虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

春休みの算数クラブ 3 続き

2014-03-21 21:25:29 | 算数

工作をする間、●くんはあれもこれもしたいと思う反面、実際に作る段になって

どのようにしたいかたずねると、自分のイメージを言葉にするのが難しいようでした。

何かを選んだり、決めたりするのも苦手な様子。

 

そのため、工作は思うように進まなかったのですが、

電子工作のロボットや乗り物に強い関心を示していたので、モーターや豆電球などを

使って物作りをするは、喜びそうでした。

 

●くんは、自分がやりたいと思うことを実行するには、どんな段取りで、

どのように着手していけばいいのか、想像するのが困難なようです。

 

その一方で、算数の問題を解いたり、ゲームのルールを理解したりするのは

とても上手でした。

『カタンの開拓者』というカードゲームをするのは初めてでしたが、

ルールを直観的に理解して、夢中になって遊んでいました。

わたしが何か言葉で説明するたびに、

「どういう意味?どういう意味?」とたずねていたので、レッスンの間、

一つひとつの言葉の意味を、具体的に目で見て確かめられる形で示すようにしました。

 

工作やゲームをする場面で気づいたことを、算数の学習で活かす必要を感じました。

 

●くんは、計算や即答できる長さの練習済みの文章題なら、かなり難しいものものも

できるようでした。 

しかし、ごく日常的な易しい言葉でも、それが言い表していることを察するのは

難しいようでしたし、

また目の前の課題を達成するには、何をどんな手順ですればいいのか

考えるのが苦手なようでした。

 

そんなふうに、できることとできないことの開きが大きい子は、

「1年生や2年生の学習は楽々できているな」と思っても、

ある時期、問い方が変わったり、

自分で絵図を描いて考えなくてはならなくなったとたん、

全く手が出せなくなることがあります。

 

ですから、得意を伸ばす一方で、

日常生活や遊びの中で、言葉の意味を確認する経験を増やしたり、

自分で段取りして何かをやり遂げるように支援したりするといいのかもしれません。

 

 

○くんは、「工作が大好き」といって、空き箱や空き容器を見つけては

いくつも物作りをしていました。

「ロボットを作りたい」とか、「飛行機を作りたい」と言いながら

作っていましたが、ロボットや飛行機がどんな形なのか、自分はどのように作りたいか

イメージするのは苦手なようでした。

そのため、ただ目についた物と物を貼り付けただけ……という作品が、

いくつもできあがりましたが、本人はとても満足していました。

まだメタ認知力が弱いようです。

何をするにも、意欲的でエネルギッシュなところが○くんの長所だな、と感じました。

計算したり算数の問いを理解したりするのは得意でした。

また『カタンの開拓者』のゲームをするときは、

ルールを理解するのが少し難しいようでしたが、わからないから……と

疲れてしまうようなことはなく、最後まで熱中して遊んでいました。

 

○くんも●くん同様、できることとできないことの開きが大きいようだったので、

さまざまな場面で、想像力や語彙の理解力が育つようにフォローしながら、

得意なことをどんどん伸ばしてあげるといいように思いました。