虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの発想は、大人とずいぶん違うもの……!? 1

2014-09-17 22:08:19 | 工作 ワークショップ

 子どもの発想は大人とはずいぶん違います。

それぞれの子の個性や成長段階によって、思いもよらないものに関心を抱き、

それを遊びや物作りの場面で表現しようとする姿が面白いです。

 

年中のAくんが、「セブンイレブンのお店(おもちゃ)に、

これ(段ボールを切ったもの)貼ってもいい?」と聞いてきました。

「あとではずすのなら、セロテープか養生テープでつけてもいいわよ」と言うと、

「あのね、お店の屋根の部分がずーっと前の方まで伸びていくようにしたいんだよ。

そうしたら、雨が降っても濡れないから。それでね、この屋根の下のところに

テーブルとか椅子とか置いて、お茶を飲んだり何か食べたりするんだ」とのこと。

 

屋根は大満足の出来だった様子。

ところが、木片でテーブルを作って屋根の下に設置しようとしたところ、

いくらなんでも大きすぎることが判明。

切りかえの速いAくんは、「だったら、屋根の上で何か食べたり飲んだりすることに

するよ」と言って、上の写真のようにテーブルを乗せました。

すると、今度は椅子を置く場所がないことに気づきました。

 

あとからAくんのお母さんに伺ったところ、旅行先で前にせり出た屋根付きの

コンビニがあったそうで、2日に渡ってその屋根の下のテーブルで、

飲み物を飲んだのだそうです。

普段、見慣れないつき出した屋根のあるコンビニ……

Aくんの心によほど強いインパクトを与えたのでしょう。

 

椅子を置くスペースがないことに観念したAくんは、

上の写真の左に写っている通り、テーブルを真ん中にして

教室の子供椅子を向かい合わせに置いて、「これでいい」と言いました。

Aくんにすると、この解決案は冗談でも何でもなかったようで、

算数タイムの際にお友だちがこの椅子を使おうとすると、激しく抵抗していました。

思わず、「この椅子、大切な作品の一部だったんだ。」と納得。

 

別の日、こんなことがありました。

4歳になったばかりのBくん。

「何がしたい?」とたずねると、「こんなにこんなにこんなに大きな恐竜が作りたい」

と言いながら、両手をいっぱいいっぱいに広げました。

そこで、エアコンが入っていた大きな段ボールを用意して、いっしょに

巨大恐竜の絵を描きました。

 

自分の身体より大きな絵に心から満足した様子のBくんは、

その絵の上にブロックの基礎板や恐竜のフィギアを並べだし、

「ここは、恐竜博物館ってことにするよ。それから、この輪っかの中が大昔の海の中の

生き物がいるところ」と言いました。

 

恐竜の絵を描いたあと、恐竜を作るのかと思ったら、その身体の各部分を通って

見学してまわる恐竜博物館にするとは……子どもの発想は、全く読めません。

 

BくんといっしょにレッスンしていたCくん。

ラップの空き箱に丸いわっかを貼り付けて、

「宇宙ステーションのやつ作ったから、吊り下げて!」とのこと。

「銀や金のキラキラしたきれいな色紙があるから貼ってみる?」とたずねると、

「いらない」とのこと。

Cくんにとって、自分で作ったということは何より大切な様子。

 

くねくね曲がるへびといっしょに天井からぶらさげました。