虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

相談 「子どもといっしょにするごっこ遊びがワンパターンになってしまいます」 

2014-10-16 14:22:07 | 通常レッスン

「家ではいつもごっこ遊びをしています。

毎回、遊びがワンパターンになってしまいます。

どうやって遊びを広げたらいいでしょうか?」という相談をいただきました。

そこで、2歳0ヶ月のAちゃん、2歳2ヶ月のBくん、2歳3ヶ月Cちゃん、

3歳2ヶ月のDくんのレッスンの様子を例に、

遊び発展のさせ方のヒントを紹介していきますね。

 

2歳~3歳の数や秩序に敏感になっていく時期の子たちには、

同じものをいくつか用意してあげると、いいおもちゃになります。

特にオススメなのは、100円ショップで売っている折り紙より少し大きいくらいの

サイズの無地のタオルハンカチです。

しわにならず、たたみやすくて、場所を取りません。

三角に折っておにぎりやサンドイッチを作ったり、

折ってからくるくる巻いてケーキを作ったりできます。

プレゼントやお弁当を包んだり、赤ちゃんごっこの時はおむつやおくるみにしたり、

ふとんや病院ごっこの包帯、人形をお風呂やプールに入れる時のバスタオル、

テント、触って当てるゲームでかぶせる布などにも使えます。

 

 写真は、お人形たちにかけぶとんをかけて寝かしつけているところです。

一人ひとりにふとんをかけてあげながら、「いやだ、いやだ!ねたくないよ」と

ぐずるストーリーで遊んでいます。

 

「えほんを読んであげるから寝ようね」と言って、

小さな絵本を読んで聞かせる真似をすると、

Aちゃんが喜んで遊びだしました。Bちゃん、Cちゃん、Dくんの3人も

絵本を読んで聞かせるシーンに強く惹かれたようでした。

 

ただお人形を寝かせるだけの遊びとはいえ、

この中に幼い子たちと遊びを魅力的なものにするヒントが3つ含まれています。

 

一つ目は、一対一対応がわかりはじめる数に敏感な時期の子たちは、

何体ものお人形の一体一体にふとんをかけてあげるとか、椅子に座らせてあげるとか、

食べ物を与えるとか、お風呂に入れてあげることが

楽しい遊びになるということです。

 

二つ目は、遊びの最中に「いやだいやだ寝ないよ」と人形に言わせることで

問題を解決する楽しさを作ることです。

お風呂に人形を入れてあげる時に、「シャンプーが目にしみたよ」と

お人形に言わせたり、

病院ごっこをする際、人形に「苦いお薬は飲みたくないよ」と言わせたりするのです。

 

みっつ目は、「絵本の読み聞かせ」のように

子どもの日常の体験をごっこに盛り込むことです。

ここで小さなサイズの絵本を使うと、他の子らも前のめりになって

遊びを覗きこんでいました。

でも、こういった小物はわざわざ購入する必要はないと思っています。

今回のレッスンでは、お家で使っていただくために

色画用紙を折って小さい絵本を作りましたが、

手を使って、絵本を開く真似をするだけでも十分楽しめると思います。

  

ごっこ遊びの中で、その子が熱心にやりたがるレベルの

手作業を用意してあげるのもいいです。

上の写真は、木片とひもを使ったアイス作り。

Dくんは、くるくるひもを巻きとってテープでとめる作業を

心から楽しんでいました。

 

この日、Dくんは、電車がぴったりおさまる駅や高いビルを作り、

その後、駅の屋根の部分にブロックを何重にも敷き詰めていく作業に夢中でした。

 

お家でたまごを割る体験をしてから、

卵の中に小物を入れておいて、カチカチ卵を打ち付けて、フライパンの上でカパッと

割る作業がDくんのお気に入りです。

 

ままごと中のAちゃんとCちゃんとメニュー表を作りました。

食べ物の絵を描いて、字を添えています。注文して遊びます。

写真はAちゃんが綿棒で、綿を伸ばしているところです。

 

写真は木片を三つつなげて作ったおにぎり型です。段ボールなどでも

すぐ作れます。

 

ラップを乗せて、黒い折り紙と赤い玉を入れて、

綿を押し込んでおにぎりを作っています。

遊びの中にこうした手間のかかる作業があることを

子どもはとても喜びます。綿を入れるのを手伝うところかはじめて、

全部自分でできるようになるととても喜びます。

 

同様の作り方でプリンもできます。

 

 

Bくんはトラックやゴミ収集車に物を入れるのを楽しんでいました。

そこで、お家に帰ってからも同様の遊びができるように

ブロックに装着する形の荷台を作りました。

箱を切って、輪ゴムを貼っただけです。

 

Bくんは動く仕掛けにとても興味がある子です。

ゴミ収集車のボタンを押すと、

ゴミが入っている部分が傾いて、中に入れたものが

ザーッと落ちてくることに興味を持っていました。

そこで、さきほどの荷台の部分に自動的に傾く機能をつけることにしました。

箱の下に木片を貼って補強してから、写真のように傾いた状態になるように

輪ゴムで引っ張っておきます。

それから、輪ゴムを引いて、ブロックの一部に引っかけて、

写真のように元の状態になるようにします。

引っかけているゴムをはずすと、傾きます。

 

Cちゃんが音のなる玉と鈴を振りながら音の違いを楽しんでいました。

音に敏感な時期のようです。

 

そこで、ヨーグルトのカップにいろいろなものを入れて

振って音を聞き分けるおもちゃを作りました。

Cちゃんは大喜び。

 

Dくんは、自分で全行程をやってみせて、とても得意そうでした。