を黄色いブロックで埋めてしまいました。

これでは車を入れることができません。

でも、これを見た時、わたしは面白いアイデアを思いつきました。

先っぽにCくんが埋めた黄色いブロックの形をつけた

鍵を作ると、「鍵をしめると、ドアが開閉できない」

「鍵を開けると、扉が動くようになる」という遊びができるな……と。

こんなふうに、「中に入れない」という困った状況も、創造的に解決する姿を見せると、

子どもは子どもで、新たなアイデアを試してみようとします。

 

ブロック遊びをする時は、「子どもに作り方を教える」のではなく、

「子どもといっしょに知恵を絞ることや問題を解決することを楽しもう」という

気持ちで関わるのがいいかもしれません。

 

平たいブロックの板も、板に乗せる向きによってたちまち立体的な作品になります。

階段をつけたり、エレベーターをつけたりすると、

子どもは空間を自在に使って遊びだします。

 

荷物を引きあげる道具も取り付けました。

 

「3階から2階に下りるのはどうすればいいでしょう?」と相談をいただいたので、

らせん状の階段を作る方法を見ていただくと、

思わぬ解決法があるもの……ととても面白がっていただきました。

 

空間を複雑に使った作品は、遊びをわくわくするものにしてくれます。

子どもは自然に階段や家具や入口などを付け加えるようになると思います。